洋楽探訪#52:ディキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ『カモン・アイリーン』──「愛」は汚いか?
初めてディキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ(Dexys Midnight Runners)を見たときは、正直「なんちゅう汚い格好や…」と思いましたね。
ケヴィン・ローランドを中心としたバンドメンバーは、みんなオーバーオールにバンダナ、素足にサンダルというスタイル。いや、農作業の帰りなんかという。
でも、そんな彼らの音は、なかなかの衝撃でしたよね。
1983年、『カモン・アイリーン(Come On Eileen)』は、全米No.1を獲得する大ヒットとなりました。
バンドはアイルランドの弦楽団と合同したアコースティックな編成。アイルランドの伝統音楽の影響を受け、弦楽器を中心にフォークとソウルが混ざり合ったような独特のサウンドになっています。
ケヴィン自身はアイルランド系のカトリック家庭に育ち、「異性を愛すること」は、汚く、罪深いと教えられてきたそうです。
子どものころの幼なじみ、アイリーンに抱いた恋心と宗教的な葛藤。それが、「verge on dirty(やましい気持ちがあったよ)」という歌詞ににじみ出ていますね。
いや、汚いのは「愛」ではなくて、あんたたちの服だよって、ツッコミたいですけどね。
MVは、バンドメンバーの後押しで、ケヴィンがアイリーンに想いを伝えに行くという展開。なんかミュージカル映画のようでいいですね。
ちょっとダサいけど、青春ってこういうことなんだよなあ。
残念ながら、ディキシーズ・ミッドナイト・ランナーズは典型的な一発屋となって、数年後には解散。
でも、ケヴィンはその後も、「デキシーズ」として活動を続けています。
で、今度はカラフルなスーツを着て、すごくオシャレなスタイル。
いや、アーティストの探究心は、ほんとうに尊いなと。
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