見出し画像

「鬼」の心理学

職場に持っていく
おにぎりの具の研究中です。

最近は、塩昆布×鰹節×ごまに
菜種油を少々かけるのにハマっています。

おススメがあれば
ぜひ教えてください笑


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


鬼才。
鬼ごっこ。
心を鬼にする。

日本の言語や文化の中に
自然に溶け込んで
深く浸透している「鬼」

なぜ、
「鬼」という存在は
ここまで日本文化と密接に関わっているのか。

「鬼」の正体とは何なのか。

節分の時期に
ふと訪れた図書館コーナーの一角にあった、
鬼特集をよき機会に調べてみることに。

思い付きの行動でしたが、
一旦調べ出すと
まあこれが面白い、面白い。

そして、
「鬼」という存在は
日本人にとって欠かせないものということが
心底納得できました。

今回は、そんな
「鬼」という特殊な視点から

日本人の心理を探究する
記事にしていけたらと思います。

楽しんでいただけるとうれしいです。



福は内、鬼も内!?

節分と言えば、

「福は内、鬼は外」

が一般的かと思います。

しかし、
地域によっては

「福は内、鬼も内」

という風習が残っている場所があることを
ご存知でしょうか。

それは、
比叡山の麓にある
鬼の末裔たちが住む地域です。

「いやいや、鬼は実在しないでしょ?」

そう思われた方もいると思います。

しかし、
節分や昔話など
数多ある文化に鬼が登場するということは、

「鬼と呼ばれる存在」
おそらく実在したのでしょう。

しかも、
鬼の末裔と呼ばれる一族は

天皇や天台座主などの葬送の際に、
柩を担ぐ陰の役目を務めることを
特権としていたようです。

「鬼も内」と唱える風習が残っているのは、
自分達を「鬼」と自覚しているからこそ
生まれたのだとも推測できる。

そもそも、
「鬼」という記述は
日本の歴史上どの辺りから生まれたのでしょうか。

日本書紀には、
既に「鬼」という文字が残されています。

「鬼魅(きみ)」という
外国人や海賊などの
得体の知れないものを総称してそう呼んでいたようです。

この視点をヒントにすると、
日本人にとっての「鬼」が見えてきそうですね。


「鬼」の正体とは?

鬼の代表格とも呼ばれる、酒吞童子

ただ、
「大江山酒呑童子伝説」という書物の中には
面白い記述が残されています。

先祖伝来の土地である
比良の山に住んでいたところ、
都から伝教大師という悪人がやってきて
強力な呪力で私を追い払って、
延暦寺を建てた。

酒呑童子の視点からみると、
都からやってきた天皇政権こそが
「悪人」
であり、

征服者である「鬼」
捉えられているのです。

海賊や外国人を「鬼」と表現したように、
自分たちとは異質で、
脅威となるような存在

古来から人は「鬼」を見出してきた。

世界大戦敗戦後も、
日本にやってきた米国人を
「鬼畜」と呼んでいたことが思い起こされます。

つまり、
鬼とは人間の恐れそのものと言える。

それは、
人間を対象としたものに限らず、

超常現象や自然災害、疫病なども
未知なる恐れあるものとして
「鬼」という概念で括ってきた歴史がある。

だからこそ、
鬼を祭る神社も当たり前に存在する。

先ほどの話を別角度から考えると、
歴史が一歩違う道を歩んでいれば、

現在天皇と呼ばれる存在こそが
「鬼」とされる道もあり得た
のかもしれない。

筆者の好きなマンガ「ワンピース」で、
ドフラミンゴが放った言葉が脳裏に浮かびます。

頂点に立つ者が善悪を塗り替える!!!
今この場所こそが中立だ!!!
正義は勝つって!?
そりゃあそうだろ
勝者だけが正義だ!!!!


