医療費と介護費、年間67万円超えたら戻ってくる——知らないと損する合算制度
知らないと損する公的制度
薬局で介護中の親の処方薬を代わりに受け取りにくる方に、時々聞くことがあります。「お薬代と施設の費用、両方で月いくらくらいかかっていますか」と。正確な金額を把握できていない方がほとんどですが、その合計額によっては、かなりの金額が戻ってくる制度があります。
「高額医療・高額介護合算療養費制度」——名前は長いですが、仕組みはシンプルです。医療保険と介護保険、両方の自己負担額を1年間合算して、所得に応じた年間限度額を超えた分が払い戻される制度です。
いくら超えたら対象になるのか
限度額は所得によって異なります。最も多くの方が該当する一般的な所得水準を例にとると次のとおりです。
年収約370〜770万円(一般区分):年間67万円
年収約156〜370万円(一般・低め):年間60万円(70歳未満)/ 56万円(70歳以上)
住民税非課税世帯:年間34万円 または 31万円
たとえば、年収500万円の方が1年間に医療費の自己負担で50万円、介護費の自己負担で25万円かかったとします。合計75万円は限度額67万円を8万円超えているため、この8万円が申請により戻ってきます。
「8万円か」と感じるかもしれませんが、医療費と介護費が重なる時期は数年単位で続くことも多い。毎年申請できているかどうかで、累計の差は大きくなります。
3つの落とし穴
① 申請しないと自動的には戻らない
高額療養費(医療費のみ)は一定の条件で事後通知が来る場合がありますが、合算制度は原則として自分から申請が必要です。知らなければ、そのまま戻ってきません。
② 対象期間が「8月〜翌7月」と特殊
暦年(1月〜12月)でも年度(4月〜3月)でもなく、毎年8月1日から翌年7月31日が1計算単位です。申請の締め切りも、毎年7月末が目安になります。
③ 申請は2段階
まず市区町村(介護保険担当窓口)に申請して「介護自己負担額証明書」を受け取り、その書類を持って加入している健康保険(協会けんぽ・組合健保など)に改めて申請します。2段階なので、早めに動くことをおすすめします。
今すぐできること
直近1年間(2025年8月〜)の医療費領収書と介護費の記録を引っ張り出して、合計額を出してみてください。自分の所得区分の年間限度額と比べて超えていれば申請対象です。
介護をしている家族がいる30〜50代の方に特に読んでほしい制度です。知っているだけで、次の行動が変わります。
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