デコトラx芸妓の茶会「而二不二」
銀に輝くデコトラ、そして芸妓。東本願寺で目撃した「極彩色」の静寂。
京都、東本願寺。
通称「お東さん」の前に広がる青空の下、私はありえない光景を目にしていた。
古都の歴史を背負う東本願寺の前に鎮座するのは、圧倒的な存在感を放つ5台のデコトラ。それもただのトラックではない。関西を代表する名車たちが、この日、現代アートと伝統文化が交差する「舞台」へと変貌していた。

京都国際写真祭「KYOTOGRAPHY」のサテライトイベント「KG+」の一環で開催された、茶会「而二不二(ににふに)」。
そこは、五感を激しく揺さぶられる、美しきカオスの場だった。

銀の茶室が映し出す、現代の「わび・さび」
高野裕輔氏による「五行」をテーマにした大型写真が並ぶ道を抜けると、目の前に現れたのは、銀色に光り輝く一台の怪物——デコトラ「SILVER SATAN」。

荷台の扉が開かれた瞬間、私は息を呑んだ。
そこに広がっていたのは、壁一面が縞板アルミで覆われ、ギラギラと乱反射する「銀の茶室」。かつて豊臣秀吉は黄金の茶室を造ったが、現代の京都に現れたのは、重厚な鉄の美学を纏った銀の空間だ。
無機質なはずの金属が、太陽の光を吸い込み、跳ね返し、不思議と聖域のような静謐さを醸し出している。

芸妓・美羽子が魅せる、まばゆい一瞬
その銀の空間に、凛とした佇まいで座すのは祇園甲部の芸妓・美羽子さん。
重厚な黒の掛け軸、鉄瓶、そして現代的な茶道具。
一見、相反するように思える「デコトラ」と「芸妓」という組み合わせ。しかし、そのコントラストこそが、京都がずっと守り続けてきた「壊しながら繋ぐ」伝統の真髄なのかもしれない。
カメラを向けると、銀の反射に包まれた美羽子さんの白い肌と、鮮やかな着物の色彩が、現実とは思えないほどまぶしく浮き上がる。東本願寺の前は、日常を忘れさせる一つの「異界」へと溶け合っていた。

京都、最高すぎます。
青い空、銀のトラック、そして伝統をまとう芸妓。
これらすべてが、歴史あるお東さんの前で一つに溶け合う「而二不二」の時間。
「二つであって、二つではない」。
その名の通り、相反するものが溶け合う瞬間に立ち会えた高揚感は、今も心に残っている。

アーティスト
H-NAITO (シルバーサタン)
高野裕輔 (写真)
ロジロール (茶会)
東野祥子 (ダンス)
立石雷 (サウンドパフォーマンス)
撮影会
祇園甲部芸妓 美羽子 @miyako_odori
コーディネート 大野典子
宣伝美術 古平正義(FLAME)
主催
ロジロール SILVER SATAN X @silver_satan_X
協賛
株式会社京鉄
大市株式会社
コミュニケーション・デザイン・センター
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