別れと出会い,そういう季節だ
卒業式のシーズンですね。
2月下旬に大学の二次試験を終えて,でも3月の第2週あたりの合格発表までの間,なんだかふわふわしたような時期に卒業式があったので,進路も決まっていない中の変な卒業式でした。今でもそうなんだろうと思います。
私にとって,高校の卒業式の思い出とは,寒い体育館の中でひたすらトイレ(小)を我慢し続けていたことです。
ただただ耐え抜いた。
耐えて耐えて耐えて,堪えて堪えた。
ここであきらめるわけにはいかない。平然とした表情を一切崩すことなく,しかしそれでいて脳みそをフル回転させてシミュレーションをする。残り時間,体力,トイレの位置,タイミング,予想される人の流れ…あらゆる情報を整理する。
そして退場。
待ちに待ったこの瞬間。陸上部で長距離を走っていた奴とは思えないくらい,惚れ惚れとするようなスタートダッシュを切り,ウサイン・ボルトも二度見するくらいの速さ(ウソです)でトイレに駆け込む。3年間使い続けた上履きのグリップが,ここぞとばかりにうなる。
しかしここで唐突にライバルが5人も現れる。そう,限界突破しそうなのは私だけではなかったのだ。着順次第では,いろんな意味で敗北する。負けるわけにはいかない。
競技場のゆるやかに曲がるのと違い,直角のコーナリングは危険だ(廊下を走ってはいけません)。出会いがしらで人と衝突している余裕はない。アウトインアウト。コーナーの先をいち早く確認する。陸上部の長距離の練習ではこんなこと一切したこともない。視界クリアを確認したら,後はトップスピードに乗るだけだ。一歩一歩,それは明日に架けるアーチだ。
結果的には一切の漏水を許さず,無事に卒業式イベントを終えられました。
やっぱり寒いところだと同じように窮地に立たされる人が多いわけですね。一瞬ライバル関係であった人たちはもはや仲間。ホッと息をつきながら,お互いの健闘をたたえ合うのだ,トイレの前で。
…そういう卒業式でしたね。
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