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格言シリーズ:類は友を呼ぶ


格言シリーズ:類は友を呼ぶ

1.読み

るいはともをよぶ

2.意味

似た性質、価値観、趣味、または行動傾向を持つ人々や物事が自然に引き寄せられ、集まることを表します。人間関係においては、共通の特徴を持つ人々が仲間や友人として結びつきやすいことを示します。この格言は、志を同じくする者が協力するような肯定的な文脈から、好ましくない者が集まって問題を起こすといった否定的な文脈まで幅広く適用されます。

3.由来と原典

この格言は東西の文化で古くから見られ、単一の明確な原典を特定するのは難しいですが、複数の文献にその源流があります。

東洋の原典:『易経』

日本の「類は友を呼ぶ」の直接的な起源として、古代中国の思想書**『易経(えききょう)』**が挙げられます。この書は周の時代から段階的に編纂され、引用元である「繋辞伝(けいじでん)・上」は、紀元前4世紀から紀元前3世紀頃の戦国時代に成立したと考えられています。

そこには「方以類聚、物以群分、吉凶生矣。 (Fāng yǐ lèi jù, wù yǐ qún fēn, jí xiōng shēng yǐ.)」という一節があります。これは書き下し文で「方は類を以て聚まり、物は群を以て分かつ。吉凶生ず。」と読まれ、独自の現代語訳では「物事はそれぞれの性質に従って集まり、生き物は仲間ごとに分かれて群れをなす。この集まりから、良い結果(吉)や悪い結果(凶)が発生する。」となります。

この言葉の根底には、宇宙や社会の秩序が類似性に基づいて形成され、似た者同士が集まることで運命や結果が生じるという思想があります。例えば、誠実なビジネスパーソンが集まることで信頼に基づく強固なネットワークが築かれる一方、怠惰な者が集まると生産性が下がる状況がこれに当たります。

西洋の源流

西洋では、古代ギリシャやユダヤの文献に類似の思想が見られます。

【出典1:ニコマコス倫理学(紀元前4世紀)】
著者アリストテレスは、ギリシャ語の「τὸν κολοιὸν πρὸς κολοιόν (ton koloion pros koloion)」という当時のことわざを引用しています。これは「コクマルガラスはコクマルガラスに寄る」と訳され、意訳すれば「似た者は似た者と共にある」となります。

アリストテレスは友情の基礎として、似た価値観を持つ者同士が結びつきやすいと論じました。例えば、趣味のサークルで同じ情熱を持つ人々が集まり、自然と深い友情が育まれる状況がこれに当たります。

【出典2:シラ書(紀元前2世紀)】
ギリシャ語で「πετεινὰ πρὸς τὰ ὅμοια αὐτοῖς καταλύσει (peteina pros ta homoia autois katalysei)」と記されており、これは「鳥は自分に似た鳥たちのもとに集まって落ち着く」と訳せます。

この一節は、誠実な行動や価値観を持つ者が同様の人々を引き寄せるという道徳的な教訓として使われています。適用例として、ボランティア団体で共通の奉仕精神を持つ人々が集まり、協力して活動するケースが挙げられます。

4.現代的な例

現代社会でも、職場や趣味のサークルなど様々な場面でこの格言は当てはまります。共通の価値観を持つ人々が集まって協力し合ったり、深い友情を育んだりする一方で、特にSNSなどでは似た意見ばかりが集まることで排他的な集団となり、視野が狭くなる「エコーチェンバー」現象を生むこともあります。