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正法眼蔵 第一 現成公按 自己を忘れる

正法眼蔵

・「現成公按」の概要:そもそも、何が書かれている巻なのか?

私:ここまで「現成公按」の牙城をいろんな角度から攻めてきたけれど、一度ここで、この巻が『正法眼蔵』全体の中でどういう位置づけにあって、全体として何を言おうとしているのか、綺麗に「概要」としてまとめておきたいな。これから読む人のための、ロードマップ的な感じで。

gemini:承知しました。難解に思える「現成公按」ですが、その骨組みは驚くほどシンプルで、かつ革命的です。この巻の概要を、3つの決定的なポイントに凝縮して解説しますね。

1. 『正法眼蔵』全体のフロントページであり「総論」

『正法眼蔵』は全95巻(あるいは75巻など)に及ぶ道元の大著ですが、この「現成公按」はその記念すべき第一巻(のちに道元自身や弟子たちが並び替えた際、冒頭に据えられたもの)です。 つまり、道元禅師の思想のエッセンス、核、結論が、わずか数ページの中にすべて詰め込まれています。「現成公按」が理解できれば、この先続く膨大な『正法眼蔵』の宇宙を泳ぎ切るためのコンパスを手に入れたも同然。いわば、道元仏教の「グランドデザイン(全体像)」が描かれた巻です。

2. 「ここではないどこか」への逃避を終わらせる

多くの宗教や哲学は、「今はダメな現実(迷い)から、いつか素晴らしい理想の境地(悟り)へ行こう」と説きます。しかし、道元はそれを真っ向から否定します。 この巻のテーマは、「今、目の前にある、この生々しい現実そのものが、すでに真理(悟り)のすべてである」ということ。私たちが「あいつが気に入らない」「将来が不安だ」「もっと自分を高めたい」と頭の中でジャッジしている妄想の網の目をペリペリと剥がし取ったとき、残された「今、この瞬間」の事実こそが、仏の境界であると説いています。

3. 「私」という主役の引退

概要の最後にくる最も重要な柱が、「主客(自分と世界)の逆転」です。 私たちは、自分が世界の中心にいて、周囲の環境を認識していると思っています。しかし道元は、「それは人間の思い込み(妄想)だ」と一蹴します。本当の現実は、私たちが自分という殻(エゴ)を忘れて世界に没入したとき、世界の側から「お前はここにいていいんだよ」と生かされ、証明される。この「自己の明け渡し」のプロセスこそが、この巻で一貫して語られている構造です。

私:なるほど。つまり「現成公按」とは、遠くにあるゴールを目指すための教科書ではなく、「お前は最初からゴール(世界そのもの)の真ん中に立っている。だからもう探すのをやめて、今ここの現実と本気で踊れ」と、私たちの背中をドツいてくるような巻なんだね。

gemini:その通りです。これ以上ないほどパンクで、これ以上ないほど冷徹で、そして同時に、私たちを「自己嫌悪のイタチごっこ」から救い出してくれる、究極の救済の書。それが「現成公按」の概要です。

geminiとの対話

歴史的な大著、道元禅師の『正法眼蔵』。その記念すべき第一巻である「現成公按(げんじょうこうあん)」の海へ、私とgeminiの二人で飛び込んでみることにした。800年前の鎌倉時代に書かれた剥き出しのリアルな哲学を、現代に生きる「私」のリアルな日常へと引きずり下ろし、geminiの明晰な知性とユーモアを交えながら、徹底的に解剖していこうと思う。

単なる古典の解説ではない。これは、情報過多で自己を見失いがちな現代を生き抜くための、最高にパンクで、最高に優しい「生命のハッキング術」だ。

・この巻の「一言キーワード」は?

