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【小説】「インベンションマン」001

◆あらすじ
 特進コース編入を控えた少女が、自らの死体を目撃する……斯様な光景から、物語は幕を開けた。
 一方、私立たまみらい学園では、特進クラスの女子生徒ばかりを狙った下着盗難事件が発生。
 学園相談室の室長・源無春都(みないはると)は、メンバーと共に事態の対応に追われる。
 また、秘密組織「インベンションマン」のリーダーとして、極秘の調査に乗り出す。
 その結果、犯人は人間離れした能力を持った異形の存在であることが判明。
 犯人は追跡の末に撃退されたが、その背後には更に不気味な黒幕の影が潜んでいた。



 少女は、絶句していた。

 目の前に、大きな血溜まりが広がっている。
 その縁が段々と近付いて来て、爪先に届くようになっても、彼女は一歩も動くことが出来なかった。

 紅い海の中に倒れている物体。
 それは、紛れもなく彼女自身だったからだ。

「嘘……」
 彼女は、ようやく掠れる様な声で呟いた。
(あれは私、どういう事!?)
(ここは、特進コースの教室よね?)
(編入試験に受かって、私が通う所よね?)
(なのに……何よこれぇ!?)

「失敗、か」
 不意に後ろから聞こえた声に、少女は飛び上がった。
 恐る恐る振り返ると、白いスーツに身を固めた40代位の男が、開け放たれたドアの柱にもたれ掛かっている。
「どうにも、ままならないものだな」

 咄嗟に、彼女は男の方に駆け寄っていった。
 そのまま早口でまくし立てる。

「違うの、わたし何も知らない。それにあれはわたしじゃぁ……」

 男は無表情なまま、怯えている彼女の肩にそっと手を掛けた。
 誰とはなしに呟く。
「まあ、いいか」
「え?」
 それが自分に向けられた言葉だと思った少女は、思わず顔をあげる。

 男は、口元だけを歪めた不自然な笑みを浮かべながら言った。
「今回から、『本物』を使うことにしよう」

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