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第六章|「俺、ボディビルやってるんだ」って言いたくて

6月からスタートした減量も、8月になり3ヶ月目に突入。

エネルギー不足でも限界まで追い込むトレーニング。
足元を見つめながら無心で歩く有酸素運動。
そこに「ポージング」が新たに追加された。

…あ、あと日焼けも(笑)。

ボディビルの審査基準

ボディビルでは、以下の3点で審査が行われる。

  1. バルク(筋量)

  2. ディフィニッション(いかに脂肪がなく筋肉がよく見えているか)

  3. プロポーション

大きな筋肉を持っていて、さらにきちんと脂肪を落とせているかが勝負の分かれ目。
しかし、それだけではダメで、ウエストが細く、逆三角形のシルエットであることも重要。

ただ大きいだけでは勝てない。
それもまた、ボディビルの奥が深いところ。

それを表現するのが「ポージング」

トレーニング後、上裸になって猛特訓。
全身に力を入れた状態で、笑顔でキープ。
これが想像以上にきつい。

そして何より難しかったのが、筋肉のコントロール。

特に、**大腿四頭筋(前もも)**のカットの出し方のコツがなかなか掴めず、泣きそうになることもあった。

中村さんの定期的なボディチェックでも、

「それでいいと思う?」

この返しが一番こわかった(笑)

でも、繰り返しやることで少しずつコントロールの仕方がわかってきた。

ポーズの完成度が上がってくると、
ステージ上での自分の姿がイメージできるようになって、
少しずつ自信がついてきた。

そして、次に待っていたのが「日焼け」

ボディビルにおいて日焼けが必要な理由。
それは、大会での視覚的な印象を良くするため。

肌が黒くなることで、筋肉の凹凸や陰影が際立ち、より立体的に見える。

当時は、ギャル・ギャル男文化の終盤
世の中が「清潔感」や「キレイめ」を取り入れ始めた頃。

そんな時代に逆行して、人生初のタンニングマシン(笑)

でも、もともと地黒だった僕は赤くなることもなく、問題なくクリア。

放課後のルーティン

ジムに着いてからの流れは、こうだった:

  • トレーニング(1時間半〜2時間)

  • ポージング(30分〜1時間)

  • 有酸素運動(1時間)

  • 日焼け(週1〜2回)

終わるのは21時近くになることもあった。
高校生の体力ってすごい(笑)

当時のゴールドジムはクリスロードという商店街の中にあって、
帰り道には、他の高校生たちが遊んでいる姿や、
カップルがいちゃいちゃしている姿が見えた。

「何も思わなかった」なんて言うと、それは嘘になる。

ジムの中では、みんなが応援してくれる。
だけど、一歩外に出ると、自分のやっている競技を自信を持って言えなかった。

大会に向けてがむしゃらにやっているのに、
その“しがらみ”が頭をよぎるたびに、立ち止まりたくなる。

「このままずっと言えないのか?」

いや、違う。
僕が結果を出せば、それは“自己満足”じゃなくなる。
世の中に、形として結果を示せる。

そしたら、初めて言えるかもしれない。
「俺、ボディビルやってるんだ」って。

大会まで、残り1ヶ月。
全てを、出し切るだけだ。

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