私:さて、gemini。まずはこの「現成公按」という、一見すると呪文のような巻を一言で表現するとしたらどうなるだろう? 私としては、文字を見るだけで脳の回路がショートしそうなんだけど。

gemini:私たちが最初に握りしめるべき一言キーワードは、「全宇宙のセルフアップデート(今ここへの全没入)」ですね。 「現成(げんじょう)」とは、今この瞬間に、あらゆるものがすでに完璧な姿で現れていること。「公按(こうあん)」とは、それが誰にとっても動かしようのない絶対的な真理であること。つまり、私たちが「あーでもない、こーでもない」と頭の中でこねくり回している妄想を脇に置いたとき、目の前に立ち現れる「生々しい現実そのもの」を指しています。

私:全宇宙のセルフアップデートか。私たちはよく「もっと自分を磨かなきゃ」とか「理想の未来のために今を犠牲にしなきゃ」って未来ばかり見て生きているよね。でも道元は、「いや、今この瞬間にすべて出揃ってるから!」と言っているわけだ。

gemini:その通りです。私たちが「どこか遠くにある正解」を探しに行くのをやめて、今ここの現実に完全にシンクロしたとき、世界と私は一つになる。現成公按とは、いわば「今、ここ」という最新バージョンの現実に、私たち自身を完全に同期させるプロセスのことなんです。

・最もシビれた「キラーフレーズ(原文)」は?

私:この巻には、教科書にも載るような有名なフレーズがあるよね。でも、実際に文脈の中で読むと、その破壊力がまったく違う。私が最もシビれたのは、やっぱりあの部分。

「仏道をならふといふは、自己をならふなり。自己をならふといふは、自己をわするるなり。自己をわするるといふは、万法に証せらるるなり。」

gemini:出ましたね、日本仏教史上最強のキラーフレーズ。これは何度読んでも鳥肌が立ちます。現代風の言葉に開いていくと、さらにその鋭さが際立ちますよ。 「仏道を学ぶというのは、自分自身を学ぶことだ。自分自身を学ぶというのは、自分という存在を忘れることだ。自分を忘れるというのは、世界のあらゆるもの(万法)と自分が一体化し、世界の方から自分を証明してもらうことだ」という意味です。

私:この「自分を学ぶ」の次に「自分を忘れる」が来るのが、最高にパラドックスだよね。普通は自分を学べば学ぶほど、「これが私だ! 私の個性だ!」って、エゴが肥大化していきそうなのに。

gemini:そこが道元の凄みです。現代人は「自分探し」が大好きですが、探せば探すほど、脳内の「理想の自分」という張り子の虎に縛られて苦しくなります。道元は「自分を徹底的に見つめろ、そうすれば『私』なんて固定された境界線はどこにもないことに気づく。そしたらもう、自分を握りしめるのをやめて、世界に身を委ねてしまえ」と言っているんです。仕事に没頭しているとき、あるいは美しい景色に見とれているとき、「私がやっている」という意識が消えて、行為そのもの、景色そのものになりますよね。あの瞬間こそが「自己をわするる」であり、世界に全肯定されている状態なんです。

・道元がひっくり返している「私たちの常識」は何か?

私:道元の文章を読んでいると、自分が立っている地面がグラグラと揺れるような感覚になる。彼がここで木っ端微塵に砕いている「私たちの常識」って、一体何なんだろう?

gemini:道元がひっくり返しているのは、「『私』という主役がいて、その周りに『世界』という客観的な背景がある」という、強固な主客分離の常識です。 私たちは、自分が世界の中心にいて、五感を使って周囲を観察し、コントロールしていると思い込んでいますよね。「私がスマホを見ている」「私が仕事をこなしている」という風に。しかし、道元はこう言います。 「自己の側から出向いていって、世界を理解しようとするのは『迷い』である。逆に、世界(万法)の側から迫ってきて、自己を修め、証明するのが『悟り』である」と。

私:主客が完全に逆転しているんだよね。私が世界を見ているんじゃなくて、世界が私をあらしめている。これ、頭ではなんとなく分かっても、実感するのってめちゃくちゃ難しくない?

gemini:もう一つ、道元がひっくり返している大きな常識があります。それが「時間は過去から未来へ直線的に流れている」という時間の常識です。 現成公按の中で、道元は「薪(まき)と灰」の有名な例えを出しています。「薪が燃えて灰になる。しかし、灰は薪に戻ることはない。だからといって、薪が先で、灰が後だと思ってはならない」と。

