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うつやらなんやらで色々あった2024年を七味五悦三会で振り返る

七味五悦三会ってご存じですか?
私は知りませんでした。

大晦日の夜。除夜の鐘が鳴っている間に、その年に食べて美味しかったものを七つ、楽しかったことを五つ、出会えてよかった人を三人振り返って、今年もいい年だったねぇと終える。江戸時代の風習らしいです。
七五三と同じ。なんか関係あるんでしょうね。ラッキーナンバー的な。素数だし。

妻いわく「あんた、今年は天中殺やで」とのこと。たしかにその名にふさわしい、激動の一年でした。まさか正月からうつが発症するとは。そして来年も天中殺の2ラウンド目らしく。続くんかい。
なので短期記憶が残っている間に、無理矢理にでもいいこと振り返って、一年の記憶を上書きしてみようと思います。

七味その一「エビリファイ」

いきなり向精神薬でスイマセン。ドーパミンが出る薬。これと出会ってうつ症状がとても軽減しました。倦怠感も情緒不安定も過呼吸もなりをひそめ、なんとか日常生活に戻ることができた。今年、口に入れたもののうち、ダントツで私を幸せにしてくれたもの。舌に載せるとほんのり甘い。広義の美味。

七味その二「デエビゴ」

続いて睡眠導入剤でスミマセン。ホルモンをなんちゃらする薬。これに導かれる眠りが甘美にして背徳。コンセント抜いたみたいに入眠し、必ず悪夢を見ます。これが面白い。日中のストレスや、心の奥底に潜んだ情動を、AIに映像化されてる感覚。先日は蛇蜂という新種の生き物になりました。牙と針。

七味その三「豆腐」

うつ症状が軽減したので筋トレを再開。肉中心の食事にしたら、今度はお腹が情緒不安定になりました。そこで肉の一部を豆腐に。とたんに空腹を感じなくなったのは、食物繊維のおかげらしい。食物繊維も炭水化物だって知りませんでした。食欲がない時に喉を通るのも有り難い。タンパク質のプリン。

七味その四「ヨーグルト」

肉の偏食から、お尻の口笛が止まらなくなり。ヨーグルトを摂るようにしたところ、終止符となりました。ただし少し長い目で続ける必要があります。フェルマータ。小サイズのパックを朝晩、一ヶ月くらい。ちなみにうちは冷蔵庫の棚で保存してます。ドア裏じゃなくて。揺れると味が落ちるらしいので。

七味その五「もやし」

今年は野菜が高かった。キャベツやレタスが一玉400円。肉の価格帯。そこでもやし。一袋30円。「気兼ねなく食べられる」は、成城石井の高級スパイスより美味。しかもミネラル豊富ときた日にゃ、感謝を超えてもはや尊敬。でも値上げしないってことは、誰か無理してるのかも。別の意味で気兼ねが。

七味その六「おにぎり」

心療内科の担当医に忠告されたんです。脳を動かすためにも糖質はちゃんと摂れ、と。糖質制限中だった私はおにぎり(冷えたご飯)を選びました。これが太らない。オバQみたいに食っても太らない。「気兼ねなく食べられる」は(以下略)。侍タイムスリッパーのテンションで感激してしまいました。

七味その七「SUNTORYオールフリー」

メンタルを病むとは、脳を病むこと。私は酒がダメになりました。アルコールの分解成分が弱った脳に作用するのか、頭が熱くなって目覚めちゃう。そして一度そうなると、もう寝れない。全メーカーの全ノンアル・ビールを試し、オールフリーに落ち着きました。ニセ晩酌。人は気休めで生きのびている。

なんだか白いものばっか。オールフリーの缶も白だし。美味しかったもの七つというよりは、これが食事の大半だった、というのが実情です。
精神を病んで失ったものは少なくないですが、食欲や美食欲を手放せたことだけは不幸中の幸いでした。煩悩を一つ捨てると、こんなに生きやすくなるのか。生きやすさとは、自色をなくしていくことなのかもしれません。
なんてことは思ってません。来年はも少し色気のあるもの食べたい。

