間取りにこだわりすぎた話|トレンド間取り|回遊動線|家族玄関
こんにちはkyuです!
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はじめに
新築を計画しているあなたにとって間取りで最も大切なことは何ですか?
天まで届け!大開口の掃き出し窓!
駆け抜けろ!サバンナのように広大なLDK!
老後も安心!すべてが3歩で到達、最強家事楽動線!
妻が司令塔!ダラける夫や荒ぶる子供、すべてを掌握できる対面監視型アイランドキッチン!
私はド素人ながら間取りを、数えきれないほど書きました。
現在の工務店が決まる前から自分で書いて、現在の工務店の提案に加筆修正して、また書き直して。
その期間、実に12ヶ月。
もちろんその間に他の打ち合わせも並行してすすめていましたが、
自分でも大変迷惑な施主だと思います。もはやカスハラ認定ですね。
でもそれだけ真剣に向き合ったからこそ、「なぜこの間取りにしたのか」を全部説明できる家になりました。この記事は、その12ヶ月の記録です。
なぜ平屋にしたのか
理由はシンプルです。
今の家が平屋で、階段のない生活が当たり前だったから。
荷物を持って階段を上り下りする必要もない。夜に子どもの様子を見に行くのも、おばけに怯え、震えながらトイレに向かう時も、同じフロアでドアを開けるだけ。

一度この生活を知ってしまった私はどうしても次の家も平屋にしたかった。
我が家の家族構成は私・妻・娘の3人+1キャット+1金魚。
しかし隣には義父母・祖父が住んでいて、東京から妻の妹が帰省することもある。来客を想定してある程度の広さは確保したかった。
親族がダイニングに集い、時間を忘れて楽しいひと時を過ごせるような空間を目指したかった。
平屋にすればすべてが集約されてしまうのでどうやって空間にメリハリをつけていくか。
最近「半平屋」という考え方もトレンドとしてあります。子供部屋だけ2階に上げてしまい、他は1階で完結。なかなか良いアイデアです。けれど、子供が独立すればもう2階に用はありません。
それに階段スペースで一坪は増えてしまいます。
限られたスペースでなんとか平屋を…ともかく悩みました。
主人公をバトルマスターにするか、パラディンにするか、はたまた序盤を捨ててスーパースターにするか。ドラクエ6の転職くらい悩み抜きました。
LDK30帖の夢と、現実
30帖のLDK。
このワードのインパクト。破壊力。
イメージのつかない方はぜひハウスメーカーのモデルハウスに行ってみてください。
その日の朝食が思い出せないくらいの衝撃を受ける事でしょう。

開放的なLDKへの憧れは、YouTubeでルームツアーを見まくっていた頃からずっとありました。天井まで届く大きな窓、広々としたダイニング、どこまでも続くような床。
でも現実は甘くなかった。
30帖を確保しようとすると、他のどこかが削られる。 収納が減る、寝室が狭くなる、廊下がなくなる。平屋は1階にすべてを収めなければならないので、面積の取り合いが常に起きるんです。
コストも面積が増えるほど跳ね上がる。
最終的に落ち着いたのは20帖後半。30帖には届きませんでしたが、無駄なスペースをなくした結果、そして設計士と一緒に考えた”視界の抜け感”によって体感的な広さは十分に確保できました。
「数字上の広さ」より「感じる広さ」の方が大事だと気づかせてくれました。
床にあえて段差を付けたり、天井の高さを変えたり、視線の抜けを意識して建具(扉)や壁をなくしたり、建築は本当に奥深いです。
流行りの間取りをあきらめた話
間取りの勉強をしていると、必ず出てくるワードがあります。
回遊動線と、家族玄関。
インスタでもYouTubeでも、「便利な間取り」の代名詞としてよく登場します。最初は私も「これは取り入れないと非国民である」と思っていました。
でもある時、ふと疑問が浮かんだんです。
「回遊するタイミングって、いつだろう?」
キッチンからリビングへ、リビングから廊下へ、廊下から水回りへ、そしてキッチンへ帰る——ぐるっと回れることで何が解決するのか。我が家の生活動線を具体的にイメージしてみたとき、
「なんとなく欲しいけど、別になくていいな」
という結論になりました。
もちろんうまくつくれば忙しく家事をする主婦の助けになり得ます。
全く否定しませんし、うらやましくもあります。
しかし動線をつなげてしまった結果、颯爽と回遊する妻と屋内爆走スプリンターの娘、そして夢遊病の私が接触する事もあり得ます。
私はノンレム睡眠の中でひたすら回遊(夢遊)し続け、いつかきさらぎ駅に迷い込むのが怖くて…。
可能性はゼロではありません。
便利さよりも家族の安全が第一。
家族玄関も同じです。
親族以外の来客が多いわけでもないので、シューズクロークは欲しいけど玄関を2つに分けるほどの必要性があるか?それよりスペースを別のことに使いたい。
そして何より、玄関框を長く取りたかった。
ジュータクギャングの押村さんが解説してくれていますが、玄関框が長いと家族が並んで靴が履けたりして窮屈感が無くなります。玄関框の長さは玄関の使いやすさに直結します。
流行りの間取りを否定したいわけじゃありません。むしろ玄関を広く取れるならやってみたかった間取りです。
ただ「なんとなくあった方がいい」ではなく、「自分たちの生活に本当に必要か」を考えた結果です。
このテーブルのために、家がある
我が家の間取りの一番のキーとなるものがあります。
私の書いた間取り図には、常に一つのテーブルが描かれていました。
TECTA M21。
バウハウスの流れを汲む、4人のデザイナーが生んだ奇跡の合作と言われるテーブル。
ブランドの歴史まで、調べれば調べるほど好きになる、インテリア沼に私を引きずり込んだ罪深きテーブル。
このテーブルは大きいです。椅子の引きしろ、テーブルを置いた後の床の余白まで考えて間取りを設計する必要がありました。
テーブルを置いても窮屈に見えてはいけない。ある程度の床が「余白」として見えることで、空間としての美しさが生まれる。
M21を中心に、ダイニングの寸法を決めていきました。
——このテーブルのために、家があると言っても過言ではありません。
家具から間取りを逆算する。それがインテリアファースト(by押村先生)。
この考え方が私の家づくりにもっとも影響を与えました。
死守したもの
減額の為、間取り検討中に少しずつ小さくなっていく我が家を見ながら私の心も締め付けられるような思いでしたが、どうしても譲れなかったものがあります。
アイランドキッチンです。
設計士からペニンシュラ型を提案された時も譲りませんでした。壁、柱を飛ばすスパンを考えるのが大変で、本当に設計士を難儀させてしまいました。誠実に対応頂き本当に感謝です。
アイランドキッチンはLDKの中心に立つ存在です。
家族と向き合いながら、時には家族みんなで料理ができる。
そしてM21と並んだ時、それはまさに修二と彰。サイモンとガーファンクル。
ここは一切妥協しませんでした。
私が目指したのはLDKではなくKDLです。キッチン・ダイニングが第一。もちろんリビングもある程度の広さが必要ですが、リビングにリラックスを求める場合、必要以上の大空間は落ち着き感が失われてしまいます。
他にも「あったらいいな」と思っていたものをいくつか削りながら、最終的な間取りが決まっていきました。
水回りの動線——洗面・脱衣ランドリー・クローゼット
間取りでもう一つこだわったのが、水回りの動線です。
洗面・脱衣ランドリー・ファミリークローゼット。この3つを可能な限り近くに配置しました。
洗濯って、よく考えると工程が多いんです。洗う→干す→畳む→しまう。この動線が長いほど、毎日のストレスが積み重なる。
脱いだ服をそのまま洗濯機に入れて、洗い終わったらその場で干して、乾いたらファミリークローゼットにしまう。この流れが最短距離でつながるように設計しました。
毎日使う動線だからこそ、ここへのこだわりは正解だったと今でも思っています。
余談ですが、引っ越し前の私の自宅は洗面、脱衣、ランドリーが2畳に集約されている為、洋服をしまう収納も置くことが出来ません。
脱衣所からクローゼットが家のほぼ対角に位置し、途中で廊下①→LDK→廊下②→玄関→寝室を経由します。
もしも入浴前に着替えの用意を忘れてしまうと地獄のフル〇ン動線となります。

