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第五章|これは運命だと本気で思った

自分がボディビルの大会に出場を決意した年に、
日本で初めて高校生日本一を決める大会が開催されるなんて…。

これはもう、運命だとしか思えなかった。

当初は「宮城県ジュニアボディビル選手権」に出場予定だったけれど、
すべてをかけて「全国高等学校ボディビル選手権」に集中することにした。

自分がボディビルの大会に出るなんて、正直、全然実感が湧かなかった。
中村さんに「可能性がある」と言われたけれど、
全国の高校生と戦うとなると——
どんな奴が出場してくるのか?
自分がそこで通用するのか?
不安が、どんどん頭をよぎった。



でも、なにより怖かったのは、
これは**人生で初めて「自分からやりたいと思ったこと」**だったから。

  • 自分に自信をつけてくれた筋トレ

  • 自分の居場所をつくってくれた筋トレ

  • 心から続けたいと思えた筋トレ

それを、自己満足で終わらせたくなかった。
孤独も、偏見も、全部ひっくるめて。
ここで「自分」を証明したかった。



だからこそ、負けるのが怖かった。
もしも惨敗で終わったら、
これまでやってきたことは全部、ただの自己満足。
ただ人より筋肉があるだけ。
そんな風に思われるのが、本当に怖かった。



中村さんに、この気持ちを伝えようと思った。
…だけど、なんかかっこ悪くて言えなかった。
だから、さらっと訊いた。

「僕、全国で通用しますかね?」

すると中村さんは、こう答えた。

「通用するかどうかは、当日にならないとわからないわよ。
当日までに、“もうこれ以上はできない”って思えるくらい努力するしかないの。
そうすれば、結果がどうであれ後悔はしないはずよ。」



そうだよな。
やるしかないんだよ。
うじうじしてんなよ、俺。

中村さんの言葉で、完全にスイッチが入った。



減量スタート

2006年9月24日。

この日に向けて、6月から減量がスタートした。
約4ヶ月の減量期間。

ちなみに減量前の体重は——
98kg(ただのデブだ笑)

当時はめちゃくちゃ食べてたし、まぁ当然だけど…。
でも、トレーニングは本気で追い込んでた自信があった。

自己流でやってた頃とは、明らかに体つきが違う。



減量メニュー(記憶ベース)
朝: 目玉焼き3個+納豆1パック+ご飯200g
→ 朝はお腹がぺこぺこ

間食: プロテイン50g
→ いつも通り

昼: 鶏肉200g+ブロッコリー+ご飯200g
→ 隣でカツカレー食べている友達を殴りそうになる

間食: プロテイン50g+おにぎり1個
→ トレーニング前の腹ごしらえ

トレ後: プロテイン50g
→ 今日も頑張りましたの一杯

夜: 鶏肉200g+ブロッコリー
→ 少なっ!

就寝前: プロテイン50g
→ おやすみ〜

※夜ごはん食べてお風呂に入ってからのダイエットコーラが唯一の楽しみ



最初は炭水化物量の調整と、
小麦類(揚げパン・ベーグル)のカットからスタート。

これが、想像以上にきつかった…。

日常生活はなんとかなるけど、
トレーニングがめちゃくちゃキツくなった。



理由はシンプル:エネルギー不足

筋トレのエネルギー源は糖質(筋グリコーゲン)。
糖質が少ないと、パフォーマンスが落ちる。

つまりこうなる
・体がだるい
・一歩が重い
・力が入りにくい
・バテやすい
・パンプしにくい

初めての減量だったから、余計に感じた。



中村さんに弱音を吐いても、
「そう?」
って軽く流される(笑)

僕:「いや〜僕の気にしすぎですかね〜」

このやり取りで、弱音は封印された。

そして、泣きつく先は…氏家さん(笑)
だいたいこの流れだった。



でも、自分に言い聞かせた。
これが、“大会に出る”ってことなんだ。



2ヶ月経つころには、かなり体も絞れてきた。

体重も10kg以上減!
(※皆さんこれは良くないペースですからね)

でも当時の僕には関係なかった。
余計なことは考えず、与えられたメニューをひたすらこなす。

中村さんの定期的なボディチェックでも何も言われなかったということは、
最初が相当デブだったってことだ笑



追加メニュー:有酸素運動

3ヶ月目からは、トレーニング後にトレッドミルで1時間ウォーキング。
これがまた…なかなかの苦行。

最初はテレビ見たり、本読んだり、音楽聴いたりしたけど、
キツすぎて何も入ってこない。

結果、足元を見つめて無心で歩く。
これが一番ラクだった。



最後に立ちはだかったのは「ポージング」

筋肉をつけても、脂肪を削っても、
それを最大限に表現できなかったら意味がない。

ボディビルにとって、「ポージング」は超重要。

でも——
これが本当に、難しかった…。

必要なのは、筋肉を“動かす”ことじゃない。
筋肉を“コントロールする”こと。

そこに、また新たな壁があった——

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