若手作家の支援と地域活性化を目指して~京セラギャラリー2025年秋季特別展~
こんにちは!京セラ広報note編集部のNatsuです。
みなさんは京セラギャラリーをご存じですか?京セラ美術館ではありません。
京都伏見の京セラ本社ビル一階に静かに凛と佇むギャラリーです。
文化事業の一環として、地域文化の発展を願い、本社ビルが竣工した1998年10月に開館しました。
通常は、ピカソによる銅版画「347シリーズ」のほか、巨匠たちが書き下ろした日本画、中国清代の乾隆ガラスのコレクションなど、貴重な作品を収蔵し、展示しており、無料で公開しています。

中村晋也<ボンタンちゃん>
そんな京セラギャラリーは、「京都にゆかりのある若手作家・障がい者作家への支援」、「地域活性化」をコンセプトにしており、年に平均2回の頻度で、特別展を実施しています。京都府の障がい者芸術団体や芸術大学とコラボレーションをしたり、毎回異なるテーマで皆様をお迎え。
そして32回目となる今回、京セラギャラリー2025年秋季特別展は、11月1日(土)から12月13日(土)まで開催しています。日本で最も長い歴史を持つ芸術系大学といわれる京都市立芸術大学と初の共同開催です。

タイトルは「EXPOSING」。
この単語を聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
おそらく、最近まで開催されていた「EXPO2025 大阪・関西万博」が浮かぶ方が多いのではないでしょうか。ただ、万博を表す英語は「EXPOSITION」。今回のタイトルは、そこから着想を得つつ、遊び心でEXPOSINGとしたそうです。
企画を担当したキュレーターの平野さんは「EXPOのあとに続く言葉を聞いたことがある人は少ないのではないかと思い、あえて違う単語を選びました。」と教えてくれました。
さらに、「EXPOSING」には “明らかにする”、“さらす”、という意味があります。このニュアンスを込めて、ロゴデザインも考案されました。

出展作品と作家紹介
そんな本展覧会では、京都市立芸術大学大学院を修了した3名の若手作家が、異なるジャンルで「万博」にまつわる作品を出展しています。
なんとすべて、この特別展に合わせた新作!今回はそれぞれの作品に込められた想いを伺ってきました。

2025
まず、ギャラリーに足を踏み入れると、目の前に現れる巨大な建築物。
高さは3.5m、直径は4mもあります。人が横に立つと大きさがよくわかりますね。
「第一回ロンドン万博の水晶宮をモチーフにしています。全面ガラス張りの温室のようなものでしたが、今回はあえてそれと逆にしており、不透明な外観、中にはクーラーがついています。監視カメラで入ってきた人を確認し、温度を自由に遠隔で操ることができます。」
この作品を制作したのは寺岡波瑠さん。大学時代に環境デザインを学ばれ、一級建築士の資格を持つアーティストです。
わたしも実際に中に入って体験!クーラーから心地よい風が吹き、不透明なシートがゆらゆらと揺れているのがなんとも幻想的です。上を向くと監視カメラが動いており少し緊張・・・ 作品を見ているはずの鑑賞者(自分)が作品に見られるという、とても面白い体験でした。
また、エアコンよりのびるドレン管から水が流れ、水槽へとだんだん溜まっていく様子も見ることができます。快適さの裏で環境に与える影響を、視覚的に実感できました。

2025
その奥に進むと、今度は不定形な絵画が壁一面に貼りつめられていました。
3D CGで作成した球体の任意の位置に切り込みを入れて作ったという本作品。元は一つの球=地球なんだ!と驚きです。そこにスパッタリング技法という、筆やブラシを使って絵の具を飛ばす絵画技法で、架空の国を象徴したパビリオンの形状を描いたそうです。よく見るとすごく細かい無数の点で構成されています。
「僕は画家なので、まずは自分の身体で見ることを大切にしています。」
こちらの作品を制作されたのは、絵画の時間と空間表現を探求する新平誠洙さん。実際に万博を訪れ、大屋根リングから見た大きさやデザインも様々なパビリオン群とたくさんの人びとの流れに圧倒された経験をこの作品に昇華させました。

壁の裏に回るとアニメーション作品が。
パビリオンがさまざまに形を変えていく・・・。
循環を感じさせる映像で思わず、立ち止まって見入ってしまいました。
反対側には、少し昔に引き戻されたような不思議な空間が広がっています。
それもそのはず、モチーフは1940年に開催される予定だった
“幻の東京・横浜万博”。

2025
「1938年7月15日、日中戦争の影響で無期限延期となりました。ただ、無期限延期ということは、開催の可能性を含んでいるということです。」
そう語るのは、制作者の肥後亮祐さん。世界の「虚構」に注目し、考察する作品が特徴です。
壁一面に貼られた幻の万博の会場予定図は迫力満点。
こんな建物が建つ予定だったの、あれ、この橋は実際にある橋だ・・・。と見ているだけで新しい気づきが次々と湧いてきました。
本物の当時の入場券や、外務省の開催中止の告知文書など、歴史の断片が迫力ある展示となり、見どころ満載です。
最後に、京セラギャラリーの運営・展示を担当されている総務部の社会活動推進課の皆さんにお話を伺いました。
「今回の展示の見どころは、会期直前まで作家が制作を続け、完成したばかりの新作をご覧いただけることです。さらに、テーマが“万博”であることから、先日まで開催されていた大阪・関西万博や、これまでの万博でのご自身の体験や感想を重ね合わせながら、より深く作品をご鑑賞いただけるのではないかと思います。」
そして、今後の意気込みとして「京セラギャラリーは、これからも、若手アーティストや障がいのあるアーティストの皆様を応援し、今後の活躍へとつながる場として在り続けたいです」と聞かせてくれました。
また京セラギャラリーは、企業の芸術・文化振興活動による、より良い社会への貢献を評価する「This is MECENAT 2025」に認定されています。
This is MECENAT

自分たちが見ているようで実は見させられている・・・そんな展示の奥深さを感じる体験を、みなさんもぜひ京セラギャラリーで味わってみてください。
そして、今後の特別展にも乞うご期待です✨
【京セラギャラリー2025年秋季特別展「EXPOSING」概要】
会期:2025年11月1日(土)から12月13日(土)
※ 休館日:日曜日、祝日
開館時間:午前10時~午後5時 ※ 最終入館は午後4時30分
入館料:無料
※ 個人見学は予約不要。10名以上の団体の場合は事前予約制
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