「なぜやるのか」を問い続ける。Laboro.AIのマーケティングと、プロダクト「未来リサーチ」の挑戦
こんにちは、Laboro.AIの採用担当です。
Laboro.AIにとっての「プロダクト」は、業務や雑談から生まれた小さな違和感や、試しに開発してみたプロトタイプ、様々なお客様へのヒアリングを踏まえたブラッシュアップなど、そうした試行錯誤の積み重ねによって生み出されてきたものです。
本記事では、執行役員として当社のマーケティング&コミュニケーション領域を統括する和田が、自身のキャリアの原点から、Laboro.AIにおけるマーケティングの思想、そして「なぜ今、プロダクトに挑戦するのか」という問いについて語ります。
一つの挑戦が、次の挑戦を生む。プロダクトを起点に、新しい可能性へ踏み出していく、そんな環境がどのように育まれてきたのかを、和田の言葉を通してお伝えします。
1. 和田さんについて
a. これまでのキャリアを振り返って、どんな変遷をたどってきたか教えてください。
マーケティングに関わるようになった最初のきっかけは、大学のゼミでした。指導教官が、後にGoogle Japanの役員を担うことになる方で、その先生に初めてマーケティングという考え方を教えてもらって、シンプルに面白いなと思ったんですよね。
その面白さはゼミの入室試験の面接の時点から始まっていて、いきなり「自分を動物に例えるなら何ですか?」という質問をされたんです。今あるものをそのままストレートに伝えるのではなく、言い方を変えて魅力をプラスする。マーケティングの価値や魅力にはまっていきました。
そのまま大学院に進学し消費者行動論を研究しました。消費者の行動や心理を研究する分野で、当時は「流行が起こるメカニズムとは」というテーマで研究をしていました。
大学院修了後はKDDIに入社しました。最初はマーケティングの中でもプロモーション領域が中心でした。学術で学んだことを実務でどれくらい使えるか試し、学問と実ビジネスの差を良い意味でも痛感しました。
ただ、配属が本社ではなく支社だったこともあって、人数が少ないことを背景に、多くのプロモーション施策の企画・実行を経験させてもらいました。新商品の発表会、イベント、新聞・テレビ広告、店頭ツールの制作、スタッフ研修、調査まで。通常は担当が分かれているところ、広く経験したことで、様々な施策を組み合わせる「クロスメディア」発想の引き出しのベースができたと思っています。
その後、携帯電話やスマートフォンといった世界から、もっと人の生活の根源に近い「食べ物」に関わる一次産業へ転職しました。全国の漁業地域を回り、水産物や加工品をメディアに紹介し、それを記事に掲載いただき、消費者の方々に買っていただくための流れを作る、という広報PR活動をしていました。
振り返ると、KDDIでは巨額の予算があり、漁業ではほぼゼロ。完全に両極端です。しかし、その経験で「予算がある前提でできること」と「予算がなくてもできること」、両方の引き出しが増えました。実は今Laboro.AIでやっていることも、その組み合わせだと思っています。
人からは「振り幅がすごいですね」と言われますが、自分ではあまり意識がなく、マーケティングとはそもそも扱うものやターゲットに合わせて、チャネルや施策を最適に組み替えるものですから、本質的にはやっていることは同じです。手元にあるものをどう表現し直して、誰に、どのチャネルで伝えるかを考える。それをどの会社でもやってきただけだと思っています。
b. その中で、Laboro.AIに入社しようと思った決め手はなんでしたか?
そもそも新卒でKDDIに入社したのは、ゼミの先生から「自分がアップデートできる方に行ったらいい」とアドバイスいただき、新しいことに挑戦しているKDDIを選択しました。その後、転職した一次産業では、技術がなかなか入っていかない現実も見ました。
2018〜2019年頃、AI、とくにディープラーニングの国内産業での活用の盛り上がりがピークだったタイミングで、「漁業のようなこれまで技術が入らなかった領域でAIが使われるようになれば、産業のアップデートにつながるのではないか」と思い、AIの会社に転職しようと思いました。
AI企業を探索している中で、当時、Laboro.AIのサイトに掲げられていた「効く、AIを。」というコピーが、妙に腑に落ちたんです。ブームの中で有象無象のAI企業がある中、その場限りのプロダクトではなく、カスタムで受託開発をし、「真にビジネスに効くものを提供します」という差別化目線のコンセプトがそのシンプルなコピーに凝縮されていたことに、ある種の衝撃がありました。この会社は自分たちの立ち位置を理解していて、それをマーケティング観点で誠実に伝えようとしている会社だと感じたんです。
また、10〜20人規模のスタートアップの段階でマーケターを先に採用しようとしているのも珍しく、経営者がマーケティングを重視しているというメッセージだと感じ、そこにセンスや理解がある会社だと思いました。

