ハノイ・ハイズオンビール(HAD、Ha Noi – Hai Duong Beer Joint Stock Company、HNX上場) ベトナム北部を地盤とするビールメーカー
ハノイ・ハイズオンビール(HAD、Ha Noi – Hai Duong Beer Joint Stock Company、HNX上場)は、ベトナム北部を地盤とするビールの製造・販売を手掛ける会社です。ハノイおよびハイズオン省周辺を中心に、地域密着型のビールブランドを展開しており、ベトナムの伝統的ビール産業の一角を担っています。国営企業を前身とし、株式会社化・上場を経て現在に至る地方ビールメーカーです。
【本記事は2026年1月22日時点の公開情報をもとに執筆しています】
HADが担う3つの事業
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
地ビールの製造・販売
酒類・ノンアル飲料
物流・倉庫・不動産
地ビールの製造・販売
HADの中核は、ビールの製造と販売です。主力は「Hai Duong生」「Hai Duong瓶」「Hanoi」ブランド群です。 地元工場運営による近距離供給モデルを持つ典型的な地方ビールメーカーです。(参考:marketscreener.com)
酒類・ノンアル飲料
HADは会社の事業範囲としてはビールに加えて、酒類やノンアル飲料の製造・販売も手掛けている。ただし、ここは「第二の柱」というより、地場の飲料需要を取り逃がさないための位置づけと見られています。
物流・倉庫・不動産
HADは主業に加えて、道路貨物輸送、倉庫・保管、荷役、さらには不動産(自社保有・賃借地の利用を含む)といった事業も手掛けています。ここは「新規の成長ドライバー」というより、工場の運営や地域との取引の延長であり、本業の補佐役という位置づけです。
3つの財務ポイントを押さえる
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
収益と利益の性質
財務健全性とリスク構造
配当方針と株主還元
収益と利益の性質
HADは地場需要をベースとし、原材料コストと販管費の振れで利益が上下する会社です。2025年通期では、売上高が1,628.5億VNDで前年から5.29%減となった一方、当期純利益は69.4億VNDで前年から10.08%増と、売上が落ちても利益を残しました。ただし四半期で見ると、2025年Q4は当期純利益が▲11.2億VNDと赤字で、売上減に加えて、コスト構造と販管費が利益を押し下げています。(参考:dnse.com.vn)
財務健全性とリスク構造
HADには巨大投資で財務が崩れるようなリスクはありませんが、地場ビールの固定費+販管費(とくに管理費)の振れで、四半期利益がブレやすい傾向にあります。実際に2025年Q4は、売上が前年同期比で減少するなかで、管理費の増加が目立つ一方、売上原価は低下しており、損益の上下が「売上の伸び」ではなく「費用の出方」に引っ張られています。この構造では、市況(外食・消費の強弱)で売上が鈍る局面に加え、販管費が先行すると四半期赤字が出やすいということになります。逆に言えば、売上が横ばいでもコストが締まる年は利益が残ります。2025年通期で「売上減・利益増」になったのは、まさにこの性格を示しています。
配当方針と株主還元
HADは、少なくとも直近数年を見る限りは、現金配当を継続しています。2023年の現金配当が1株当たり1,200VND、2024年の現金配当が1株当たり1,200VNDでした。地場消費株として「配当で報いる」色が一定あるようです。(参考:dnse.com.vn)
競合との比較で見える市場での立ち位置
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
競合企業とHADの位置づけ
強みと弱み
ベトナムビール市場のトレンド
競合企業とHADの位置づけ
ベトナムのビール市場には、Sabeco や Habeco といった全国規模の大手が存在します。HADはこれらと正面から全国市場で競う存在ではなく、北部地域に特化したローカルメーカーとして住み分けています。Habeco系ブランドとの距離感は近く競合ではありますが、その一方で地域市場における補完的存在とも言えます。
強みと弱み
HADの強みは、長年の操業によって築かれた地域ブランド力と、地元飲食店・流通業者との安定した関係性です。一方で弱みとしては、市場規模の限定性、大手メーカーによる価格競争・ブランド攻勢の影響を受けやすい点が挙げられます。消費トレンドの変化や若年層の嗜好変化も、長期的な課題となります。
ベトナムビール市場のトレンド
ベトナムのビール市場は、消費量の成長が一巡しつつあり、価格・ブランド競争が激化しています。こうした環境下で、HADのような地方メーカーは、量的成長よりも、既存市場での安定収益確保が重要な戦略となります。観光需要や外食産業の回復は追い風となる一方、構造的な高成長は見込みにくい市場環境です。
まとめ
HADは、ハノイ・ハイズオン地域を中心に展開する地方ビールメーカー
全国大手とは競わず、地域密着型ビジネスで安定需要を確保
収益は地域消費と原材料コストの影響を受けやすい
財務は比較的シンプルで、大型投資リスクは限定的
地域消費に連動するディフェンシブ寄り
ディスクレーマー
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品を推奨するものではありません。記載内容は公開情報に基づいていますが、その正確性や将来の成果を保証するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。
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