収納は「適材適納」
収納に関して、私が大切にしたコンセプトは一つです。
適材適納。
大きな納戸一つに全部詰め込むより、使う場所の近くに、使うものをしまえる収納を作る。
納戸のデメリットとして奥にしまったものが取り出せず、塩漬け状態になることもあるでしょう。
リビングにはリビング収納、ダイニングにはキッチンの前面収納。パントリーはキッチンの隣に。ファミリークローゼットは水回りの動線上に。
「どこに何があるかわからない」を防ぐには、収納の場所と中身を連動させることが大事だと気がつきました。

間取り確定の瞬間
約1年かけて、数えきれないほどの間取りを検討して、ようやく間取りが確定した瞬間。
感動したか?すっきりしたか?
どちらでもありません。
「これでいいのか」と、不安になりました。
間取り確定の前夜、ビアンカかフローラかどちらかを決めなければならない、まるでサラボナのルドマンさんの別荘で過ごしたあの夜の様でした。
真剣に考えてきたからこそ、逆に怖くなってしまったんだと思います。もっと良い答えがあるんじゃないか。まだ見ていない間取りがあるんじゃないか。
でも同時にこうも思いました。
これだけ考えて出した答えなら、後悔はない。
完璧な間取りなんて存在しない。どんな間取りにも、メリットとデメリットがある。大切なのは「なぜその選択をしたか」を自分の言葉で説明できることだと、今は思っています。
間取りと向き合い続けてよかった。
まとめ——間取りで後悔しないための3つのこと
① 流行りの間取りを疑ってみる
回遊動線・家族玄関・シューズクローク…便利そうに見えるものでも、「自分の生活に本当に必要か」を具体的にイメージしてみてください。なくて後悔もありますが、あって無駄になるのももったいないです。
② 好きな家具から逆算する
間取りを先に決めて家具を選ぶより、「この家具をこう置きたい」から間取りを考える方が、空間の完成度が上がります。お気に入りの家具が決まっている人は、ぜひそこから始めてみてください。
③ 水回りの動線は毎日使う
LDKは「映え」で語られることが多いですが、水回りの動線は毎日の生活に直結します。洗う・干す・しまうの動線を整えるだけで、暮らしのストレスが減ります。
おわりに
たくさんの間取りを考えて、悩んで、最終的に「これでいいのか」と不安になって確定した間取り。
でも今は、この間取りでよかったんだと思っています。
M21が届いた日のことを、早く書きたい。笑
次の記事では、窓の性能にこだわった話を書きます。 性能オタクへの道を突き進む男の話、ぜひフォローしてお待ちください!
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