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知命の親不孝娘は外付けキーボードと繋がりたい
タブレット用の外付けキーボードの具合がすこぶる悪い。
繋いでいるのに繋がっていない。
画面に出てくるキーボードで「ぽち・ぽち」と両手で入力しなければならない。
それでは、のろのろ過ぎて書けやしない。
書きながら書いているのに、書けやしない。
もう、書かなくていいかとさえ思えてくる。
頭もイタイ。
ねむい。
お母さんごめんなさい。
外付けキーボードが使えないだけで
こんなに萎えてしまう大人になりました。
人生に迷わなくなりました。
天命を知っています。
外付けキーボードと繋がりたいだけです。
もしかして、この腕と指先とキーボードを一体化させないと何もできやしないのではないか。
シナプスを放出して筋肉が反応しても、キーボード側が受容してくれない。
受容されなかった脳内物質は、頭痛や眠気を引き起こすばかりではなく、わたしを「親不孝の知命娘」に変質させてしまった。
しかし、何かがおかしい。わたしの中に僅かに残る「一般女性」が微かに何かを訴えている。
その訴えを聞き取るべく、全神経を集中させる。
──そうか! そうであった。
「親不孝の知命娘」は、外付けキーボードの調子が良いときでも、変わらずそうであったのだ。「親孝行の若息子」は、どこにもいなかったし、いまもいないのだ。
そんな事実に押し潰されないよう、想像をしよう。外付けキーボードがタブレットとうまく繋がってスイスイと入力できる、明るい未来を──。
頭痛と眠気は晴れないので、寝ることにした。
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