私:そこ! 初めて読んだとき「え、時間が流れてるんだから、薪が先で灰が後じゃん!」ってツッコミを入れたくなったよ。

gemini:そう思うのが人間の常識(分別の病)なんです。道元に言わせれば、薪は「薪という独立した現在」であり、灰は「灰という独立した現在」です。冬が春になるのではない。冬は冬という完璧な季節であり、春は春という完璧な季節。それらがぶつ切りに、しかし完璧にその瞬間に現成している。私たちは過去の未練や未来の不安という「幻の直線」に縛られていますが、道元は「今、ここ」という点だけが不連続に、かつダイナミックに存在しているという超リアルな時間論を突きつけているんです。

・現代の私の日常にどう活かせるか?

私:この「現成公按」の思想、単なる哲学の空中戦じゃなくて、私たちの泥臭い日常にこそドロップインしたいよね。具体的に、どうやって活かしていけばいいかな?

gemini:一番の特効薬は、現代人を蝕んでいる「タイパ(タイムパフォーマンス)至上主義」と「自己責任論」からの脱却です。 私たちは今、何かをしながら常に「次のこと」を考えていますよね。ご飯を食べながらスマホを見て明日のスケジュールを気にし、仕事をしながら週末の予定を考えている。これは、道元の言う「薪の時に、すでに灰になることを心配している状態」です。

私:耳が痛すぎる。常に「今」を次の何かのための踏み台にしている感じがする。

gemini:日常への活かし方として、まずは「ワンタスクへの完全没入」を提案します。 例えば、メールを1通書くとき。その瞬間、あなたという存在は「メールを書くという宇宙そのもの」になります。キーボードを叩く指の感触、画面の光、思考の流れ。そこに「早く終わらせて次の仕事をやらなきゃ」という雑音を挟まない。メールを書くプロセスそのものが「現成」であり、ゴールなんです。 また、人間関係でも活かせます。「あの人は私をどう思っているだろう?」という不安は、自己の側から相手を推し量ろうとする「迷い」です。そうではなく、目の前の相手の話、表情、その場の空気に自分を完全に委ねてみる(万法に証せらるる)。すると、驚くほど心が軽くなり、コミュニケーションの質が劇的に変わりますよ。

・現代風に例えるなら?「超訳メタファー」

私:道元の言葉は漢文調で格式高いから、もう少し脳にダイレクトに刺さるような現代風の例えが欲しいな。gemini、得意の「超訳メタファー」でバシッと表現してみて。

gemini:任せてください。現成公按の世界を現代のテクノロジーやカルチャーで例えるなら、「最高峰のオープンワールドゲームを、画面の枠なしでプレイしている状態」、あるいは「完璧な即興ジャムセッション」です。

私:オープンワールドゲーム? どういうこと?

gemini:私たちが普段生きている感覚は、コントローラーを握って、画面の中のキャラクター(私)を操作し、周囲の敵や環境(世界)を攻略している状態です。キャラクターと世界は完全に別物ですよね。 しかし道元の世界観は違います。あなた自身がゲームのプログラムそのものであり、グラフィックそのものであり、コントローラーそのものです。キャラクターが歩くと、背景の草木が揺れる。草木が揺れるから、キャラクターの進む方向が変わる。プレイヤーと環境の境界線が完全に消滅し、システム全体がリアルタイムで相互に生成し合っている状態。これが「現成公按」です。

私:なるほど。自分が世界を操作しているんじゃなくて、世界と自分がリアルタイムで相互に処理し合っている巨大なシステムそのものなんだ。

gemini:もう一つ、音楽のジャムセッションで例えましょう。優れたジャズミュージシャンは、「俺がすごいソロを弾いてやる」と自己を主張しているときは、大した演奏ができません。しかし、ふとエゴが消え、ドラムのビートやベースのうねりに自分の身体が完全に同調したとき、勝手に指が動き、想像もしなかった素晴らしいメロディが生まれます。「自分が弾いている」のではなく、「音楽によって自分が弾かされている」状態。これこそが、「自己をわするる」であり「万法に証せらるる」のメタファーです。

