あんなにあんなに
寝かしつけのあと、部屋に残るのは静けさ。
ヨシタケシンスケのあんなにあんなにをひとり読む夜。
ページをめくるたびに、「あんなに泣いていたのに」「あんなに手がかかったのに」という場面が、胸の奥にすとんと落ちてくる。
まるで、今日一日のわが家をそのまま覗かれているみたいで、思わず苦笑い。
いま、わが子はいやいや期の入り口。
自我が芽を出し始めて、思い通りにならないと全身で抗議する。
ついさっきまで、あんなに泣いていたのに。
あんなにわがままを言っていたのに。
あんなに甘えて、離れようとしなかったのに。
それでも絵本は、やさしく、でも確かな声で教えてくれる。
「その“あんなに”は、ずっと続くわけじゃないよ」と。
気づいたら、抱っこが重くなり、
気づいたら、ひとりで靴を履こうとして、
気づいたら、「ママ、見ないで」と言われる日が来る。
そう思うと、今この瞬間が、どうしようもなく愛おしい。
大変で、余裕がなくて、逃げ出したくなる日もあるけれど、
それでもこの時間は、あとから思い出すと、きっと宝物になる。
子どもが大きくなるということは、
同時に、私も年を重ねていくということ。
それは少し切なくて、少し怖くて、でも悪くないなとも思う。
子どもは、親がどれだけ苦労したかなんて、きっと全部はわからない。
でも、それでいい。
感謝されなくてもいい。
だって、子どもを育てながら、私自身が「親」になっていくのだから。
子どもを通して、自分も育ててもらっている。
そう思えた瞬間、胸の奥から、あったかぁい気持ちがじわっと湧いてくる。
はぁ、泣ける。
ほんとうに、泣けてくる。
理由なんて説明できないけど、涙が勝手に出てくる。
今日もいっぱい泣いたお子へ。
今日もいっぱい頑張った私へ。
大丈夫。
この「あんなに」は、全部、愛おしい記憶になる。
今日も明日も大好きだよー。
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