【NotebookLM】プレゼン台本とスライドを秒速でつくる
プレゼン準備に欠かせないパワポですが、NotebookLMの進化により、最近はほとんど出番がなくなってきた…という方が増えています。私もAIを使ったプレゼン準備について聞かれることが増えたので、今日は手順をまとめてみます。

これまでプレゼンの準備と言えば、はやい人でも台本を書くのに1日、スライド作成にさらに2-3日かかっていました。しかしNotebookLMを使えば、制作時間が短縮できるだけでなく、初めて取り扱うテーマでもクオリティの高いスライドや台本を作ることが可能になりました。
ここで、NotebookLMとは、Googleが提供しているAIノートツールです。PDFやWordなどの資料を読み込ませると、その内容に基づいて文章を生成したり、スライドを組み立てたりしてくれます。資料さえ準備しておけば、台本もスライドも30分ほどで揃えられる、というのが今回紹介する流れです。
NotebookLMが信頼できる理由

NotebookLMの大きな特徴は、読み込ませた資料の内容だけを根拠にして台本やスライドを組み立てる、という点です。一般的なAIチャットは、学習データから推論で答えを補完するため、もっともらしいが事実と異なる内容(いわゆるハルシネーション)が混じることがあります。
これに対してNotebookLMは、ソースとして登録した資料の外側に踏み出すことを基本的にしないため、出力に出てくる情報が手元の資料で裏付けられている、という安心感があります。
プレゼンの場で間違ったことを口にしないためにも、また聞き手から「その根拠は?」と問われたときに資料に立ち戻れるためにも、この性質はかなりありがたいところです。台本やスライドを生成AIに任せることへのいちばんの不安が解消されます。
全体の手順は次の6つです。
1. 必要な範囲だけを切り出したPDFを用意する
2. NotebookLMに読み込ませる
3. チャット欄でプレゼン台本を生成する
4. 微調整してWordで整える
5. 台本を新しいノートに読み込ませる
6. Studioからスライドを生成する
以下、それぞれの工程を順に見ていきます。
1. AIに読ませる資料の範囲を絞り込む

最初の準備として、AIに読ませる資料の範囲を絞り込みます。
ありがちな失敗は、手元の資料をすべてまとめて読み込ませてしまうことです。情報量が多すぎると、AIが要点を掴みきれず、テーマからずれた台本が出来上がってしまいます。
そこで、「このプレゼンで伝えたいテーマ」を先に決めて、必要なページだけをPDF等に切り出します。
やり方はシンプルです。元の資料を開き、印刷ダイアログを起動して、プリンタの一覧から「PDFとして保存」を選択。ページ範囲を指定して保存するだけです。これで、テーマに関係するページだけを集めた、軽量なPDFができあがります。
もちろんPDF以外のファイルでも大丈夫です。NotebookLMには、テキストファイルや画像・音声ファイルのほか、YouTubeやWebサイトのリンクなども読ませることができます。
サポートされているファイル形式: pdf, txt, md, docx, csv, pptx, epub, 3g2, 3gp, aac, aif, aifc, aiff, amr, au, avi, cda, m4a, mid, mp3, mp4, mpeg, ogg, opus, ra, ram, snd, wav, wma, avif, bmp, gif, ico, jp2, png, webp, tif, tiff, heic, heif, jpeg, jpg, jpe
この段階での資料の絞り込みが台本の完成度を左右するので、丁寧に準備しましょう。
2. NotebookLMに読み込ませる

NotebookLMのトップから「+ 新規作成」をクリックして、空のノートを立ち上げます。そこに、先ほど作ったPDFをドラッグ&ドロップで放り込めば、読み込みは完了です。
複数のPDFを併用したい場合は、まとめて放り込んでも問題ありません。NotebookLMは横断的に内容を理解してくれます。ソース欄にファイル名が並んだら、次の工程に進みます。
3. チャット欄でプレゼン台本を生成

ノートの準備ができたら、台本を生成します。チャット欄に次のようなプロンプトを入力します。
「『〇〇』をテーマにした、〇分間(〇〇〇〇文字程度)のプレゼン台本を作成して」
ポイントは2つあります。「説明対象を明示する」ことと、「時間と文字数で長さを縛る」ことです。この2点を入れておくと、AIは尺を意識した話し言葉の台本を組み立ててくれます。
「〇〇」のところは、実際にプレゼンしたいテーマに置き換えてください。たとえば「新サービスの特長」「業界の最新動向」「プロジェクトの成果報告」など、粒度は自由です。
1分ほど待つと、導入・本論・締めまで構成された台本がチャットに表示されます。
4. 微調整してWordで整える

