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小さな宇宙

実は私も
この果てない宇宙の一員です
こんなちっぽけな私でも
悩むことだってあります

たいていは
瞬く間に消えてしまうような
ちっぽけな悩みです


さて第1回目のお題はぐいのみ、星空作ります。
削りの工程はほとんど3段階だけなのでわかりやすいと思い選びました。(流れ星だけ7段階)
どう育つか見てくださいね。

大それた目論見

覗き込むとそこに広がる宇宙、手のひらで転がす宇宙。
そんな大それたぐいのみを作るなんて、まあ無理でしょう。
目標は目標ってことで。
それっぽいのを作ります。

小さな宇宙 デザインレシピ
小さな宇宙 デザインレシピ

せ色は青藍せいらん

このぐいのみのベースのガラスはクリア(透明)で、外側に被せられたガラスは明るい藍色です。青藍と呼ばれているとてもきれいな色です。

直径約60㎜、高さ約60㎜、青藍外被せ
直径約60㎜、高さ約60㎜、青藍外被せ

外側の表面を削っていき青藍の層が無くなると、クリアなベースが見えてきます。しかし砂で削ると擦りガラスになるので、クリアという名前ではありますが乱反射で白っぽく見えます。

つまりこのグラスに作る絵には、簡単な工程で3色使えます。ツヤのある青藍(まったく削らずに向こうが透けて見える状態)、マットな青藍(砂で少し削ってツヤが無くなった状態)、(被せ色が無くなるまで削った状態)です。
これに削りの度合いを調節して作るマットな青藍の濃淡、白の部分を段階分けして削る深さに差をつけて作るモノトーンの立体感を加えていくことができます。

マットな青藍の濃淡
マットな青藍の濃淡
星を段階分けして削って立体感を出す
星を段階分けして削って立体感を出す

ネガとポジとその先

基本の柄入れは版画に似ています。色の残る部分と、削り取ってしまう部分の二つで作ります。フィルムのネガとポジのようでもあります。
今回は星を削ってくして、周りは青藍を残して夜空にします。それだけでもかわいいデザインになりそうです。

星を削るために緑色のシートをはがします内側から見ると削った状態の雰囲気がつかめます
星を削るために緑色のシートをはがします
内側から見ると削った状態の雰囲気がつかめます

しかしその基本の2色だけでは奥行き感は出ない。その先を考えないと……
そこで、流れ星の軌跡や渦巻ラインには青藍の濃淡を使い、大きめの星はデザイン化してモノトーンの立体感を使う計画を考えます。

目が合うと美しい

この作品制作の一番の難関は、この段階分けした星のカットかな。
たくさんの直線が交差する中心点や角がずれていては美しくない、形にならない……細かい切れ目をきちんと合わさなくては。
そう、日々の生活でもきちんと合わさないとね。話を聞くときはもちろん、ここぞという場面で、目をね。きちんと目が合うと、美しい形が生まれるものです。
さて、パーツが細かいので角がきちんと合うようにカットするのに集中力と眼力が要ります。目薬を準備して頑張ります!

さなぎが蝶に

目がしぱしぱになる星のカット作業が終わり、削る前の最後の工程です。
隙間という隙間をガムテープでふさぎます。柄をふさいでしまわないようにチマチマと、後で泣かないようにコツコツと、です。

ガムテープでしっかり目貼り
ガムテープでしっかり目貼り

数段階に分けて削る場合、1段目以外のパーツはシートに切り込みだけ入れておきます。そして次に削る場所のシートを剥がすときにわかるように油性ペンで塗っておきます。赤ペン先生の出番です。

油性ペンで切り込みを塗ります
油性ペンで切り込みを塗ります

こんなふうにシートやテープをガチガチに貼られて、みすぼらしい様子です。これが削り終わってシートをはがす瞬間は、まるでさなぎから美しい蝶がでてくるようです。

1段目を削り終わって2段目のシートをはがした
1段目を削り終わって2段目のシートをはがした
2段目を削り終わった
2段目を削り終わった
流れ星の4段目を削り終わった
流れ星の4段目を削り終わった
流れ星も削り終わりさなぎを卒業全体のシートを脱ぎ捨てて蝶のように登場
流れ星も削り終わりさなぎを卒業
全体のシートを脱ぎ捨てて蝶のように登場

全体を削る

青藍をツヤのまま残すのもきれいですが、吸い込まれるようなぼかしのラインを入れたかったのでツヤを無くして全体をマットにします。そのほうが覗き込んだときに向こう側が透けずに落ち着いた雰囲気になる……はず……。
(^^;)
それなりに経験値あるのでだいたいの想像はつきますけどね、でも一度砂をかけたところはもう元には戻せませんから、迷うときもあります。
人生は選択の連続、迷ってなんぼ!

外側全体に砂をかけてマットに

あとは渦巻き模様になるように藍色を削れば出来上がり……なのにここに来てなんと第二の難関! 底にかけてカーブがあり距離感がわかりにくいのと、底の角の部分の色を抜きすぎないようにするために、超慎重に削る必要が……。
しかもこういう微妙な削り作業は砂の出方や感覚が変わらないように一気にやらないと。頑張れ私の腕筋&首筋! 頑張れ私の集中力!

で、渦巻きもできて覗いてみたら、まあまあきれいな出来! 自画自賛。
全体をマットにして良かったな🍀


渦巻きぼかしを入れて、水洗いしたらちょっとした美人!
上から覗き込むとこんな渦巻きです

完成まであと一歩

私の作業はここまで。あとは専門の業者に仕上げ加工をしてもらって完成です。サンドブラストしたままのガラスの表面は、手油などの汚れが付きやすく、また落ちにくいです。仕上げ加工をすることで表面が滑らかになり汚れを防ぐことができます。

仕上げ加工前 表面が粉っぽい
仕上げ加工前 表面が粉っぽい

仕上げ加工が終わり戻ってきたグラスは、削る前のようなツルツルにはなりませんが、ざらついた感じだった表面に少しツヤが戻ってしっとりした感じになります。

仕上げ加工後 少しツヤが戻った感じ
仕上げ加工後 少しツヤが戻った感じ

飲み過ぎ注意!

ご覧の通り、このぐいのみは渦巻き状のぼかしが特徴で、つい覗き込んじゃいますよね。もしかすると、この渦巻きが視覚に影響して、いつもより速く酔いが回るのではないかと想像しちゃいます。
とにもかくにも飲み過ぎにはご注意くださいませ。
(完成した作品写真をタップすると詳細ページへ行きます。)

完成した「小さな宇宙」
完成した「小さな宇宙」

さて、次回はロックグラスに花を咲かせます。
せ色は明るめの紫色で、ベースはネオジウムという素材です。
どんな花が似合うか想像してみてくださいね。

ロックグラス(BV、N)

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