クリタ グローバル化の夜明け【Kurita’s Archive Vol.4】
こんにちは!栗田工業公式noteです。
今回はかなり久しぶりとなってしまった【Kurita’s Archive】をお送りします。
これまでの3回は、クリタの創業から高度経済成長期における事業の拡大の歴史について取り上げました。Vol.4となる今回は、クリタのグローバル事業の始まりについてご紹介します。いまでは国内外に64のグループ会社を持ち、ワールドワイドに事業を展開しているクリタですが、その始まりは “地球の裏側”からでした。
始まりはブラジル:自分の足で踏み出す世界
時は1960年代。日本は高度経済成長の真っただ中でした。商社やプラントメーカーなど、日本の企業が次々と世界各国に工場を建設していきます。そこで必要となるのが「水処理」。国内では当時から水処理の技術を高く評価されていたクリタは、お客様の海外進出に引っぱられる形で、東南アジアや東欧、中南米へと水処理装置の輸出を開始しました。1965年にはメンテナンスのための拠点をタイに設置し、その後はオーストラリアやマレーシアなど、海外拠点を増やしていきました。
海外事業を着実に拡大していったクリタでしたが、「日系企業に引っぱられるだけではいけない」、「自分たちの手で開拓していこう」と、海外事業部を設立しました。貿易のバランスや重点市場などをじっくりと検討。その結果、白羽の矢が立ったのは、なんと地球の裏側・ブラジルでした。1975年、クリタとして初めてとなる海外事業会社、「クリタ・ド・ブラジル」が誕生しました。創立メンバーは、日本からの2人と現地採用の2人のみ。商社のオフィスの片隅に間借りして、小さな一歩を踏み出しました。

いきなりぶち当たった壁:厳しい輸入規制
しかし、船出から早々に試練が降りかかります。クリタ・ド・ブラジルの設立からわずか10か月、ブラジル政府が、インフレ対策として輸入規制を強化したため、日本から水処理薬品の原料を輸入することができなくなってしまったのです。このため、日本と同じクオリティの製品を、現地で調達した薬品で作らなくてはならなくなり、製造環境の整備が急務でした。
クリタにとっての幸運は、当時、水処理薬品の原料を共同開発していた日本の化学メーカーがブラジルに工場を持っていたことでした。そこで、クリタはこの化学メーカーに原料の製造を依頼。日本から技術者を呼び寄せ、化学メーカーの担当者と協力しながら薬品の配合量などの検討を進めました。そして、日本で培ったクリタの薬品調合などの技術や知見をブラジルに適応させていくことで、窮地を乗り切ったのです。

巨大プロジェクトへの挑戦:追い風をつかむ
クリタ・ド・ブラジルにとって、大きな転機は1977年でした。北東部の工業都市・カマサリに、石油コンビナートを建設する一大プロジェクトが立ち上がったのです。このプロジェクトには、ブラジル国営の石油化学公社を中心に、日本の企業も多く関わっていて、クリタは冷却水系で使用する防食剤(金属のさびや傷を防ぐための薬品)で声がかかります。国営石油公社は、ブラジル最大の潜在顧客。ここを取れば一気に道が開ける!クリタは2つの武器を持ってこのプロジェクトに挑みました。
当時のブラジルでは、クロム系の防食剤が主として使われていました。しかし、かつて多く使われていた「六価クロム」は、人体や環境への影響が大きく、日本では健康被害が社会問題化していました。このため、日本では「非クロム処理」が進んでおり、クリタはこの分野で大きな実績がありました。競合他社がクロムと非クロムの両面で提案する中、クリタは安全で公害の懸念のない非クロム一本で勝負しました。
さらに、お客様との密なコミュニケーションもカギとなりました。毎日現場に通ってサンプルを採取・分析し、適切な薬品の注入量などを提案する企業は、クリタのほかにありませんでした。お客様が抱えている課題やニーズを徹底的に分析し、顧客目線でソリューションを提案するクリタの営業スタイルは、この時代にすでに根づいていたのです。
こうした公害対策の先進性と、細やかな対応と技術力が高く評価され、世界の競合を抑えて大型プロジェクトを受注することができました。これをきっかけに、ほかの工場からの引き合いも増え、ブラジルでは当時、コンビナートの冷却水処理のおよそ7割を担うまでに成長しました。

クリタ・ド・ブラジルの経営が軌道に乗ったことで、クリタの海外事業は加速していきます。1978年にクリタ・シンガポール社、1980年にロンドンに駐在事務所を設置しました。そして、1989年には先進地域であるヨーロッパへの展開を目指して、ドイツにクリタ・ヨーロッパ社を設立。これにより、クリタの“自立した”海外事業の基盤が完成し、グローバル企業としての歴史が幕を開けたのでした。
現在のクリタグループは、さまざまな国と地域に事業拠点を置き、グローバルにビジネスを展開しています。若いうちから国際色豊かなチームと一緒に仕事をしたり、海外拠点に駐在したりすることもできます。
今回はクリタのグローバル事業の始まりについてご紹介しました。次回は実際に海外拠点で働いている社員がどんな仕事をしているのか、駐在員へのインタビューをお届けします。ぜひ次回もご覧ください!
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