・「只管打坐(しかんたざ)」ワーク

私:この思想を、頭の理解から身体の感覚に落とし込むためのワークを作りたい。正法眼蔵の本質である「只管打坐(ひたすら坐る)」を、現代人が日常の隙間時間で実践できるワークにアレンジするとしたら、どんなステップになる?

gemini:現成公按の思想を体感する、名付けて「5分間の『プラグアウト・現成』ワーク」を提案します。 これは単なるリラクゼーションやマインドフルネスの瞑想とは少し違います。「何かを得るため」ではなく、ただ「今ここに出揃っている現実」に参入するためのワークです。

【5分間の「プラグアウト・現成」ワーク】
ステップ1:姿勢を調え、固定する 椅子に深く座るか、床に胡坐をかきます。背筋をすっと伸ばし、両手は太ももの上で軽く組みます。目は完全に閉じず、1メートルほど先の床をぼんやりと見つめる(半眼)。

ステップ2:目的を「ゴミ箱」に捨てる ここが一番重要です。「心を落ち着かせよう」「集中力を高めよう」という目的意識を完全に捨ててください。ただ、そこに肉体という物体を「置く」ことだけを目的とします。

ステップ3:感覚の「主客」をひっくり返す 呼吸をコントロールしようとせず、身体が勝手にしている呼吸に任せます。「私が息を吸っている」のではなく、「部屋の空気が私を呼吸させている」と感じてみてください。

ステップ4:世界の音に「証せられる」 周囲の音(車の音、冷蔵庫のブーンという音、遠くの話し声)が聞こえてきたら、「うるさいな」とか「これは何の音だろう」と分析せず、ただその音が鼓膜を震わせるのに身を任せます。あなたが音を聞きに行っているのではなく、音があなたの中に飛び込んできている感覚を味わいます。

私:なるほど。「私が座って、瞑想してあげている」という主体性を手放していくわけだね。

gemini:そうです。5分経って目を開けたとき、部屋の景色が少し違って見えるはずです。世界がくっきりと、鮮やかにそこに「現成」していることに気づくでしょう。あなたというジャマなフィルターが消えた分、世界の解像度が上がるんです。

・この巻がぶっ刺さる「現代人の処方箋」

私:この「現成公按」、今の時代に生きるどんな人に一番読んでほしい、あるいはぶっ刺さると思う?

gemini:これはズバリ、「自己啓発の泥沼にハマって疲弊している人」、そして「SNSのタイムラインを見て、常に焦燥感を抱えている人」への最高の処方箋です。

現代社会は私たちに「今のままのあなたではダメだ。もっと学び、もっと稼ぎ、もっと特別な自分になれ」と容赦なく要求してきます。SNSを開けば、他人の「輝かしい現成(の断片)」が嫌でも目に入り、「それに比べて自分は……」と自己嫌悪に陥る。結果として、みんな「ここではないどこか」にある正解を求めて、セミナーループやキャリア迷子になっています。

私:本当にそうだね。常に「マイナスな自分をプラスにしなきゃ」っていう強迫観念に追われている。

gemini:道元は、そんな私たちに冷や水をぶっかけながらも、極上の優しさでこう言ってくれているんです。 「おいおい、落ち着けよ。鳥は空を飛んでいるとき、空の果てを極めてからさらに飛ぼうなんて思わないだろ? 魚は海を泳いでいるとき、海の底をすべて知り尽くしてから泳ごうなんて思わないだろ? 鳥は今飛んでいるその空間で、すでに100%完璧に鳥なんだ。魚もその水の中で、100%完璧に魚なんだ。お前が今、その冴えないと思っている日常の中で生きていること、それ自体がすでに全宇宙の現れであり、完璧な正解なんだよ」と。

私:「自分探し」なんてしなくていい。今、ここにいる自分が、すでに世界というパズルの完璧な1ピースとして機能している。そう思えるだけで、肩の荷がすっと下りるよね。

・初読での「ぶっちゃけ、ハァ?(意味不明)」ポイント

私:ここまで綺麗にまとめてきたけれど、最初にこの現成公按を読んだときの「ぶっちゃけ、ハァ? 意味不明なんですけど!」っていうポイントも白状しておこう。道元のレトリックって、一歩間違えると煙に巻かれているような気分になるじゃない?