2. Laboro.AIにおけるマーケの思想と役割
a. 和田さんにとってマーケティングとはなんでしょうか?
「正しく価値を伝えること」です。マーケティングは方向性を間違えると誇大広告になる。できないことをできるように見せてしまうと、短期的には成果が出ても、長期的には信頼を失うだけです。
例えばスマートフォン販売の「0円」という訴求は、短期的な売上にはつながるかもしれませんが、ブランドへの愛着や「この会社が好き」という感情にはつながりにくくなるため、長期的なファンを獲得・維持することに難しさが生まれてくる。企業自らが価値を下げて訴求すれば、お客様も同じようにその会社・商品を価値が低いものとして見てしまうのです。
Laboro.AIでも、私たちの価値を誠実に、正確に伝えることを大事にしています。この会社が何を目指しているのか、世の中に何を提供し、どのような産業の未来を作りたいのかを、正しく、またわかりやすく伝えることで、長期的なファンを増やしていくことが私のミッションだと思っています。
b. マーケティング部は、プロモーション/ブランディング/プロダクトという3つの領域を持っていますが、なぜ今の領域構成になっているのでしょうか?
現在のマーケティング部の構成は、時間軸に応じたものと捉えています。
プロモーションは3〜6ヶ月くらいの短期で、お客様とのタッチポイントをどう作るかという活動です。
一方で、ブランディングや広告は、長期的にファンになっていただくための活動で、私たちのコンセプトやイメージを訴求する活動が中心にあります。
プロダクトはさらに長期を見据えた取り組みです。これまで当社は「カスタムAI」という受託開発を軸に成長してきましたが、より大きな成長を目指すには非連続なチャレンジが必要だと感じています。短期的には「未来リサーチ」というプロダクトの成功がもちろん目標ですが、長期的には当社内で生まれたアイデアを具現化し、世の中に提供していく仕組みを組織内に作ることが大きなミッションだと思っています。
そのため、短期・中長期・超長期という3つの時間軸で、プロモーション、ブランド、プロダクトを位置づけています。

3. マーケティングから生まれた、未来リサーチという仮説
a. 未来リサーチは、どんな課題意識や違和感から生まれた構想だったのでしょうか?
元を辿るとエージェントトランスフォーメーション部の白鳥と一緒に始めた活動がそのスタートです。白鳥も私もコンシューマー領域でのAI活用に関心があったのですが、当時のLaboro.AIのプロジェクトは製造業やインフラ系の案件が多かった中、「コンシューマー領域を広げていきたいね」と話していました。コンシューマー領域のワーキンググループを作り議論していたところに、2022年11月にChatGPTが出てきた。自分が作りたいものを試しに作ってみようという感覚で、オリジナルのGPTsをいくつも作っていました。仮想の消費者を作ってグループインタビューするアプリしたり、Webアンケートを仮想的に回すアプリなどです。一人のマーケターとしてこれは役に立ちそうと思って作っていたものが、、結果的に未来リサーチというプロダクトのベースになっています。
b. 「カスタムAI」を軸に成長してきたLaboro.AIが、あえてプロダクトを持つことをどう考えましたか?
労働集約型のビジネスモデルのみでは非連続かつ大きな成長に限界があるかもしれない、という感覚は以前からありました。上場を機に売上規模も人数規模も大きくなるにつれ、「新しいチャレンジが必要かもしれない」という思いはより強くなっていきました。未来リサーチは、その非連続なチャレンジの一つです。日々小さく試しながら、大きく広げていく、その延長線上にあります。
c. 未来リサーチを“事業”として成立させるうえで、意識している判断軸は何でしょうか?
現状、未来リサーチはプロトタイプ版で、2026年2月現在、まだ販売はしていません。Laboro.AIらしいプロダクトとは何かを追求するため、直近ではユーザーとなる方々に直接話を聞きに行き、共同研究・共同開発の形でコンセプトや要件を高め、その中で汎用化できるものをプロダクトにしていくというアプローチで模索しています。自分たちに不足しているドメイン知識をパートナーからアドバイスをもらいながら作る。このやり方がLaboro.AIらしいプロダクトの作り方だと思っているからです。
d. 未来リサーチは、Laboro.AIにとってどんな存在になりつつあると感じていますか?
未来リサーチは、売上を作るためだけのものではありません。社内に「こういう新しいチャレンジをやっていいんだ」というメッセージを伝える存在でもあります。
プロダクトを作るという行為そのものが、会社にとって一つの価値になっていると感じています。将来的には、こうした新たな挑戦を生み出す機能として役割を発揮させていきたいと考えており、未来リサーチはその第一歩としての意味合いが大きいと思っています。

4. 「なぜやるのか」を問い続ける会社であるために
a. 和田さんが感じている「Laboro.AIの好きなところ」を教えてください。
一番は、やりたいことをやれる裁量と自由度の高さです。これは私が入社した7年前から変わっていません。
裏返すと、自律性が求められる会社だと思います。自分で考え、「なぜ」それをやるのかを説明できれば、新しい挑戦をさせてもらえる。また、失敗が責められることはなく、むしろ「なぜ」そうなったのか、そしてどうリカバリーし、「なぜ」その改善策がベストなのかなど、「なぜ」を考え抜くことに重きがあります。
当社の「走りながら考える」というバリューが象徴的で、常に考え抜いた上で前提を覆し、アップデートしていく。その文化があるから、新しいことに挑戦しやすいし、それはまた同時に面白さでもあります。
b. マーケティングという視点から、Laboro.AIはこれからどんな会社でありたいですか?
「すべての産業の新たな姿をつくる。」「テクノロジーとビジネスを、つなぐ。」という根本のミッションは変わらないと思っています。産業のそばにいて、クライアントと次世代の新しい姿を一緒に作っていく存在でありたい。
新しい技術を素早くキャッチアップして、産業のために必要な形に整えて実装していく。その技術と産業の“変換器”のような役割が、この会社の強みだと思っています。
現状にとらわれず、新しい挑戦を続けることで未来への可能性を広げていく。Laboro.AIは、そういう会社でありたいと思っています。

5. さいごに
プロダクトは、完成した答えではなく、問いを形にした一つの通過点なのかもしれません。
手を動かしながら考え、前提を疑い、必要であれば方向を変える。そうした試行錯誤の積み重ねが、次の挑戦へとつながっていきます。和田の言葉から見えてきたのは、「何をやるか」よりも「なぜやるのか」を問い続ける姿勢と、その問いに本気で向き合うことを許容する環境でした。
Laboro.AIでは現在、こうした価値観に共感し、自ら問いを立てながら新しい挑戦に向き合える仲間を求めています。
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