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子どもの睡眠③-昼間の集中力にも影響する睡眠時無呼吸症候群(OSA)閉塞性睡眠時無呼吸

📖 睡眠シリーズ
① 子どもに必要な睡眠時間
②小児不眠症
③閉塞性睡眠時無呼吸症候群(今回)
④パラソムニア
⑤睡眠相後退症候群
⑥ むずむず脚症候群

閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea; OSA)

メディアで取り上げられたりして大人の病気としても知られているので、名前は聞いたことがある方も多いかもしれません。

「子どもが寝ているときに、いびきをかいている」
「朝なかなか起きられない」
「学校で集中できない、落ち着きがないと言われる」

こうした様子の背景に、睡眠中の呼吸の問題が隠れていることがあります。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は大人の病気と思われがちですが、子どもでも約1〜5%にみられる決して珍しくない病気です。


しかし子どもと大人では症状の出方が違うことに注意が必要です。
子どもでは、大人のような強いいびきや眠気ではなく、口呼吸や集中力低下、落ち着きのなさなどがきっかけになることがあります
児童精神科の診療では、「落ち着きがない」「集中できない」「学校で眠そう」といった相談の背景に、睡眠の問題が隠れていることがあります。

今回は、この睡眠障害について解説します。

閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea; OSA)

睡眠中に上気道(空気の通り道)が狭くなったり閉塞したりすることで、呼吸が一時的に止まったり、呼吸が弱くなったりする状態を閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)といいます。

典型的なのはよくいびきをかく人が、寝ている最中に数秒間呼吸が止まっているというケースです。
大人では特に肥満の人に起きやすく、自覚のないまま寝不足で日中の眠気などにつながりやすい病気です。
大人の場合、OSAでは「昼間の強い眠気」が代表的な症状になります。
しかし子どもでは眠気として現れることは少なく、むしろ「落ち着きがない」「集中できない」「イライラしやすい」といった行動面の変化として現れることがあります。
子どもの場合、もちろん肥満もリスクになりますが、扁桃腺とアデノイドの肥大などによる、気道の狭さが原因なことも多いです。

いびきで気付かれることが多いですが、いびきが出ないこともあります。

子どもの気道は大人に比べて細い構造をしています。
そのため、子どものいびきは比較的よくみられ、健康な子どもでも約3割弱がいびきをかくといわれています。
しかし、毎晩のように続くいびきや、睡眠中の呼吸停止、口呼吸、日中の集中力低下などを伴う場合には注意が必要です。


病歴や問診だけで判断するのが難しいため、診断に睡眠ポリグラフ検査(睡眠中の呼吸や脳波などを調べる検査)が用いられます。
この検査で、睡眠の深さ、時間、血液内の酸素量、無呼吸の頻度などを調べることができます。

OSAの人は、いびきの他、鼻閉、口呼吸、日中の眠気、夜間の発汗、朝の頭痛、集中力の低下、注意力の低下、気分の落ち込みが症状としてみられます。成人に比べると子どもは日中の眠気が出にくいともいわれています。

アデノイドや扁桃が大きくなりやすい2-8歳の間に発症することが多いです。
放置すると行動障害、注意力の低下、情動調節障害、学業成績の低下、夜尿症、成長障害、重症例では、まれに肺高血圧症など循環器への影響につながることがあります。

治療として、アデノイド(鼻の奥にあるリンパ組織)や扁桃腺を摘出するアデノイド口蓋扁桃摘出術が行われます。


実際に手術するかは睡眠ポリグラフ検査などをして重症度などから決定されます。子どもに気になる症状がある場合は一度検査のできる医療機関に相談することをおすすめします。

子どもの「落ち着きのなさ」「集中できない」「朝起きられない」といった問題は、発達特性だけでなく睡眠の問題が関係していることがあります
気になる場合には、日中の様子だけでなく睡眠の状態にも目を向けることが大切です。

参考文献

  1. Marcus CL, et al.
    Diagnosis and Management of Childhood Obstructive Sleep Apnea Syndrome.
    Pediatrics. 2012;130(3):e714-e755.
    doi:10.1542/peds.2012-1671

  2. Meltzer LJ, et al.
    Sleep Health in Children: Recommendations and Future Directions.
    JAMA. 2023.
    doi:10.1001/jama.2023.22114

  3. 厚生労働省・日本小児科学会関連資料
    健康づくりのための睡眠ガイド2023
    https://www.jschild.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/健康づくりのための睡眠ガイド2023-.pdf

  4. 西野精治
    睡眠時無呼吸症候群について
    『学術の動向』15巻4号
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/15/4/15_4_4_34/_pdf/-char/ja

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