知識ゼロの私が建築好き施主へ。後悔しない家づくりの始め方

こんにちはkyuです!
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はじめに
実は私、家づくりを始めるずっと前からルームツアー動画を見るのが好きでした。
回遊動線のある間取り、かっこいいキッチン、天井まで届く大きな窓。「もし家を建てるなら」と、見るたびに妄想を膨らませていました。
ただ当時住んでいたのは、義理の両親が建ててくれた築5年の家。間取りも設備も口出しできる立場ではない。デザインは可もなく不可もなし。性能も…まあ普通。
だから前回記事で書いたように、リフォームの話が新築になったとき——
私の中の何かに、火がついてしまいました。
「今度こそ、自分が本当に住みたい家を作る」
これはその火がついてから始まった、家づくり猛勉強の記録です。
YouTubeを見倒す
勉強方法はいろいろありますが、最初に頼ったのはYouTubeでした。
本や雑誌も読みましたが、正直YouTubeの方が視覚的わかりやすい。動画なら生活している施主の様子や実際の空間の雰囲気まで伝わってくる。通勤中でも見られる。専門用語も「耳で」覚えられる。
工務店系・設計士系・インテリアデザイン系・施主系…いろんな立場のチャンネルを、偏らずに見ていきました。
ここで一つ、気づいたことがあります。
発信者によって、言ってることが結構違う。
たとえば、気密警察・断熱特殊部隊と呼ばれる人たちもいれば気密はそこまで気にする必要はないという人もいる。

床暖房は最高の設備だというハウスメーカーもあれば、壊れるし、電気は食うし、要りませんというハウスメーカーも。
ハウスメーカーはハウスメーカーの都合で話すし、工務店は工務店の都合で話す。施主は自分の使い勝手や主観で話す。それぞれの立場と利害を理解しながら、複数の視点を見比べて自分なりの基準を作っていく。
「一つの情報だけを信じない」これが最初に学んだことでした。
性能の話——最初は呪文だった
家づくりについて調べていくと、必ず出てくる数字があります。
UA値、C値、耐震等級、HEAT20のG1・G2グレード…
最初は完全に呪文でした。業者の専門用語だと思って聞き流してたくらいです。

