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Jack the Ripper

 2021年9月、日生劇場。

 推しの加藤和樹が刑事アンダーソンと切り裂きジャックの二役で出るのでは、応援に行かずばなるまい。まずはファンクラブの先行抽選にてチケットをゲット。さらに、和樹アンダーソンが観たくて一般発売にて追加購入した。

 観たのは以下の座組。

ジャック:堂珍嘉邦、アンダーソン:加藤和樹、ダニエル:木村達成

ジャック:加藤和樹、アンダーソン:松下優也、ダニエル:小野賢章 を2回、

ジャック:堂珍嘉邦、アンダーソン:加藤和樹、ダニエル:小野賢章 を2回。

 個人的には堂珍ジャック、加藤アンダーソン、小野ダニエルが好みだった。これに加えて配信もそれぞれのバージョンを観たが、生で観るのと配信で観るのとでは印象が異なり、加藤和樹ならどちらも好きだということがはっきりした(笑)。

 堂珍ジャックは激しく燃える熱いジャックで、狂気が前面に出ていてとっても不気味。加藤ジャックは冷たい怒りを帯びた恐ろしいジャックで、出てくると背筋が凍る。紳士の顔の裏に残虐非道な殺人鬼の顔がちらりと覗くところが怖さを際立たせていた。どっちのジャックも怖さと言う点ではいい勝負で、どっちも嫌!怖い!!と思って観ていた。怖いけどささやかれたい~と思ってしまうエリザベートのトートとはちょっと違うね... あ、でも、1回目に加藤ジャックを観たときはちょっとトートっぽいなと思って観ていたのだった。殺人鬼と死神では性質が異なるので、比べるのは変なのだが、ジャックを「死神」的に捉えていたというのがプログラムの加藤和樹のコメントにも登場しているので、感じ方としては間違っていなかったのかなと思ったりもする。

 アンダーソンは、とにかく加藤アンダーソンが渋くてかっこいい。広くて頼もしい背中、倦怠感と焦燥感と使命感が入れ代わり立ち代わり現れる表情、ポリーへの不器用な愛。きっと感覚が鋭すぎて、大都市ロンドンの刑事として街の暗部を深く知れば知るほどバランス感覚を保つのが苦痛になり、薬や酒なんかに手を出すようになったんだろうなと思った。

 松下アンダーソンはもうちょっと線が細くて、繊細かつ優しい感じだった。ポリーとの関係性ではポリーが姉さん女房的で、松下アンダーソンといると素直に優しくなれる感じ。歌がすごく上手くなっていて、高音がものすごくよく伸びたことに驚いた。松下くんもどんどん進化していて楽しみな役者ですな。

 ダニエルについては、もう、ルックスの話でしかないかも(笑)。小野くんの顔が好みなのよ。背が低いのが玉に瑕なんだけど。木村達成くんはね、顔がね、好みじゃないの。でも、一作品ごとに成長目覚ましくて、すごいなーと感心はしています。だけどさー。ダニエルは相当おぼっちゃんだよね、擦れてなさすぎというか、世間知らずというか。グロリアに一目惚れしちゃうし、後先考えずにつれて帰るとか言うし(連れて帰って、娼婦だってわかったらどんだけ苛められると思ってんの?!とマジで腹が立った)、自責の念からとんでもないことまでやっちゃうし。

 一途なのも困ったものだ。そういう困ったさんな雰囲気が、小野くんの方が強かった気がする。

 グロリアは、あのー、May'nさんしかいなかったんでしょうか?もうちょっと可憐で一目惚れされそうな女優を連れてこられなかったんでしょうかね。庶民の役は合っているけれど(『生きる』のときはとてもよかった)、色気のある役はちょっと無理なんじゃない?と思いましたです。そういえば初日の髪型、ちっとも可愛くないなと思っていたら、すぐにロングヘアに変えてたね...

 ポリーのエリアンナ!毎回毎回素敵でした。歌がうますぎる。スタイルもよい。「捨てられたこの街に」も、「ずっと昔の話」も楽しみでした。歌で泣かされることはありそうでなかなかないのですが、今回はエリアンナの歌に泣かされるのもまた楽しみの一つのようになってました。日本のミュージカルであそこまで歌える女優さんは貴重なので、これからもどんどん活躍してほしいです。

 田代万里生!モンロー!ゲス男!!!と連呼したくなるほど、楽しそうにはまって演じていたのでは??「もっと恐ろしい事件」と「特ダネ」で結構うなるので、喉が心配でしたが、後の方の回でも全然ガラガラになってませんでした、さすがです。田代万里生の美声が損なわれたら大変、と思っていたので、ほっとしました。いい役だけじゃなく、いろんな役をやって幅を広げてください、と思って観ておりました。それにしても、振り切れたゲスっぷりで素晴らしかったなぁ。

 今回、いろいろ周辺企画があって、ジャックは誰だ、で顔のパーツ当てるのとか、日比谷のローチケで缶バッチのガチャをやっていて、小野・木村のWキャストのチケットを揃えていくと1回引けるというので私は2回引けたのだが(あれ、そうすると上の方に書いた座組と回数が合わない(^^;)、出てきたのは小野ダニエルと松下アンダーソン... アンダーソンが掠っただけだった。掠っても仕方がないのよー!加藤アンダーソンと加藤ジャックが出てくれないと意味なーい!!!という結果に終わり、るんるんと楽しみにしていったわりには結果が思わしくなかった(涙)。

 キャストの人たちのツイッターやTikTokでのネタ会(?)も面白くて、キューピー人形を使ったネタ(古墳の話と、しりとり、号外しか言わないのにプロフェッショナルの答えだけ火曜日、とか)が特に面白くて毎回楽しみに観ていた。

 やっぱり、キャストの人たちも稽古や本番以外の時間もその作品を好きで楽しんでいるときほど、舞台そのものもより密度の高いものになっていく気がして観ていた。楽しんでいるなー、というのは客席にも必ず伝わるので。

 観る方もやる方も、作品への愛が大事よねー、とことに感じた作品でした。あんなにおどろおどろしい内容なのに、サントラが欲しいほどはまったのは、作品そのものの素晴らしさと、キャスト、スタッフ陣の愛を感じて、私も好きになったからだと思う。

 そして今、主催者様がCDを出してくださらなかったので、韓国版のCDを入手して日々ヘビロテしております。なんで日本版のCD化はないのだろう...

  いまからでもいいよー。

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