6・10原子力規制委会見
廃炉原発の建て替えについて経産省は2026年6月5日、2040年代までに2~5基、50年代までに11~14基という数値目標を示した。
原子力規制員会は1年ほど前から事業者と建て替え原子炉について意見交換しており、その結果、「現在の基準を見直す必要はない」という認識だと同委員会の山中伸介委員長は同6月10日(水)の定例会見で述べた。
今すぐに建て替え原子炉の申請があったとしても、基準を見直さなくていいので、「審査出来る状態になっている」と山中委員長はいう。
これまでの会見での説明によると、建て替え原子炉はあくまでも建て替えで、事業者がいう「革新炉」ではなく、これまでのPWR(加圧水型原子炉)の延長線にあるので基準の変更は不必要とのこと。
「事業者の希望に沿って、意見交換は継続させてもらい、課題があれば、その中で検討していく」と山中委員長は述べた。
原発推進側を追随しているわけでない
原発推進に前のめりである政府に規制当局として追随させられているのではないかとの指摘が記者からあったが、山中委員長は「安全の水準を変えることなく、審査を改善していくことは我々としても望ましい姿で、推進側の考えとは全く独立した形で改善を進めていきたい」と話した。
審査を改善することは国際原子力機関(IAEA)からの提言でもある。
建て替え原子炉は全く新しい場所に建てられることは考えにくく、プラント側についての審査ではなく、自然ハザードの審査について「1年くらいかけて改善案を検討していきたい」と山中委員長は述べた。
規制当局としての課題について問われ、山中委員長は直近の審査体制に不備はないが、長期的にみれば人材の確保と育成は必須の課題で、強化していきたいと話し、具体的に「人材の確保ということでいえば「(人的)交流」「内部の育成」「外部の育成プログラムへの支援」」を挙げた。
高レベル廃液の処理が課題
日本原燃は6月8日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場をめぐって原子力規制委員会に対して事業計画の説明を一通り終えた。今後、原子力規制員会としては補正書の提出を待ち、その中には使用前事業者検査の方針も含まれるので、何か課題があれば改めて審査会合を開くという。
「ガラス溶融炉と、以前の(最終的な)アクティブ試験で残留している高レベル廃液の処理の2点が非常に重要になると考えている」。
「使用前事業者検査では、配管や溶融炉で(高レベル)廃液の漏れがないかしっかりと確認してもらわないといけないし、その中で廃液をどのように低減していくか、あるいは溶融炉の性質をどう担保していくのかを併せて検討してしてもらう必要がある」と山中委員長は語った。
「万が一、ガラス溶融炉が停止した場合、残っている廃液をどうやって回収するのか、保安規定の中に定めて対策が講じられるように原燃には検討して頂きたい。規制当局としては審査の中できっちり見ていきたい」。
自ら自分たちのプラントの理解を
実用発電用プラントは他にもたくさんあり、そこでの経験は共有すること出来るが、この再処理施設は「日本で一つであり、自ら自分たちのプラントをしっかりと理解し、今後稼働に向けていろんな部位について知識を深めるとともに運転の技能を身に着けたうえで運転を開始してほしい」。
原燃はこれまで他電力会社からの支援を受けつつ審査対応しており、当初原燃は自らのプラントへの理解が追い付いていなかったという理解だと山中委員長は述べ、これからの検査の中での学習、改善を促した。
平時の操作の手順などの理解に加えて、例えば「重大事故が起きた時、どういう緊急時対応をするか、そういう理解も含めて、訓練の中で体験して、身に着けていってほしいと考えている」。
