洋楽探訪#21:ロビー・ネヴィル『セ・ラ・ヴィ』──中性的な色気と80年代のオシャレ感
ロビー・ネヴィルの「セ・ラ・ヴィ(C’est La Vie)」、久しぶりに聴いたら、やっぱり最高にオシャレですね。
ちょっと官能的で、それでいて明るさもある、あの絶妙なバランスは80年代ポップスの中でも異彩を放っていました。
この曲は1987年のデビューアルバム『ロビー・ネヴィル』からのファーストシングルで、いきなり全米ビルボード2位という大ヒット。
実はロビー、もともとは裏方で、ポインター・シスターズやアース・ウィンド&ファイアといったR&Bアーティストに曲を提供していたソングライターだったんです。
そんな彼が自ら表舞台に立って、あの甘いマスクとふわふわの髪型で歌い踊る姿に、当時のティーンから大人女子まで夢中になったのも納得です。
「セ・ラ・ヴィ」は、ベースにR&Bのグルーヴがありつつ、シンセや打ち込みのアレンジで当時っぽいポップ感に仕上がっています。
ロビーの歌い方も特徴的で、ちょっと鼻にかかったような声でシャウトしたり、ファルセットにひっくり返ったりと、とにかく表情豊か。
セクシーさと軽やかさが同居していて、これまた中毒性があるんですよね。
タイトルの「C’est La Vie」はフランス語で「人生ってそんなもんさ」。
この言葉の響き自体がもうオシャレですし、歌詞全体にもどこか達観したような、乾いたユーモアを感じます。
このあたりが、英米の他のポップスターとは違って、ちょっとヨーロッパ的というか、カリブ風というか…独特の異国感が漂っていて印象的でした。
当時のミュージックビデオも記憶に残っています。セピア調の映像に、ホラ貝を持った女性バンド、工場のプラントでの演奏シーン…というなんともシュールで前衛的な映像。
Tシャツにレザーボアジャケットを羽織ってクールに歌うロビーがとにかく絵になっていて、「なんだこの人、カッコよすぎる…」と見入っちゃいましたからね。
その後、「ドミノ」や「Wot’s It To Ya」といったシングルもヒットし、しばらくは“時代の顔”でしたが、3枚目のアルバムあたりからセールスが失速。
あっさりと再び裏方に戻り、作曲家としての道に進みます。
ちなみに90年代には、松田聖子さんにも楽曲提供していたんですよね。切り替えの早さと柔軟さも、彼の魅力のひとつです。
「セ・ラ・ヴィ」。まさに「それが人生」。
儚さも含めて、あの時代にしか生まれなかった美しいポップスだと思います。
※Amazonアソシエイト・プログラムを利用しています。
※ヘッダー画像は僕の私物であるレコード、CDのジャケットを撮影したものです。
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