この時点でレベルの高い台本が出てきますが、最初の出力がそのまま完成形になることは、ほとんどありません。説明の順序が思っていたのと違ったり、入れてほしい固有名詞が抜けていたり、強弱の付け方を直したい部分が必ず出てくると思います。
その場合は、同じノートのチャット欄で追加指示を出します。たとえば「冒頭は課題提起から入って」「○○のデータを必ず入れて」「結論部分をもう少し具体的に」のように、書き換えてほしいポイントを伝えると、その都度AIが台本を書き直してくれます。数回やり取りすれば、ほぼ完成形に近づきます。
もう1つ大事なのが、台本を読み返していて自分が知らない事実・数字・固有名詞が出てきたときは、そのまま採用せず、必ずソースを確認する、ということです。
NotebookLMは生成された文章の各所に、根拠となる元資料の引用箇所を示してくれるので、その記述がどのPDFのどのページから来ているのかを辿ることができます。ハルシネーションが起きにくい設計とはいえ、解釈の幅がある記述や、複数の資料を横断したまとめは、念のため出典に戻って裏を取ったほうが安心です。
プレゼンの場で「これはどこに書いてあったんですか?」と訊かれて答えられない、という事態を避けるためにも、この一手間は省かないようにしましょう。
ドラフトが固まったら、台本をコピーしてWordに貼り付けます。ここから先は、句読点・読み仮名・改行など、話し言葉のリズムをWord側で整えていきます。声に出して読み上げてみると、違和感のある箇所がすぐに見つかります。これで台本は完成です。
5. 台本を新しいノートに読み込ませる

ここからはスライド作成の工程に入ります。
注意したいのは、ステップ4まで使っていたノートをそのまま使わない、ということです。元のPDFが残ったままだと、AIは台本ではなく元資料からスライドを再構成しようとしてしまい、せっかく整えた話の流れが崩れてしまいます。
そこで、新しいノートをもう1つ作ります。NotebookLMのトップから「+ 新規作成」をクリックし、できた空のノートに、先ほど仕上げたWordファイルをドラッグ&ドロップでソースに追加します。これで「完成した台本だけ」を見ているノートが用意できました。
6. Studioからスライドを生成する

最後はスライド生成です。
画面右側に「Studio」というパネルがあるので、これを開き、「スライド資料」のボタンを押します。これだけで、台本の流れに沿ったスライドがAIによって生成されます。タイトル、見出し、図解、ハイライトなどを、適切に割り振ってくれます。
できあがったスライドは、その場でプレビューやダウンロードができます。必要に応じて細部を手で調整すれば、そのままプレゼン本番で使える状態になります。
資料を読み込ませるときに注意したいこと
NotebookLMはとても便利なツールですが、何でも放り込めばよいというわけではありません。アップロードする資料の性質によっては、いくつか気を付けたいポイントがあります。

まず、機密情報や個人情報を含む資料の扱いです。NotebookLMはGoogleが提供するクラウドサービスなので、PCの中だけで処理が完結するわけではありません。社外秘の資料、顧客情報、未公開のデータなどをアップロードする際は、自社の情報セキュリティポリシーや、Googleの利用規約に沿って判断する必要があります。業務利用の場合は、職場のアカウントポリシーで生成AIへのアップロードが認められているかも、先に確認しておくと安心です。
次に、著作権の扱いです。他者が作成した資料(書籍、論文、他社の販促物など)をそのままアップロードして、生成された台本やスライドを外部に公開する場合、引用の範囲を超えていないか、二次利用が許可されているかをチェックしておきたいところです。社内資料として使うだけなのか、公開・配布まで想定しているのかで、必要な配慮が変わってきます。

もう1つは、資料そのものの精度です。NotebookLMはハルシネーションを起こしにくい一方で、読み込ませた資料を「正しいもの」として扱います。元資料に古い情報や誤りが含まれていると、それがそのまま台本やスライドに反映されてしまいます。出典が明確で、できるだけ最新の情報が載っている資料を選ぶことが、出力の品質に直結します。
最後に、生成された台本やスライドの内容は、必ず自分の目でチェックすることをおすすめします。解釈の偏りや細かなニュアンスのズレが出ることはありますし、何より、聞き手の前に立つときに内容を語れるのは、ツールではなく自分自身です。NotebookLMの出力は、あくまで「下書き」と捉えるのがよいでしょう。
おわりに

必要な資料を読み込ませるだけで、台本とスライドが30分でひととおり揃ってしまうのが、この方法のいちばんのメリットです。
営業プレゼン、社内研修、講義のレジュメ、商品説明会など、台本とスライドが必要になる場面はいろいろあると思いますが、そのほとんどに応用できます。
まだ使ったことのない方は、まず手元にある資料を1つ選んで、5分ほどの短い台本を1本作ってみることをおすすめします。私も最初は驚きましたが、実際にやってみると、想像以上に頼りになるツールだと感じるはずです。
