第二章|劣等感だらけの僕を救ってくれたのは、筋トレだった
身体が変わり、少しずつ自信が生まれた。
そして、ある日手にした雑誌がきっかけで、僕の世界は大きく広がり始めた。
筋トレだけでは満足できなかった僕が、
ボディビルという競技に出会い、人生が一変した瞬間の物語。
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身体が変わった
あれから毎日、がむしゃらにやっていた。
それでも、身体は確実に変わってきた。
ちょっとずつ胸が厚くなって、腕が太くなって、腹筋が割れてきて――
その小さな変化が、自信に変わっていった。
最初はダンベルしか持ってなかったのに、
いつの間にか他の器具まで集めて、プロテインまで飲むようになった。
気づけば、自分の部屋はトレーニング器具で埋め尽くされていた。
誰に言われたわけでもない。
自分で見つけて、自分で始めて、こんなに夢中になれたことなんて、今までなかった。
単純に嬉しかった。
これまでずっと感じていた劣等感が少しだけ和らいだ気がした。
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ボディビルとの出会い
中学2年のある日。
いつものように立ち寄った本屋で、ふと目に入った雑誌があった。
「月刊ボディビルディング」
それが、僕が“ボディビル”という競技を知った最初の日だった。
ちょっとマニアックな話になるけど、
その月は**「2002年ミスターオリンピア特集号」**。
世界一のボディビルダーを決める大会の特集号だった。
普通なら「気持ち悪い」と感じるのかもしれない。
でも僕は違った。
「どうやったらこんな身体になれるんだろう?」
最初に浮かんだのは、その純粋な好奇心だった。
立ち読みじゃなくて、家でじっくり読みたい。
だけど、ちょっと買いにくい…。
結局、普通の本を上に重ねるという“エロ本を買う作戦”でレジへ持っていった(笑)
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新たな世界に
そこから、僕の世界は一気に広がった。
月刊ボディビルディング
アイアンマン
マッスル&フィットネス
ボディビル関連の雑誌を、片っ端から読んだ。
読めば読むほど、のめり込んでいった。
トレーニング内容もどんどん進化していって、
それに比例して、身体もどんどん変わっていった。
モチベーションを上げるために、ビデオまで買った。
「ミスターオリンピアへの道」
世界一の大会に出場する選手たちのトレーニング映像が収録されている。
当時、日本でこのビデオを観ていた中学生は、間違いなく僕だけだと思う。
それくらいマニアックなビデオだった。
そのビデオに映るトップ選手のトレーニングシーンを見ながら、自分もトレーニングしていた。
急に親が部屋に入ってきたときは、AVを見てたみたいな気まずさがあった(笑)
むしろ、親からしたらそっちの方がまだ健全だったかもしれない。
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筋肉キャラ
そうこうしているうちに、学校でも少し注目され始めた。
夏のプールの授業。
自信満々でプールサイドを歩いた。
先生にも「筋肉すごいな!」って褒められるし、
友達からの視線が気持ちよかった。
特に女子からの(笑)
何もなかった自分に色がついたような気がして、嬉しかった。
自分の居場所を見つけられた、そんな感覚だった。
勉強ができなくても、運動神経がよくなくても、
「俺にはこれがある」って思えた。
将来にどうつながるかなんて、当時は全然わからなかったけど――
それでも不思議と、根拠のない自信があった。
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夢の場所
ここまでくると、やっぱりジムに通いたくなる。
そして、ついに見つけた。
「ゴールドジム仙台」
雑誌やビデオで見た“筋トレの聖地”だ。
でも、入会資格は16歳以上。
中学生の僕はギリギリ入れなかった。
「どうしても入りたい」
その想いを親にぶつけた。
そして――
中学を卒業して、高校入学前の春休みから、ゴールドジムに入会した。
初めてゴールドジムに足を踏み入れたときのことは、今でも忘れない。
まるで、**「ディズニーランド」**だった。
雑誌や映像でしか見たことのなかったマシンが、ずらりと並んでいた。
家でのトレーニングには限界を感じていたからこそ、
その光景が夢のようで、これからの自分に期待しかなかった。
僕にとっては、高校に入ることよりもジムに入ることの方が、
本当の意味での「新生活」の始まりだった。

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