ストーリーライティング|物語は「感動」ではなく「移行」である。古典から学ぶ人間心理の不可逆な構造
今日は、シェイクスピアの話をしたい。
私はシェイクスピアが大好きなので。
なかでもマクベスが好きだ。
(わけがわからないところがイイ…!)
(ラストのセリフを書きたいが、壮大なネタバレになるので控える…!)
でも今日はマクベスではない、マーケやコピーライティングに関係ある話をします。
■古典には人間の本質がある
シェイクスピアの時代は1600年代なので、今から420年くらい前の話になりますね。でも、古典ほど人の本能をゆさぶるものはないと思うんですよ。
でないと、後世まで残りませんからね。
だから私は古典音楽・クラシックや古典文学も好みますが、この話も長くなるので今回は置いておきます。
今日は『お気に召すまま』という喜劇の中で描かれた、「人間の一生・7つのステージ」について。
これは別に、心理学理論とかではないです。人生を舞台にたとえた文学的メタファーなんですが、マーケやコピーライティングにも結構応用がききます。
■この世はすべて舞台
シェイクスピアは言いました。
この世はすべて舞台
人は皆、役者である
つまり、私たちは人生のフェーズごとに、まったく違う役を演じている、ということ。コピーライティング的に言うとすると…
人は、人生の段階によって「欲しい言葉」も「刺さる価値」も変わる、ということ。
まず大前提です。
人は、商品が欲しくて動くのではないですよね。
何か今の自分や現状を変えたい、つまり
「今の役を終えたい」
「次の役に進みたい」
そうした内側の衝動によって動きます。
シェイクスピアの7段階はその意向を、極めてわかりやすく言語化してくれているんです。では、その7つを順に並べてみますね。
■シェイクスピアの人生7ステージ
1:乳児期(無力と依存)
守られる存在。自分では何も決められない段階。
・何が正しいか分からない
・誰かに決めてほしい
・判断基準を持っていない
→「これを信じていい」という前提づくりが必要
専門性・安心感、ナビゲーションが価値になる
2:学童期(ルールを学ぶ段階)
言われたことを守り、正解を探す。
・正解が欲しい
・失敗したくない
・型を求めている
→ 手順・テンプレ・チェックリストが刺さる
「まずはこれをやればOK」という導線が必要
3:恋する若者(可能性と自己探索)
感情が動き、世界が広がる。
・自分は何者かを探している
・共感、世界観、理想に反応する
・エモーショナル
→ 思想・ビジョンが最重要
「あなたは、こういう人です」という自己定義の提案
4:兵士(野心と競争)
成果、勝利、社会的評価を求める。
・早く結果が欲しい
・勝ち筋を知りたい
・他者との差を意識する
→ 実績・数字・再現性・スピード
ケーススタディとビフォーアフターが効く
5:裁判官(統合と意味づけ)
経験を積み、語る側になる。
・経験を整理したい
・自分の知恵を体系化したい
・説得力を持ちたい
→ フレームワーク・構造化・言語化
「あなたの経験には意味がある」という承認
6:老年期(縮小と手放し)
無理をやめ、軽く生きたい。
・もう頑張り続けたくない
・維持・安定
・自動化を求める
→ 仕組み化・引き算・継続設計
「やらなくても回る」未来の提示
7:第二の幼児期(役から降りる)
すべてを手放し、忘却へ向かう段階。
・自分の役割を誰かに渡したい
・遺したい、継承したい
→ レガシー・記録・物語化
本・思想・哲学として残す価値・完全継承
どうでしょう?面白いですよね?
こうしてみると、ビジネスの成長度合いともリンクしますし、マーケティング的な設計にも役立ちそうですよね。
ほら……
シェイクスピアをちょっと好きになってきたでしょう^^
■ビジネス的に役立てるには
この役を知ることがなぜ重要かというと…
「役から役への切り替わり」
このタイミングで人は道に迷いやすいから。
「なんか、もうやり切った気がする」
「でも次が見えない」
幕と幕のあいだ、みたいな。
なので、わたしたちが伝えるべきことは、「今の役」を肯定し、「次の役」を具体化し、安全に移行できる道を渡すこと。
多くの人が勘違いしているんですが、ストーリーテリングとは「感動させる話」ではないです。
本質は、これ。
1:今の役を言語化
「あなたは今、この役を生きていますよね?」
2:その役の限界を示す
「でも、この役ではここまでが限界です」
3:次の役を見せる
「次の幕では、こんな可能性があります」
4:移行の手段を渡す
「そのための道具が、これです」
これが、ストーリーとマーケティングの完全一致点。
ただストーリーが語れるだけではダメ。
ちなみに、書籍という手段は、この「役の移行」を体系的に伝えられるんですよね。段階的に導けるし、読者自身が内省できる。だから「次の幕に進める」感覚を持てる。そういう流れをつくれると読み手もスッと理解できるんです。
人は学びの段階でもこの7つのステージをたどります。
目の前の相手が今どの理解段階なのか。それを知るだけでも、伝えるべき内容は変わります。
そして、自分は今どのステージなのか?
それを考えてみてください。
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