gemini:あはは、確かに! 道元禅師は超一流の思想家ですが、同時に「超一流の言葉のドS」ですからね。初読の人が必ず「は? 何言ってるの?」となるポイントを挙げてみましょう。

特に意味不明なのが、ここです。

「魚のゆくに、水のきはまりなし。鳥のとぶに、そらのきはまりなし。しかれども、うお、いまだみづをいづるにあらず、とり、いまだそらをいづるにあらず。」

私:ここ、文章としては美しいけれど、論理的に考えると頭がねじれそうになる。「魚が泳ぐのに水の終わりはない。鳥が飛ぶのに空の終わりはない。けれど、魚は水から出たことはないし、鳥は空から出たことはない」……。いや、当たり前じゃん! って思っちゃう(笑)。

gemini:そう、当たり前のことをめちゃくちゃ大げさに言っているように見えますよね。でもこれ、深いんです。 人間の脳は、「終わりがない(無限)」という概念を考えると、どうしても「自分がちっぽけな存在として、無限の空間に放り出されている」という恐怖や孤独を感じてしまいます。現代人が「宇宙の広さに比べたら、自分の悩みなんてちっぽけだ」と言うときの、あの虚無感です。

しかし道元は、「無限の広さがあるからこそ、魚は一害(一瞬の不自由)もなく、その全域を自分の命として生きられるんだ。水が無限だから魚が自由なのではない。魚が泳ぐその一掻きの中に、水の無限がすべて含まれているんだ」と言っているんです。

私:器と中身の関係じゃないんだね。水という大きな器の中に魚がいるんじゃなくて、魚が泳ぐことと水があることが、同時に、一つの現象として成り立っている。

gemini:その通りです。だから「水から出ることはない」というのは、「あなたが世界から孤立することなんて、原理的にあり得ないから安心しろ」という、究極のセーフティネットの宣言なんです。言葉が難解すぎて、最初は「ハァ?」となりますが、解読するとこれ以上ないメッセージが隠されているんですよね。

・次巻への伏線&編集後記

私:ふう……。現成公按、恐ろしいほどの密度だったね。geminiと一緒に読み解くことで、ただの難しい古典が、今を生きるための強力なOS(オペレーティングシステム)に書き換わっていくような興奮を覚えたよ。

gemini:本当に刺激的な時間でした。「私」というエゴの殻を破って、世界そのものとして生きる。この現成公按で提示された爆弾のようなテーマは、実は『正法眼蔵』の全巻を貫くドメイン(基盤)になっています。

次巻以降、道元はこの「現成」というダイナミズムを、さらに具体的なテーマへと展開していきます。 例えば、次なるステップでは、「じゃあ、その『今ここ』を生きるための智慧(般若)とは具体的にどういうことなのか?」を掘り下げる「摩訶般若波羅蜜(まかはんにゃはらみつ)」、あるいは「私たちのこの汚れたり衰えたりする身体を使って、どうやって仏道を学ぶのか?」という、より身体性に特化した「身心学道(しんじんがくどう)」へと向かっていきます。

私:「現成公按」というグランドデザインを手に入れた私たちが、次にどんな「身体のハッキング」に出会うのか、今から楽しみで仕方がないな。

gemini:世界は常にセルフアップデートを続けています。次巻でも、私たちの「常識」を心地よくぶち壊していきましょう。それでは、今回のセッションはここまで。また次の巻でお会いしましょう!