五悦その一 映画「大きな家」

児童養護施設の子ども達に密着したドキュメンタリー。涙も学びも押し付けない、明るくカラッとした映像だからこそ、彼らの葛藤や困難が浮き彫りになります。私がかつて音楽のボランティアで出会った、似た境遇の子達を思い出しました。会いたい、って言わない関係ってあります。でも同じ空の下。

五悦その二 映画「江里はみんなと生きていく」

一人では呼吸もできない重度障害を抱えながら、一人暮らしに挑む女性のドキュメンタリー。自立とは。生きるとは。自分が家族だったら、いや当事者だったら。見返すたびに感想が変わるタイプの奥深い作品です。私も、もう少し周りに頼って生きてみようか、なんて思ったり。12年に及ぶ取材が圧巻。

五悦その三 書籍「まともがゆれる」木ノ戸昌幸・著 朝日出版社・刊

私はうつ症状のどん底にいながら、電車でゲラゲラ笑いました。京都の福祉施設「スウィング」の本。利用者つまり精神障害や知的障害のある人たちの日々が書かれているのですが、殺笑能力が高すぎ。代表であり著者の木ノ戸さんも自殺念慮の崖っぷちからサバイブした方。笑った後に考え込む一冊。

五悦その四 映画「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」

本当に誰か死んでそうなアクションが見どころの、殺し屋ムービー。妻が「初期のジャッキー・チェン思い出すわ」と言ってました。そのくらい体張ってる。そして主人公である女性二人のバディ模様。友愛、親愛、性愛、情愛。すべてが結晶した関係に、名前をつけるなんて野暮。U-NEXTで配信してます。

五悦その五 パレードイベント「東京トランスマーチ」

トランスジェンダーの認知と理解を広め、権利と安全を訴えるデモ。私は家族がトランス男性だったので、他人事と思えず。3月は娘と、11月は一人で沿道から応援しました。年2回やるパレードって珍しい。来年も娘を誘います。そんでパレードの後はパフェで感想茶会。彼女のお友達にもきっといるから。

カルチャーコンテンツに偏りすぎ。来年は、いろんなところに出かけたい。心療内科の先生にも「日常から離れたことすると、脳が喜びますよ」と言われたし。非日常の効能。サードプレイスって、心地よい孤独のことなんじゃないかと思ったり。


三会その一「RYOJIさん

瓶に手紙を入れて海に流したら、遠い国で受け取ってくれた人がいた。そんな気持ちでした。RYOJIさんからははいつも励まされています。学んでいます。そんでちょいちょい腹減ります。例えばこの記事とか↓。私は今年ほど「同性婚」や「マイノリティ政策」に重点を置いて選挙に行ったことはありませんでした。それもRYOJIさんの影響。熱は伝わる。伝わる自分を手放すな。伝えようとする自分にしがみつけ。それを思い出しました。ご面識はないですが、RYOJIさんにラブとピースと感謝を。ありがとうございます!と、除夜の鐘の音量で叫んでみる。書き続けます。

三会その二「心療内科医の先生」

心療内科って、先生との相性があるようで。心の深部に触れる診療なので、当たり前ではありますが。なので病院探しは最初から「三軒回ってその中から選ぶ」つもりでいると、かなり気楽になります。私は2軒目の先生に助けられました。状況証拠だけで、私の状態をズバズバ言い当てる。いわば名探偵。

三会その三「大分の子どもたち」

夏。知的障害のある子たちと遊ぶ機会が偶然重なりました。これが楽しかった。大変なことも沢山でしたが、それでも彼らは愛しい。子どもには一瞬たりとも同じ瞬間はありません。つねに移ろいながら成長している。私だってそうかも。彼らと私は似てました。だとすると、障害ってどの地点のことだろ。

今年はいろいろありました。いろいろない年なんてないのかもしれません。少なくとも、傷つかなかった一年など、世界のどこにもなかったのだと思います。

これを読んでくださっているあなたの年越しも、温かいものであることを願っています。
来年も、来年は、ハッピーなニューイヤーになるといいですね。はじめにハッピーありき。どうかよいお年を。

(おわり)

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