【アイカ工業・人気の洗面台を攻略せよ】我が家のスマートサニタリー、アマン東京化計画。
はじめに
…皆さんはアマン東京をご存知でしょうか。
東京・大手町に佇む、日本最高峰のラグジュアリーホテル。スイートルームの1泊の料金は…40万円〜90万円程。
私はまだ行ったことがありません。
そして一生宿泊する事はないかもしれない…
まさに未踏の地です。
黒で統一された床と壁。
時折登場する上品な木目のインテリア。
どこまでも続く天井。

https://www.aman.com/ja-jp/hotels/aman-tokyo/gallery
客室——
和室ではありません。いわゆる”和モダン”
ホンモノの和モダンとはこう作る。というようなお手本となる空間。

https://www.aman.com/ja-jp/hotels/aman-tokyo/accommodation/rooms-suites
そして洗面台——
「これだ。」

そこから始まった造作洗面台選定の旅。
アマン東京にインスピレーションを受けた施主が、
予算という現実と戦いながら、洗面という「別空間」を作り上げるまでの記録です。
アマン東京に恋した話
家づくりの情報収集をしていたある日。
YouTubeで旅行系クリエイターのアマン東京宿泊動画を見ました。
最初に度肝を抜かれたのはエントランスです。
天井まで届く大きな窓。黒を基調とした空間に、木のぬくもりが差し込む。和の要素をモダンに昇華させた、圧倒的な世界観。
そして客室へ。
和モダンという言葉がこれほど似合う空間があるのかと思いました。無駄を削ぎ落としながらも、日本の美意識が随所に宿っている。
本物の木。
空間全体が醸し出す黒。
そして洗面台の紹介シーンで、画面の前で思わず前のめりになりました。
黒い洗面ボウル。木の引き出し。
シンプルなのに、圧倒的な存在感。

https://www.aman.com/ja-jp/hotels/aman-tokyo/accommodation/rooms-suites
「この洗面台を、我が家に。」
それからというもの、アマン東京の洗面台を研究する日々が始まりました。
もちろん宿泊するお金はありません。
なので、ホテルツアー動画を何本も見ました。ピンタレスト、インスタの写真も見まくりました。
いろんな角度から、いろんなクリエイターが撮影した写真や動画を集めて、洗面台の細部まで研究しました。
行ったことのない場所をここまで研究した経験は、人生で初めてかもしれません。
ただ一つ、最初から決めていたことがありました。
完全再現は目指さない。
予算はそこまで多く取れません。
大切なのは「完全に同じにすること」ではなく、「インスピレーションを受けて自分だけの空間を作ること」だと思っていました。
黒と木の組み合わせ。
ホテルライクな佇まい。
洗面を「別空間」として切り取ること。
このエッセンスを我が家に落とし込む。それが洗面台選定のテーマになりました。
メーカー検討の全記録
アマン東京という明確なインスピレーションを手に入れた私は、洗面台メーカーの検討を始めました。
ただ、キッチン程の熱量はなかったかもしれません。
どちらかというと妻の為、センス溢れる洗面台を完成させて日々のお化粧タイムを楽しんでもらいたいと思ってました。
そして、こだわり施主と名乗る以上、手を抜くわけにはいきません。
TOTO エクスア
洗面台を調べるにあたり、出会ったのがTOTOのエクスアです。
これが、メチャクチャかっこいい。
スタイリッシュなデザイン、上質な素材感、ホテルライクな佇まい。
ホテルライクな洗面台を作るためには既製品ではなく造作一択という固定概念をぶっ壊す、既製品洗面台の最高峰。
採用予定のトイレがTOTOだったので、ついでにエスクアの価格を確認してもらいました。
150万円〜、オプション次第では200万円近く。
キッチンで+220万円を鬼課金した直後に、洗面台でさらに150〜200万円。これは無理でした。
タカラスタンダード エリシオ
キッチン編でタカラスタンダードのオフェリアをショールームで見学していた時、洗面台も同時に見学させてもらいました。
「どうせならキッチン・ユニットバス・洗面台を全部タカラで揃えてしまおうか」という発想です。
エリシオの機能面は優秀でした。さすがタカラスタンダード。
メンテナンス性の高さはキッチン同様に感じました。
でもデザインは…
可もなく不可もなし。
まぁよく見る洗面台です。
機能は好き。
でもデザインが刺さらない。
アイカ工業 スマートサニタリー
そしてここに落ち着きます。
アイカ工業のスマートサニタリー。