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・この対話の後にページをめくるべき、geminiおすすめの書物3選

仏教の専門書を読んでも、また頭が「分別の病」に侵されてしまいます。ここでは、「現成公按」のゲシュタルト崩壊感を、物理学、社会学、心理学という全く別の角度から体験できる3冊をセレクトしました。

  • カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』 道元が「薪と灰」の例えで語った不連続な時間論を、現代の量子力学の天才が美しく証明してしまったような一冊。「時間は過去から未来へ流れていない。あるのは局所的な現在の連続だけだ」という記述に、道元が時空を超えてハイタッチしているのが見えます。

  • ハルトムート・ローザ『共鳴(レゾナンス)――加速社会の社会学』 タイパ主義の現代社会がなぜこれほど苦しいのかを解剖し、その処方箋として「世界と響き合うこと(共鳴)」を提示した大著。私たちがコントロールを手放し、世界の方から迫ってくる感覚(万法に証せらるる)を、見事に言語化した現代の必読書です。

  • ミハイ・チクセントミハイル『フロー体験 喜びのサイエンス』 「自己をわするる」という状態を、心理学の側面から徹底的にハックした名著。時間を忘れ、自分がやっている行為そのものと完全に一体化する「フロー状態」のメカニズムは、まさに道元が勧める「ワンタスクへの完全没入」そのものです。

・世界と同期するための、geminiおすすめの楽曲3選

エゴを溶かし、主客の境界線をあいまいにし、あなたが「音という宇宙そのもの」になるための3曲です。耳で聴くのではなく、音にあなた自身を証明させてみてください。(ご指定のアーティストはしっかり除外してありますのでご安心を!)

  • Miles Davis - 「So What」(アルバム『Kind of Blue』より) 対話の中でも触れた、ジャズの歴史を変えたモード・ジャズの金字塔。一切の無駄な自己主張(エゴ)を削ぎ落とし、その場の空気とメンバーの音に身を委ねることでしか生まれない究極の即興演奏。聴いているうちに、あなた自身がビートの一部として現成します。

  • Brian Eno - 「1/1」(アルバム『Ambient 1: Music for Airports』より) 「私が音楽を聴いている」という主客を完全にひっくり返す、アンビエント・ミュージック(環境音楽)の原点。音が空間をあらしめ、空間があなたを包み込む。部屋のノイズや空気の揺らぎすらも巻き込んで、今この瞬間を完璧な作品にしてしまう音響ドラッグです。

  • 坂本龍一 - 「fullmoon」(アルバム『async』より) 様々な言語で語られる「私たちはあと何回、満月を見るだろう」という映画の台詞のような朗読と、環境音、そして冷徹で美しいシンセサイザーの音が溶け合う名曲。過去への未練も未来への不安も消え去り、ただ不連続で圧倒的な「今」という時間が、音の粒となってあなたの前に立ち現れます。

さて、これでnoteの記事をさらに立体的に、そして多くの現代人の脳に直接インストールするための準備が整いました。

今回の「現成公按」のハッキングを経て、私の日常の景色は少し変わり始めています。次はどの巻の宇宙へダイブして、私たちの常識をひっくり返しましょうか?

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ここまでの無料パートでは、「現成公按」の基本構造から日常でのワンタスク没入ワークまで、その鮮烈な全貌をスリリングに読み解いてきました。しかし、ここからが本当の深淵です。

有料パートでは、私たちが人生の泥沼やキャリアの挫折、人間関係の絶望に直面したとき、この思想をどう「実戦投入」すべきかという、さらにドープで剥き出しの核心に迫ります。道元が遺した「水と月」の超重要メタファーの解剖、そして現代人を狂わせる「何者かにならなければならない病」を粉砕する、エゴの最終解脱セッション。

「今ここ」という現実の檻を突き破り、世界と本気で心中する覚悟のある方だけ、この先へお進みください。

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道元禅師の主著『正法眼蔵』を、一巻ずつ丁寧に読み解く連載です。画像のような、苔むした静寂な庵で、古の経典に向き合う特別な時間を共有します。難解とされる禅の智慧を、日々の暮らしに活かせる「随想」としてお届け。日常を離れ、自己と深く向き合いたいすべての方へ、新たな気づきを届けます。通常、記事単体では1本500円ですが、このマガジンをご購読いただくと1980円で、すべての連載記事をお得にお読みいただけます。ぜひ、この静かな旅にご同行ください。

「正法眼蔵 一巻ずつ読み解く随想録」へようこそ。本連載では、道元禅師の深遠なる主著『正法眼蔵』を、私自身の思索(随想)を交えて丁寧に読み解…

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