ドラクエの呪文は覚えられるのに、大人になるとむずかしい呪文のような言葉はまぁ頭に入りません。メダパニを食らった状態です。
でも逃げずに勉強していくうちに、だんだんわかってきた。
中でも特に衝撃だったのがC値の話です。C値とは気密性能を示す数字のことで、カタログには載っていないことが多い。なぜかというと、測定しないと出ない数字だから。
つまり「うちは高気密です」と言っているだけで、実際には測っていない業者も普通に存在するんです。
前回記事で書いた「床暖房があるのに家全体が寒かった」問題。あの理由が、ここでやっと腑に落ちました。
暖かさが、隙間から逃げていたんです。
床を温めても、壁や窓やあらゆる隙間から熱が逃げていく。外で焚き火に当たりながら凍えている感覚、気を溜めてるのにヤコンにエネルギーを吸収される悟空のように。それもこれもみんなC値の話だったわけです。
デザインの好みが、変わっていった
家づくりの勉強を始めた当初、私のデザインの好みはシンプルモダン、いわゆるホテルライクでした。
モノトーンの外観、間接照明、スッキリとした空間。ルームツアー動画を見始めた頃は、そういう家に憧れてやまなかったんです。
でも毎日3本以上の動画を、2年近く見続けているうちに——
飽きてきたんです。笑
モヤモヤとしたクロス、木目や石材をプリントしたメラミンの面材で仕上げたキッチン…どこを見ても似たような家ばかり。スライム→スライムベス、ドラキー→ドラキーマ→タホドラキー、とげぼうず→爆弾ベビーみたいな…
最初は「めちゃくちゃかっこいい!」と思っていたものが、だんだん記号のように見えてきてしまいました。
そして気がついたんです。
「これ、本物じゃないな」と。
本物素材とは、クロスは~調ではなくタイルや漆喰、ペイントなどの塗り壁。キッチンはステンレスや天然石、無垢材などの本物の素材。
家づくりを初めて、ショールームや取り寄せてもらったサンプルなど色々なものを見れば見るほど、本物の素材が持つ質感や経年変化に惹かれていきました。
ただ、完全にナチュラル一辺倒になったわけでもない。
木をふんだんに使った純粋なナチュラル系も素敵だけど、自分が本当に好きなのは少し違う。
シンプルでスッキリした空間の中に、木や石などの自然素材をさりげなく取り入れる。
そのバランスが、一番しっくりくると気がつきました。
そして何より、こう思ったんです。
「ここはホテルでも施設でもない。家なんだから。」
長く住む家だからこそ、流行より本物。かっこよさより心地よさ。この考えが、自分のデザインの軸になっていきました。
大手ハウスメーカーか、地元工務店か
デザインと性能の方向性が固まってきたころ、次の壁にぶつかりました。
どこで建てるか、です。
最初は大手ハウスメーカーも並行して検討していました。ブランドの安心感、アフターサービスの手厚さ、モデルハウスで実物が見られること。ハウスメーカーの魅力は確かにあります。
でも打ち合わせや見学を重ねるうちに、気になることが出てきました。
性能の話になると「ZEHで十分ですよ」「HEAT20はオーバースペックです」という言葉が出てくる会社が多かった。
私の住む地域は寒冷地ではないので(地域区分でいうと5地域)、それ自体が間違いとは言いません。
でも、性能の話を早々に切り上げて「天井高」「大開口」を前面に押してくるスタンスに、どこか引っかかりを感じていました。
大前提として快適であること。
暑い寒いもなく、空気環境もよい家。家族の健康を考えたら、デザインは二の次です。
勉強していたからこそ、そのズレに気がつけたんだと思います。
いくつかのハウスメーカー・工務店を見学し話を聞いていくうちに、性能への真摯な向き合い方と誠実さで「この人たちと建てたい」と思える工務店に出会いました。
一つだけ正直に言うと、その工務店が手がける家のデザインは、自分の好みとは少しズレていました。
でも私はこう考えました。
性能はプロに任せる。デザインは自分がやりたい事を伝えて叶えてもらう。
勉強して、センスを磨いて、知識を持った施主になれば、デザインは自分でカバーできる。そう信じて、その工務店に決めました。
やっかいで変態な施主
工務店が決まってから、打ち合わせが本格的に始まりました。
間取りの話、仕様の話、設備の話。すべての項目において納得がいくまで調べつくす、夜な夜な情報収集です。
そんな打ち合わせの中で、今でも印象に残っているエピソードがあります。
カップボードやスタディカウンターの仕様を決める打ち合わせのとき。
「言葉で説明するより見せた方が早い」と思って、自分で描いたデザインパースをそのまま設計士さんに渡しました。
寸法も書き込んだやつです。
設計士さんはしばらくそれをじっと見た後、こう言いました。
「これ…社内の人間に見せても良いですか?」
驚かれているのはわかりました。でもまさか社内で回覧されるとは思っておらず、なんだか急に恥ずかしくなってしまいました。笑
ただ同時に、こう思ったんです。
ここまでやる施主は、そう多くないのかもしれない。
だとすれば、勉強すればするほど「伝わる施主」になれる。そしてそれは、より良い家づくりに直結する。
家づくりは施主がどれだけ本気かで、絶対に結果が変わる。 そう確信した瞬間でした。
たしかに、大手ハウスメーカーのトップの設計士や提案力のある営業の方に当たれば良いのかもしれません。本来は性能・デザインはプロがすべて考えればよいとも思います。
それでも、「知ってて採用しない」のと「知らなくて採用できない」というのは雲泥の差だと思います。
それに、自分の好きを形にするのが注文住宅の醍醐味じゃないですか。
家づくりで後悔しないための3つのこと
たくさん勉強して、実際に家を建ててみて、これだけは伝えたいことがあります。
① 性能の数字は自分で理解する
UA値・C値・耐震等級などの用語は是非とも理解できるようになってください。特にC値は「実測しているか」を確認することが超重要です。カタログに載っていない数字ほど、実は重要だったりします。
② デザインの好みは「10年後も好きか」で考える
最初に「かっこいい」と思ったものが、本当に自分に合っているとは限りません。ホテルライクに憧れる気持ちはわかります。でも住むのはホテルではなく、家ですから。笑
③ SNSは偏らずに見る
ハウスメーカー系・工務店系・施主系…それぞれ言っていることが微妙に違います。特定の情報源だけを信じず、複数の視点を持つことが「騙されない施主」への第一歩です。
おわりに
ルームツアー動画を見ながら妄想していたあの頃から、気がつけばずいぶん遠いところまで来ていました。
毎日3本以上の動画を2年近く見続けて、性能の数字を調べ、デザインの好みを言語化し、設計士に手描きパースを渡すまでになるとは、自分でも思っていませんでした。笑
でも振り返ると、
妄想していた時間は無駄じゃなかった。
「こんな家に住みたい」という感覚を積み重ねていたからこそ、いざ本番になったときに動けた。
これから家づくりを考えているあなたにも、ぜひ妄想から始めてほしいと思います。妄想は無料です。
次の記事では、間取りにこだわりすぎた話を書きます。 こだわりが止まらなくなった男の話、お楽しみに。
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