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ライティングスキル|「つまらない文章」から卒業する、創造性の磨き方

倉田エリです。最近、電子書籍サポートをしていて、こんな相談を受けることが増えました。

「伝えたいことはあっても、言葉にすると平凡に見えてしまって…」
「なんか説明になっちゃって、つまらないんですよね」

わかります……。情報発信が当たり前になった今、ただ書くだけでは埋もれてしまう時代。そして、「何かを伝えよう」と思うと、どうしても「説明しなきゃ!」と思ってしまい、結果として「なんか、つまんないな……」という文章になっちゃうんですよね。

今回はそんな「つまらない」を打破する、ひらめきの源泉。
「創造性」の磨き方についてお話をしていきます。


■創造性=積み上げた先にある「ひらめき」

創造性って、「天才が突然すごいアイデアを思いつく力」みたいに思われがちですが、実はもっと地に足のついた、誰にでも宿っている力なんです。

創造性をネットで調べてみると、今ある知識や経験を、自分の中で組み合わせて、まったく新しい何かを生み出す力、のように書かれています。

さきほど「ひらめきの源泉」という表現を使いましたが、実は創造性って、何もないところから突然ポンッと生まれるものではありません。

たくさんの学びを重ねて、考えて、悩んで、「どうしたらもっとよくなるかな?」と思い続けた人のところに、ある日ふと降りてくるもの、という感覚。無から生まれるものではなく、熟成した先にあるもの、だと思っています。

イギリスの学者グラハム・ワラスによると、創造性のプロセスには次の4段階があるそうです。

①準備:たくさん学ぶ・深く悩む
②孵化:一度、手放す・寝かせる
③啓示:ある日ふと、ひらめきが訪れる
④検証:それをカタチにしていく

なんだか、パンを発酵させて焼くみたいですよね。

文章でも、アートでも、プロダクトでも、人が感動するのは、心を動かされたとき。創造性には、知識だけじゃなく、美しさに気づく力、感情を受け取る力も、すごく大切だと思います。

「この流れ、気持ちいいな」
「この言葉、なんか胸に残るな」

そうしたものに触れること。それが、まず第一歩になるのではないでしょうか。

■創造性を磨くためのステップ

とはいえ、「ピンとくるのは、センスや才能では?」そんな感覚もあると思います。

実は、創造的なアウトプットには明確なプロセスがあり、そのベースになっているのが、アメリカの教育心理学者ベンジャミン・ブルームが提唱した「認知領域の6段階」です。

今回はこの6段階を、文章力を磨くためのステップに落とし込んで解説します。


【1】Remember(記憶)

・知識を思い出す・覚える・列挙する

最初のステップは、「とにかくインプットする」こと。

・印象に残った言葉をメモする
・読んだ本の名フレーズを抜き出す
・気に入っている言い回しを思い出す

ここで大事なのは、「何を感じたか」までセットで記憶すること。

ただの知識の丸暗記ではなく、「なぜこの表現に惹かれたのか?」「なぜこの構成が心地よいのか?」まで意識を向けると、感性の貯金ができます。最初は「なんだか懐かしい」とか「大人っぽい」とか、簡単な言葉でいいので、感じたことをメモしておくのがおすすめです。


【2】Understand(理解)

・意味を説明する・要約する

次に、得た知識を「自分の言葉で説明してみる」こと。

・他人の投稿や記事を要約してみる
・書かれていたことを誰かに話してみる
・一言で言うならどうなる?と考えてみる

ここで育つのが、読解力と要約力。この段階を飛ばすと、「読んでいるのに書けない人」になりやすいので注意です。たとえば、読んだ本の要約をSNSに投稿するのも、いい訓練になりますよね。


【3】Apply(応用)

・実際に使ってみる・置き換えてみる

理解したら、今度は自分のテーマやジャンルに置き換えて使ってみる。

・気に入った構成で、自分のストーリーを書いてみる
・誰かの比喩を、自分のエピソードで使ってみる
・ノウハウ系なら、自分の専門ジャンルで展開してみる

私も大学の講義で執筆の課題が出たときは、好きな小説家さんがよく使う比喩や語尾をマネしていたものです……(今思うとちょっと恥ずかしいですが、あれが確実に力になって今があると思います)。

創造性は、「ゼロから生み出すこと」ではなく、自分の経験や世界観で再構成する力。知っている言葉をスライドさせて、日常で使ってみましょう!


【4】Analyze(分析)

・分解して、関係性を考える・構造を読み解く

ここまで来たら、「なぜ響いたのか?」を細かく分析してみましょう。

・文章のどの部分に感情が動いたか?
・どんな順番で話が進んでいたか?
・構成やテンポにどんな意図があるか?

これは、読者としての視点から”書き手の頭”になる訓練。創造性のある文章を書く人ほど、「感覚」だけでなく「構造」を意識しています。つまり、「エモい」だけじゃ足りないんです。

本をたくさん読んでいると、「まえがきって、だいたいこういうこと書いてあるよな」「あとがきってこんな感じなんだ」と、共通点が見つかるはずです。私の出版講座のカリキュラムも、そうした気づきをたくさん取り入れています。


【5】Evaluate(評価)

・自分の文章や他人の表現を判断する・価値づけする

この段階では、書いた文章を“読者目線”で読んでみることが大切。

・この文章は、誰にとってどんな価値があるか?
・誰が読んでも伝わるように書けているか?
・どの部分が伝わりにくい?冗長?共感されにくい?

ここで必要なのは、「批判」ではなく「改善」の視点。創造性は、『内なる編集者』を育てることでさらに磨かれます。誰かに見せてフィードバックをもらうのもおすすめです。


【6】Create(創造)

・自分の文体・構成・世界観でアウトプットする

ここまでの5段階を経て、ようやく最後のステップが「創造」です。

いきなり創造しようとすると、空回りしたり、空っぽになったりします。でも、段階を踏めば、必ず自分にしか書けない文章にたどり着くはずです。

・他人の言葉じゃなく、自分の言葉で
・見せかけの正しさではなく、ほんとうの想いで
・知識ではなく、体験をベースに

これこそが、AIには真似できない「人の文章」。


■創造性をはぐくむために

最後に……逆に、創造性を止めてしまうものについても触れておきますね。

それは、「こうあるべき」という思い込み。

「ちゃんとしなきゃ」
「間違えちゃいけない」
「自分には無理かも」

そんな思考のクセがあると、自由に想像する余白がなくなってしまうんですね。

だから、頭の中を自由に、リラックスして、楽しみながらぜひ取り組んでみてほしいです。これは私も人に言われて気づいたんですが、今の時代、「SNSとかで発信するのってなんだか恥ずかしい」と思ったとしても、別にあとから消せばいいだけの話ですから(だいたいみんな忘れてます)。

創造性はスキル。段階を踏めば誰でも辿り着けるもの。感性を磨き上げるためには、構造的なステップも必要になってきます。その流れを自分の中でくり返すたびに、言葉は磨かれ、あなたらしい「創造的な文章」になっていくはずです。

焦らず、丁寧に、ひとつずつ。楽しみながらやってみてくださいね。


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