びんちょうまぐろと野菜のマリネ カラマタオリーブのソース
こんにちは、ラ・フェ修家です。
今の季節、日中は汗ばむほどの陽気でも、朝晩はまだ肌寒さが残る日があります。
この寒暖差が続くと、気づかないうちに体に疲れが溜まりやすくなります。
食欲が落ちてくるのも、そんな季節の変わり目のサインかもしれません。
だからこそ、胃に負担をかけず、満足感が残る前菜を心がけています。
びんちょうまぐろは、まぐろの中でも最も色が淡く、白に近い身を持つ魚です。
「ビンナガ」とも呼ばれ、その名の通り胸びれが長いのが特徴。
脂のしつこさがなく、口の中でほろりとほぐれるような繊細な食感があります。
赤身の力強さとは対極にある、上品な旨味の持ち主です。
素材の良さを活かしたくて、火の入れ方はできるだけ控えめにしています。
表面だけオリーブオイルでさっと焼き、中はしっとりとしたレアな状態のまま。
焼いた面には香ばしさが生まれ、切り分けると淡いピンクの断面が現れます。
加熱しすぎると途端にパサつく繊細な魚だからこそ、焼き加減には特に気を使っています。
赤と黄色のパプリカは直火でじっくりと焼き上げ、表面を真っ黒になるまで焦がします。
その後、丁寧に皮をむくことで、パプリカ特有の青臭さが和らぎ、甘味がぐっと引き立ちます。
ズッキーニはスライスしてオリーブオイルでソテー。
甘味が増して、まぐろとよく合います。
プチトマトの酸味と水菜の歯触りで、皿全体に軽さを出しました。
ソースはカラマタオリーブがベースです。
ギリシャ原産のこのオリーブは、香りが豊かでコクがあります。
オリーブオイル、醤油、にんにくなどをを合わせていますが、醤油とカラマタオリーブは、不思議とよく合うんです。
地中海と和の組み合わせが、魚にも野菜にも自然に寄り添うソースになりました。
仕上げに、びんちょうまぐろへ「幻の塩の花」と称されるピランソルトを少々。
スロヴェニアの塩田で、太陽と風だけを頼りに結晶化したこの塩は、苦みがなくミネラルの豊かさが際立ちます。
塩味を加えるというよりも、びんちょうまぐろの旨味をそっと引き上げるような役割。
シンプルな構成ですが、素材ごとに火の入れ方や味付けを変えています。
季節の野菜と魚の美味しさを感じていただける、当店らしい一皿をぜひお楽しみください。
以上、ラ・フェの厨房からでした。

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