境界線の人々

ここで、
「鬼」という文字や言葉に注目してみます。

「おに」は語源的には
「穏(おん)」から来ており、

隠れて目に見えない神霊を表す
意味合いがあるようです。

見知らぬもの、異形のものに恐怖し、
結果として葬り去ったものが
「怨念(おんねん)」となる。

そんな恐怖の対象と
「鬼」という言葉の結びつきは
何かしらの関連性を感じさせるものがあります。

また、
「鬼」という漢字と関連性があるのが
「魂」です。

「鬼は外、福は内」

という言葉あるように、
日本文化は「内と外」を区別する色合いがある。

日本文化は
「外部=異界」を「タマ」という概念で
表現してきた節があり、
不可視の霊的存在性を見出してきた。

「勾玉(まがたま)」「魂(たましい)」
なんかにその片鱗が見えますし、

古来では、
人間の秩序を脅かす存在を
「荒魂(あらたま)」とも呼んだようです。

「鬼」という漢字は、
字面通り「魂」の片割れのような存在であり、

「内と外」を行き来できる
意味合いがあるのかもしれません。

「玉手箱」の「たま」も
異世界と現実世界をつなぐ役目を
果たしているのかもしれない。

天狗は「山伏」が鬼になったとされていますが、
山伏は元々人間世界、
つまり「内部」の山岳修行者。

一方で、修行により
異世界や異種族である
「外部」と関わりをもち、

両方の世界を行き来できる
境界線的な存在
でもあった。

ただ、
「外」の世界に深入りし過ぎた場合は、
完全なる「鬼」と化した人もいた。

古くから日本で「鬼」という存在は

「先祖の霊が姿を変えたもの」
「村人と同化しないで山で暮らす異種族の人々」

と信じられてきました。

「鬼は外、福は内」の掛け声の「内と外」には、
そんな意味合いも込められているのかもしれませんね。


鬼の二面性

立場によって、
「恐怖=鬼が誰か」が変わるように、

鬼は善か悪かという
単純な考え方では捉えられない
二面性をもっている節があります。

昔話でも、
悪い鬼が存在すればいい鬼も存在する。

御伽草子では、
牛若丸は鬼の島の大王の婿になってもいますし、

一寸法師は、
鬼の所有していた打ち出の小槌によって
一人前の男になることができている。

つまり、
古来から人々は
鬼の邪悪な面を封じ込め、

好ましい側面を引き出して
役立てることができる
と考えていた。

これは、
人間の心理にも
そのまま当てはまるのではないでしょうか。

そもそも節分は、
人間の「内」に潜む
「鬼」を「外」に出すために行われる
という説があります。

代表的な5色の鬼がいて、
それぞれの色が
人間の煩悩を表している。

「赤」が貪欲さや求めすぎる心。
「青」が悪意や憎しみ。
「黄」が浮ついた心や甘え、執着
「緑」が怠惰や眠気、不健康
「黒」が疑う心や愚痴

といった感じです。

仏教でいう所の「五蓋」という、
人間の5つの煩悩を
追い払うための行為
でもある。

地方の風習に残る
「ナマハゲ」なんかもまさにそう。

餅や金銭を貰って立ち去っていく代わりに、
豊作や無病息災などの祝福をもってくる存在。

「ナマハゲ」は
「怠け者の生身を剥ぐ」という語源があり、

ナマハゲを恐れることにより、
人間が怠けという煩悩に支配され、

鬼になってしまうのを
防いでくれる
力をもっています。

そんな人間の
表の面も裏の面もひっくるめて、
よりよく生きるために必要だったのが
「鬼」という存在だったのかもしれません。


人間も二面性がある

以前に、
ユングが唱えるアーキタイプを
記事にしたことがあります。

人間の母性と父性には
二面性があるというやつです。

母性はグレードマザーと呼ばれ、
全てを受容し包み込む力と
相手を囲って停滞させてしまう面をもちます。

父性は老賢者と呼ばれ、
意志という大きな力を与えてくれる代わりに、
権威でひれ伏せようとする面がある。

そんな二面性は
物語の中でも表現されます。

西洋は、
母性の表はマリア様が担い、
裏の面は魔女といった形で表現される。

日本は、
表が菩薩、裏が山姥(鬼)などでしょうか。

山姥が出てくる物語は、
大抵、優しそうなおばあさんという表の姿があり、

「覗いてはいけない」という約束を破り、
境界線を越えた裏の世界を見てしまうと
山姥(鬼)が姿を見せるといった構造になっていることが多い。

このようなことからも、
人間は誰しもが二面性をもっており、

心の中に鬼を飼っていることを
教えてくれている気がします。

そういった意味では、
鬼は我々の一部であると
表現することができるでしょう。


まとめ

古来から人々は、
人間の弱い心を可視化するために
「鬼」という存在の力を借りてきた
のでしょう。

目に見える具体的な姿と対峙することにより、
弱き心を振り返り
心のバランスを取っていた。

「鬼」は
そんな日本人たちが紡いできた
よりよく生きるための知恵の結晶なのかもしれません。

そう考えてみると
「鬼」に愛着が湧いてきますし、
より深い目で物事を観ることができそうですね。

やっぱり、
日本文化は面白い!


この記事は、
以下のような本を参照しています。


この記事の内容が少しでも
「よかった」「ためになった」
と思われた方は、
スキやフォローをしてくださるとうれしいです!
コメントも残してくださると有難いです!
コメントを読んだ方々が、
より教育についての知見が深めることができる
図書館でありたいと思います。
いつもいつも、最後まで読んでくださり
本当にありがとうございます!
皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊






いいなと思ったら応援しよう!