https://www.aica.co.jp/products/joinery/melamine-housing/smart-sanitary/feature/
造作洗面台の王道中の王道。
というかあれを造作って言ってもいいのだろうか?
半造作?
同じアイカ工業にスタイリッシュカウンターというシリーズもあります。
価格はスタイリッシュカウンターの方が抑えられています。
引き出しの有無で価格がかなり変わるんですね。その辺はキッチンのカップボードも同じです。
しかし、私がスマートサニタリーを選んだ理由は「引き出し」です。
アマン東京の洗面台で私が恋に落ちたのは、黒い洗面ボウルと木の引き出しの組み合わせでした。
その「引き出し」がしっかりついているのがスマートサニタリー。スタイリッシュカウンターでは再現できないポイントでした。
引き出しがあればホコリも防げる。機能面でも納得の選択です。
ちなみに洗面台の壁付け水栓については、家づくりを始めた当初から決めていました。
ホテルライク=壁付け水栓。
もはや鉄板でしょう。
アイカ洗面台、壁付け水栓、そしてもうひとつ…
すべてのピースが揃った時、
これは揺るぎない勝利の方程式の完成です。
阪神タイガース
藤川→ウィリアムス→久保田のJFKを彷彿とさせますね。
はい、勝ち確。
仕様の全公開
アマン東京風、我が家の洗面台の仕様を全部公開します。
洗面台本体:アイカ工業 スマートサニタリー
前述の通り、引き出しの存在が決め手でした。
引き出しの面材は木目のメラミン仕上げ。
カウンターについては本物の木を採用すると水濡れへの耐性や清掃性など不利な部分がありますので、ここは普段使いを考えてアイカのメラミンを採用しております。
ホコリが溜まりにくく、収納としても優秀。
見た目と機能を両立できる選択です。
タイル:平田タイル クオーツ(ブラック・600mm×300mm)
洗面台周りの壁を黒いタイルで仕上げます。
タイルを貼る範囲は洗面台左右の壁、そして正面の壁(鏡の上下)です。
平田タイルのクオーツ、カラーはブラック。サイズは600mm×300mmの大判タイルです。

https://tiles.hiratatile.co.jp/series/quartz#
大判タイルを選んだのには理由があります。目地が少ないほど空間がスッキリして見える。細かいタイルを並べるより、大判タイルの方がホテルライクな雰囲気に近づけると判断しました。
このタイルが洗面台全体を「黒」で引き締める役割を担っています。
壁付け水栓:ミラタップ スティック壁付混合水栓L
家づくりを始めた当初から決めていた、唯一のパーツです。
ホテルライク=壁付け水栓。これは私の中で揺るぎない方程式でした。
一般的な洗面台の水栓はカウンターから生えているものがほとんどです。
けれども、壁付け水栓にするだけで洗面カウンターの上がスッキリする。
掃除もしやすい。
そして何より、見た目が一気にホテルライクになる。
ミラタップのスティック壁付混合水栓Lは、その名の通りスティックのようにシュッと伸びたフォルム。SUTTOとはまた違う方向性のミニマルさがあります。
鏡:特注一面鏡+上下間接照明
これが洗面台選定における最大の「賭け」です。
洗面台のワイドは1600mm以上。通常であれば三面鏡や収納付きの鏡を採用するところですが、あえて一面鏡にしました。
理由はシンプルです。ホテルの洗面台は一面鏡が多い。収納付きの鏡は便利だけど、どうしても「線」が入ってしまう。
照明やタイルでホテルライクな雰囲気を演出しているので、「線」というノイズを排除しました。
ニッチの高さが約900mmなので、それに合わせてガラス屋さんに特注で作成してもらいます。完全オーダーメイドです。
そして鏡の上下に間接照明を仕込みます。
鏡の上下から柔らかく光が広がることで、洗面台全体がホテルのバスルームのような雰囲気になる。間接照明一つで、空間の格が一気に上がります。
ニッチ収納:南海プライウッド アドキューブ
一面鏡を採用する代わりに収納が消えるというトレードオフを解決するアイテムです。

