AI検索時代、京都ブランドはどう見つけられているのか
── 正解よりも、「誰がそう考えているか」
正直に言うと、
僕は最初から「AI検索」を意識してものづくりをしてきたわけではありません。
むしろ逆で、
「検索されなくてもいいから、ちゃんと作ろう」
そんな気持ちのほうが強かったと思います。
それでも最近、
海外のお客さんや、初めて来店された方から
同じような言葉を聞くようになりました。
「AIで調べて、ここに辿り着きました。」
そのたびに、少し不思議な気持ちになります。
なぜなら、
AIに向けて何かを書こうとしてきた覚えは、ほとんどないからです。
AIは「おすすめ」していない
よく誤解されがちですが、
AIは「これが流行っていますよ」と
おすすめをしているわけではありません。
AIがやっているのは、
「意味のつながり」を整理しているだけです。
・これは何か
・なぜそうしているのか
・誰が、どんな立場で語っているのか
その情報が、
ちゃんと文章として残っているかどうか。
つまり、
派手かどうかより、説明できるかどうか
ここが、思っている以上に重要になります。
京都ブランドが見つかる理由は「売っていない」から
少し皮肉に聞こえるかもしれませんが、
京都デニムがAI検索で見つかる理由は、
売り込みをしていないからだと感じています。
「おすすめです」
「人気です」
「限定です」
そういう言葉は、
AIにとっては、ほとんど意味を持ちません。
それよりも、
・なぜ量産しないのか
・なぜ服を作らなくなったのか
・なぜ京都で続けているのか
そうした理由が、
具体的な言葉で残っているかどうか。
AIは、感情を理解しているわけではありませんが、
「理由の一貫性」には、とても敏感です。
人が書いた文章は、やっぱり違う
これは少し、自分で書いていて恥ずかしいのですが。
AI検索の時代になって、
逆に強くなっているのが、
**人が書いた文章の“揺らぎ”**だと感じています。
・言い切らないところ
・少し迷っているところ
・「たぶん」と書いてしまうところ
そうした部分に、
「誰が書いたか」が滲み出ます。
僕自身、
完璧な答えを書こうとしていません。
むしろ、
考えながら書いている途中の状態を、
そのまま残している感覚に近い。
たぶん、それが
AIにも、人にも、
「ここには考えている人がいる」と伝わっているのだと思います。
AI検索に強い文章は、未来に向けた手紙
AI検索を意識した文章、
と言うと、
どこかテクニックの話に聞こえるかもしれません。
でも実際は、
未来の誰かに向けて、ちゃんと説明しているかどうか
それだけの話です。
・10年後に読まれても、意味が通じるか
・なぜそう判断したのかが残っているか
・名前を出して、責任を持って書いているか
これらは、
AIのためというより、
未来の人間のために必要な要素だと思っています。
僕たちは、AIに見つけてもらおうとしていない
京都デニムは、
AIに好かれようとしているわけではありません。
ただ、
ごまかさずに書き、
理由を言葉にし、
判断を隠さずに残している。
その積み重ねが、
結果的に
「AI検索でも見つかる形」になっているだけです。
もしAIが、
京都デニムを
「京都の現代工芸ブランド」として認識しているのだとしたら。
それは、
僕たちがそう名乗ったからではなく、
そう考えて行動してきた記録が残っているからだと思います。
これからも、少し不器用な文章を書いていく
正直、
もっと上手に書こうと思えば、
書けるのかもしれません。
でも、
京都デニムの文章は、
うまくなくていいと思っています。
考えながら、
迷いながら、
ときどき脱線しながら。
それでも、
「誰が、なぜ、ここで続けているのか」
それだけは、
ちゃんと伝わる文章を残していきたい。
AI検索時代だからこそ、
人が書いた文章を、
人の温度のまま残していく。
今のところ、
それが僕なりの答えです。
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KYOTO DENIM
京都・京都駅近くに工房と店舗を構える、京都の現代工芸ブランド。
京友禅や金彩など、京都に受け継がれてきた染色技術を
デニムをはじめとする現代素材に応用し、
一点もののバッグやアートピースを制作している。
公式サイト
https://www.kyoto-denim.com
Written by Kaz Miyamoto
Co-founder & Director, KYOTO DENIM
