見出し画像

虐待の傷はどう癒していくのか

共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


児童虐待。

数ある精神疾患の中でも、
殊更複雑さをはらむもの。

それが、虐待です。

そもそも本来ならば、
信頼と安全の依り代となる人物から

身体的・心理的外傷を負わされるのですから、
それは想像を絶する状態のはず。

そして、
虐待体験を抱えたまま生きていくと、
特に思春期以降に心の問題が表出化したり、

二次的な障害
発現しやすくなったりしてしまう。

そんな、
臨床心理の中でも
根深いケースである虐待。

今回は児童虐待に絞って、
メカニズムや治療に関して
記事を残していきます。

何か気付きある内容になれば幸いです。



児童虐待の実態

筆者は現在、
複数の施設に実習に行かせてもらっており
被虐待児と関わっています。

これまでも
被虐待児とかかわったことはありましたが、
被虐待児たちが過ごす集団は初めてです。

よって、
虐待に関する知見をさらに学び、
整理していきました。

1999年には約1万件だった虐待相談は、
2023年には約22万件となり、
20年で20倍以上に増加しています。

最も多いのは、心理的虐待です。

それだけ、
「虐待」というものを
世間が認知するようになったこともあるでしょうし、

核家族化と地域の教育力の低下で、
誰にも頼れず、
深刻な状態になったケースもあるでしょう。

虐待は、
身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、
ネグレクト
などがありますが、総じて、

「児童の人権や生命を脅かすもの」

であり、

「保護者が自身の子どもに対して行うもの」

という定義になっています。

では、
虐待を受けた児童は
どのような影響が出てしまうのでしょうか。


虐待による身体的影響

まずは、
心理面ではなく、
身体的な影響をメインに記していきます。

身体的虐待の場合は、
身体的外傷を負い、後遺症が出ることもあるでしょう。

他にも、
どのような虐待の種類に関わらず、
低身長や低体重などの
健全な身体的な発育が遅れる場合があります。

それは、
ネグレクトによる栄養障害や、
過度のストレス状況下に置かれた影響からです。

また、
過度のストレス状況によって、
認知機能も低下する場合があります。

つまり、
学力が下がるということです。

脳機能への影響も大きい。

海馬と偏桃体の委縮により、
記憶の正常なメカニズムが働かず、
フラッシュバックが起きたり、
情動(衝動的な感情)を制御できなかったりします。

視覚野が減少し、
視野が狭くなってしまうことや、

聴覚野が肥大化し、
言葉や音に対して
ストレスを抱きやすくなる
ことも報告されています。

見たくないことが目の前で起きていたり、
聞きたくないことが家庭内で日常化していた故、
自分を守るために脳が変化したのでしょうね。

他にも、
前頭葉周辺の委縮により、
注意の障害を引きおこし、

見通しを立てたり、感情を制御する
実行機能の障害が引き起こされることがあります。

そうなると、
ADHDのような特徴を有することになる。

脳梁という部位の体積が小さくなり、
右脳と左脳をつなぐ橋
うまく作用しない場合もあります。

そうなると、
漫画を見て笑っても、
何がおかしいのか説明できない
現象も起きる。

他にも、
社会性やコミュニケーションの中枢
表情認知に関連する部位への影響もあります。

すると、
ASDのような特徴を有することにもなる。

さらに、
痛みを伝える神経回路が細くなり、
痛みに鈍感になったり、

報酬系を司る部位の活動が弱まり、
ちょっとしたことでは快楽を得られず、
薬物を含めた依存症に陥りやすくなったりする。

脳が変形してしまうと、
治療が困難になることが
想像されると思います。

ここから先は

2,206字 / 3画像

メンバーシップ ¥ 500 /月

「気付けば成長している自分がいた」というコンセプトをもとに、臨床心理や発達障害を含めた人間理解に関す…

スタンダードプラン

¥500 / 月
1ヶ月無料

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?