https://www.nankaiplywood.co.jp/product/adcube/
高さ約900mmのアドキューブを洗面台横の壁面に設置します。
扉付きなので歯ブラシや日用品をすっきり収納。
洗面台の「見せる収納」と「隠す収納」を使い分けます。
扉を閉めれば生活感ゼロ。開ければ必要なものがすぐ取り出せる。
この設計が、ホテルライクな空間と実用性を両立させるカギになっています。
我が家の洗面室には洗面の反対側に可動棚収納があるので、収納量については問題なしと判断しました。
これが我が家の洗面台の全仕様です。
工務店標準洗面台との差額で25万円、タイル、鏡、水栓その他30万円。
洗面所合計で+50万円。
コスト、もう少し押さえたかった…笑
アマン東京との比較——再現できたか
さて、いよいよ本題です。
アマン東京にインスピレーションを受けて作り上げた洗面台。果たしてどこまで再現できたのか。
完全再現できませんでした。
そもそも最初から完全再現を目指していませんでした。
アマンはアマン。我が家は我が家。
1泊数十万円のラグジュアリーホテルと、一般住宅を同じ土俵で比べること自体がナンセンス!←諦めたッ!!笑
でもエッセンスは確実に取り込めたと思っています。
再現できた部分
黒と木の組み合わせ。これは実現できました。
タイルのブラック、そして木目メラミンの引き出し。アマン東京の洗面台で恋に落ちたあの組み合わせを、我が家なりの形で落とし込めました。
壁付け水栓によるホテルライクな佇まいも、イメージ通りです。家づくりを始めた当初から決めていたこのパーツが、空間全体を引き締めてくれるはずです。
そして一面鏡と上下の間接照明。ここがアマン東京の洗面台に最も近づけた部分かもしれません。収納を捨てた「賭け」でしたが、この選択がなければホテルライクな空間にはならない。
妥協した部分
素材の質感です。
アマン東京が使っている素材と、我が家が使っている素材は当然違います。本物の石、本物の木、——ラグジュアリーホテルが使う素材は別格です。
そして予算の制約上、タイルの範囲も限定的です。アマン東京のように空間全体を素材で包み込むことはできない。洗面台周りの壁に絞ってタイルを貼ることで、コストと見た目のバランスを取りました。
でも振り返ると、この制約が良かったとも思っています。
予算が無限にあれば、何でもできる。
でも制約の中で知恵を絞って作り上げた空間には、自分なりのこだわりと愛着が宿る。
完全再現できなかったからこそ、「kyuの洗面台」になったと思っています。
洗面を「別空間」にしたかった理由
もう一つ、この洗面台選定で大切にしていたテーマがあります。
洗面を「別空間」として切り取ること。
我が家の洗面台は、LDKからも脱衣・ランドリーからも独立した場所にあります。その独立した空間だからこそ、違う世界観を作れる。
洗面台は少し振り切って、黒を主役にしたホテルライクな空間にする。
家の中に「テイストの違う部屋」があることで、空間にメリハリが生まれる。アマン東京の洗面台に恋したあの瞬間から、ずっと追いかけてきたビジョンです。
そしていつの日か——アマン東京、行ってみようと思います。
まとめ——洗面台選びで後悔しないための3つのこと
① インスピレーション
「なんとなくおしゃれな洗面台」を目指すより、「あの洗面台に近づけたい」という明確なビジョンがあると選定がスムーズになります。
ホテルでも、インスタの写真でも、YouTubeの動画でも何でもいい。
「これだ」と思える一枚を見つけることが、洗面台選定の最初の一歩です。
② 壁付け水栓を検討してみる
洗面台の雰囲気を一気にホテルライクにしたい方に、壁付け水栓は本当におすすめです。
カウンターの上がスッキリして掃除もしやすい。デメリットは取り付け位置を事前に決める必要があること。後から変更が難しいので、設計の早い段階で設計士に相談してください。
③ 収納と見た目のトレードオフを考える
一面鏡にすれば見た目はホテルライク。でも収納が消える。
三面鏡や収納付きミラーにすれば収納は増える。でもどこか生活感が出る。
どちらが正解ではなく、自分の生活スタイルに合った選択をしてください。私はニッチ収納と可動棚収納で補うことにしました。
おわりに
行ったことのない場所に憧れて、画面越しに何度も研究して、予算と戦いながら作り上げた洗面台。
アマン東京の完全再現はできませんでした。
でも「kyuの洗面台」は完成しました。
ものすごくお金をかけたわけではありませんが
家づくりのリアルをお届けするという意味で、
こういうのもリアルでよろしいのではないでしょうか。

黒と木の組み合わせ。
壁付け水栓の佇まい。
一面鏡と上下の間接照明。
大判の黒いタイルが空間を引き締める、ホテルライクな別空間。
ちょっぴりアマン気分。
次の記事では、塗り壁”ポーターズペイント”について書きます。
普通のクロス?思考停止で選んでいいのか?
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