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外国語を話すことの愉しみとリラックス法

私の母語は日本語だから、日本語の言葉と感情がとても強く結びついている。一つ一つの単語には数え切れないくらいの言語的なつながりがあり、意識することの有無に関わらず、言葉を話すたびに、あるいは聞くたびに、背後で感情が揺れ動く。

対して外国語である英語やドイツ語で話そうとする場合、言葉と感情に強い結びつきはない。そしてこのために、私は英語を喋っている時に自分を客観視することができる。

押しつぶされそうに感じるような強い悩みを持つとき、その悩みを言語化することができればふっと楽になる、という人は多い。悩みの種を言葉にすることができれば、対処することもできる。言葉にできない場合、たとえば「怖い」「嫌だ」「困った」という原始的な感情が意識の中にあるのみであり、結果として論理的に考えることが難しくなるかもしれない。

一方、悩みを言葉にしょうとする過程で、言葉自体がまた負の感情を引き起こすことがある。言葉自体がそれぞれのイメージを持っており、その言葉を口にした瞬間に、それがトリガーとなって脳の中で様々なネットワークがスパークし、さらに自分を苦しめることにもなる。

外国語の持つ利点というのは、言葉が自分の感情から遠いゆえに、一歩置いた段階で自分を見つめることができる、ということにあると思う。悲しかった経験を話すとき、辛かった経験や怖かった経験を話すときなど、外国語で話す場合には、話しながらメルトダウンのような状態になってしまうことは少ないように思う。

また、自分自身の覚悟や夢、希望などを口にしたいと思っても、日本語だとやはり色々な枠があり、言葉にすることを躊躇うことがある。社会的な評価、社会的に適切な物言いなど、様々な目に見えない文化規範が自分を取り巻いており、そのために自然と言葉自体を慎重に選ぶし、その結果、言いたいことが言えなくなり、そもそも自分が何か言いたいことがあるのかどうかさえわからなくなる。

その意味において、私にとって外国語を話すというのは実用的に必要であるということのほかに、Blessing(恩恵)でもある。過去の悩みを言葉にして色々な人に聞いてもらうことで、どんなに自分が救われたことだろう。日本語では絶対に言えないような悩みを、不思議と英語であればサラッと口にすることができた。そして楽になった、と感じた。夢や希望、自分の思いを言葉にすることで、どんなに自分自身が勇気づけられただろう。言葉の持つ不思議さにいつも驚き、驚嘆する。

色々な人が色々なリラックス法を持っていると思う。私の場合は、英語での会話、あるいは英語でのメディア視聴である。これに勝る快楽はない。


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