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【二十四節気/立夏】風が変わる日。立夏の色と、初夏にひらく日本人の感性について

二十四節気 ―立夏(りっか)― 2026年5月5日(火)〜5月20日頃

風の匂いが、変わります。
立夏——暦の上で夏が始まる日です。5月5日、端午の節句と同じ日に訪れる2026年の立夏は、緑が一気に深まり、空が高く澄んで見える頃です。
「一年でもっとも爽やかな季節」とも言われ、春分と夏至のちょうど中間にあたります。

穀雨の雨で潤った大地は、このあたりからぐっと生命力を増します。木々の葉の色は萌黄から若葉色へ、そして次第に青々とした深い緑へと変わっていく。

鳥の声が高くなり、光は明るく、風は涼しいのにどこか温かい——そんな季節の入り口が、立夏です。
今回は、初夏の清々しさを映した日本の伝統色についてお話しします。


立夏の色は、花の色

穀雨の頃が「緑の色」の季節だとすれば、立夏の頃は「花の色」の季節です。

新緑が深まる一方で、この時期には印象的な花が次々と咲きます。
藤、ツツジ、杜若(かきつばた)、菖蒲(しょうぶ)——
これらは、初夏を象徴する花として、日本の伝統色の中にもその名を刻んでいます。

藤色(ふじいろ)

藤色(ふじいろ)は、藤の花からきた色名で、淡い青みのある紫色です。
平安時代から近代にかけて日本女性の服色として愛され続け、「若紫」とも呼ばれました。

藤は花が風に散る様子を表す「風散(ふぢ)」に由来するとも言われ、やわらかくはかなげな色合いが、五月の風とともに揺れる藤の房をそのまま映しています。

藤紫(ふじむらさき)

藤紫(ふじむらさき)は、藤色よりもやや紫みの強い色。

明治時代に化学染料が登場したとき、その鮮やかな紫に「藤紫」の名が使われるようになりました。
明治文化を代表する色として美人画家にも好まれ、日本の紫の系譜の中でもひときわ艶やかな存在です。

杜若色(かきつばたいろ)

杜若色(かきつばたいろ)は、杜若の花の色をした鮮やかな青紫です。

昔は杜若の汁を布に擦り付けて染めていたことから「書き付け花」と呼ばれていたほど、この花の色には強さと存在感があります。

在原業平の「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもう」という和歌でも知られる杜若は、初夏の水辺を彩る、日本の美意識の象徴でもあります。

菖蒲色(しょうぶいろ)

菖蒲色(しょうぶいろ)は、ショウブの花の色をした青みの紫。端午の節句に菖蒲湯を立てる風習とともに、この日に咲く花の色は、季節の節目を告げる色として人々に親しまれてきました。


清々しさの色——初夏の白と青

花の紫だけが立夏の色ではありません。この季節には、清々しい白と青もまた、大切な役割を担っています。

卯の花色(うのはないろ)

卯の花色(うのはないろ)は、初夏に小さな白い花を咲かせる卯の花(空木・うつぎ)のような、ほのかに黄みがかった白色です。

平安時代には「雪かとまごう」と表現されたほどの白さで、あまりの清らかさに人々が驚いたことが伝わっています。
立夏の頃の光の清潔さと、この色はよく似ています。

縹色(はなだいろ)

縹色(はなだいろ)は、深く強い青。

青系の伝統色を代表する色で、藍染によって生まれる色の中でも、その澄んだ深さは格別です。初夏の高く透き通った空の色を見上げるとき、この縹色という言葉が自然と浮かんでくるような気がします。

若竹色(わかたけいろ)

若竹色(わかたけいろ)は、若い竹の幹のような強い緑。

竹は立夏の頃にぐっと成長しますが、その勢いをそのまま色にしたような若竹色には、清潔で力強い初夏の生命力が宿っています。


「風薫る」という感覚

立夏の頃の風を表す言葉に、「風薫る」という季語があります。
青葉の香りを含んだ、さわやかな南風のこと。

薫風(くんぷう)とも呼ばれるこの風は、目には見えませんが、確かに感じられる初夏のしるしです。「薫る」という言葉が示す通り、この季節の空気は嗅覚にも働きかけます。

日本人は、色だけでなく、風の感触や香りにまで名前をつけてきた民族です。

「薫風」「翠嵐(すいらん)」——
緑が雨に打たれる山の気配を表すこの言葉も、立夏の頃に生まれた感覚です。見えないものに名前をつける繊細さが、日本の色彩文化を支えてきたともいえます。

色を知り、季節の言葉を知ることで、立夏の風が、以前よりも少し豊かに感じられるようになるかもしれません。


初夏の色と、京都洛柿庵の作品たち

立夏の頃に京都洛柿庵の作品の中から目が向くのは、この季節の清々しさと花の色を映した作品たちです。

ライラック・山法師・カワセミ——初夏の水辺や木陰を思わせる細タペや豆タペは、玄関や窓辺に飾るだけで、薫風のように爽やかな気配を室内に呼び込んでくれます。

特に、やわらかな紫のグラデーションで描かれた「ライラック」の細タペには、藤色から藤紫へと移ろう初夏の花の美しさが宿っています。

細タペ「ライラック」

また、絵麻(ema)の「蓮にかえる(穀雨)」から引き続き、この時期に合わせた作品を暮らしの中に迎え入れることで、春から夏への移行をゆっくりと感じることができます。

【公式限定】絵麻 -ema- 「睡蓮(立夏)・青もみじ(小満)・早乙女(芒種)」

koyomiフレームも、節気ごとに差し替えながら、初夏の色の変化を小さな作品の中に映していく楽しみがあります。

koyomiフレーム 「カワセミ」

「季節を奏で、私を整える」

これは京都洛柿庵の絵麻に添えられた言葉ですが、すべての作品に共通する思いでもあります。

立夏という節気を知り、藤色や杜若色という伝統色を知り、そして手染めの麻布に映された季節の色を暮らしの中に迎え入れること
——それが、「感性がひらく」ということの、ひとつの形です。


季節の色を、暮らしに重ねていく

細タペ「藤紫」

穀雨から立夏へ。春の緑から初夏の花へ。萌黄から藤色へ。

二十四節気は15日ごとに移り変わりますが、その色の変化は、もっとなだらかで、もっとやわらかです。

どこかで「春が終わった」と気づくのではなく、毎日の暮らしの中でその移ろいをそっと感じていける——そのための目と感性を、色の言葉は育ててくれます。

自然のうつろいを感じながら生きること。光と影、静けさと温もりが共存する空間を大切にすること——そのためのしつらえを、京都洛柿庵はこれからも届け続けます。

立夏の爽やかな風の中で、窓の外の緑と空の青を、しばらく眺めてみてください。

京都洛柿庵は、職人技と素材美に二十四節気の感性を宿すブランドです。
自然のうつろいを感じながら生きること。光と影、静けさと温もりが共存する空間を大切にすること。
それが、京都洛柿庵が提案する「感性がひらき、心が満ちる暮らし」です。

京都洛柿庵 三条店
住所:京都府京都市中京区三条町339

▼オンラインショップ
https://shop-kyoto-rakushian.com/

▼公式サイト
https://www.leciel-japan.com/

▼Instagram
https://www.instagram.com/kyotorakushian3joten/


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