「居場所がなかった僕が、“日本一の高校生”になるまでの話」
今では、筋トレは誰でも気軽に始められる時代になった。
SNSには理想のボディを発信する人があふれ、コンビニ感覚で通えるジムも、街のあちこちにある。
でも──僕が筋トレを始めた15年前は、もっとずっと、「一部の人だけの世界」だった。
そんな時代に、誰よりも自信がなかった僕が、なぜかダンベルを握りしめていた。
それは、ただ強くなりたかったわけじゃない。
ただ、どこかに“自分の居場所”が欲しかったんだ。
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なぜ今、筋トレがここまで広がったのか
近年の“筋トレブーム”には、いくつかの背景がある。
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1. 健康志向の高まり
高血圧や糖尿病、肥満など「生活習慣病」予防に筋トレが効果的
中高年層にも「フレイル(虚弱)予防」として注目
「老後のために貯金だけでなく、筋肉も貯めるべき」という考え方が浸透
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2. ボディメイク文化の普及
「細い」より「引き締まった」「健康的なカラダ」が理想に
SNSで美ボディを発信するインフルエンサーの影響大
フィットネスモデルやYouTuberの登場で、憧れが現実に近くなった
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3. 科学的根拠の広まり
筋トレによるメンタル改善(うつ予防・幸福感UPなど)が注目
「筋トレ=ダイエットにも最適」というエビデンスが一般化
昔のように「ムキムキ=男だけのもの」というイメージが減った
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4. 手軽に始められる環境の整備
24時間ジム、パーソナルジム、自宅トレの選択肢が増加
YouTubeやアプリで無料で学べる時代に
「ながら筋トレ」や「宅トレ」など、ライフスタイルに組み込みやすい
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5. コロナ禍による価値観の変化
在宅時間の増加→自分の体と向き合う時間が増えた
「免疫力を上げたい」という思いからの運動習慣の見直し
健康のありがたみを実感し、「自己投資」としての筋トレが浸透
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でも、僕の話は──これよりもずっと、ずっと前の話だ。
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何をやっても続かない
子供の頃から、思い出せるだけでも、たくさんの習い事をしてきた。
体操、空手、水泳、野球……
本当に、いろんなことをやらせてもらった。
少しでも自信を持ってほしいとか、何かに夢中になってほしいっていう、親なりの願いだったんだろうなって、今ならわかる。
でも当時の僕は、その気持ちに応えられなかった。
どれも長くは続かなかった。
「また辞めるの?」って言われるたびに、申し訳なさと、どうして続けられないんだろうっていう、自分への情けなさでいっぱいだった。
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未来が少し怖かった
中学に上がる頃には、周りの友達はそれぞれの道を見つけ始めていた。
部活に打ち込むやつ。
受験勉強に夢中なやつ。
将来の夢を語れるやつ。
羨ましかった。
みんな、ちゃんと自分の居場所を持ってる気がした。
その横で、何も見つけられない自分がいた。
このまま大人になったら、どうなるんだろう。
そんなふうに思うたび、未来が少し怖くなった。
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ヒーローとの出会い
そんな時だった。
テレビで「筋肉番付」という番組が放送されていた。
プロのスポーツ選手や一般参加者たちが、スポーツをもとにした競技で、体力と技術の限界に挑戦するという番組。
その中に、ケイン・コスギという存在がいた。
彼が、僕の人生で初めての“キーパーソン”になった。
なぜ惹かれたのか、正直、今でもうまく言葉にはできない。
でも、あの時の僕には、彼がまるでヒーローのように見えた。
かっこよくて、爽やかで、強くて。
今の自分とは正反対だった。
「こんなふうになれたら、何かが変わるかもしれない」
頭で考えるよりも先に、身体が動いていた。
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小さな一歩を踏み出した日
本屋で彼が監修したトレーニングバイブルを見つけ、
その勢いでスポーツ量販店に駆け込み、ダンベルを買った。
リュックの底が破れそうなくらい重たくて、
自転車でふらふらになりながら家に帰った日のことを、今でもはっきり覚えている。
大変だったけど、“自分で選んだもの”を背負っているということが、なんか嬉しかった。
それから毎日、ひたすら本の通りに身体を動かした。
「筋トレして、筋肉がついたからって、何になる?」
あの頃の僕にだって、そんなことはわかってた。
何も変わらないかもしれない。
でも、初めて「続けたい」と思った。
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始まり
あの時、僕はまだ、自分が「日本一」になるなんて想像すらしていなかった。
大会に出るなんて考えたこともなかったし、筋トレを通して、人生が変わるなんて思いもしなかった。
でも、たしかにあの日、僕の人生は動き始めた。
その小さな一歩が、後のすべてを変える始まりだった。

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