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雪あかりと星【微熱さんのブックカフェ】

私の住んでいるところは、今年一度も雪が積もらなかった。

雪がうっすらと積もるのは、三年に一度くらい。幼少の頃から雪というのは、他県に行かないと見られないものだと、私は思っている。

私の親は、毎年家族で出かけるスキー旅行を楽しみにしていた。新潟や山形、山梨県など、各地のホテルやロッジに車で出かけた。

雪景色に変わる瞬間が、私は好きだ。

微熱さんのブックカフェに参加した。
微熱さんのイベントに参加するのは、4回目になる。お花見とブックカフェ。今回は微熱さんがいる長野まで新幹線で向かった。

東京駅で待ち合わせした、あやしもさんとtreeさんと共に車内に乗り込む。東京駅はこの時点で雪が降り注いでいて、うっすらと積もりそうな気配を見せていた。

車中は、途中まで座席を回転させて三人で顔を見合わせながら楽しくおしゃべりした。私がチーズトーストをたいらげ、次のサンドイッチに手をかけると「あなた、そんなに食べて大丈夫なの?」とtreeさんから声がかかる。私は「だってエビが入ってるんですよ!エビ」と相変わらずピントのずれた返事をした。あやしもさんが横でやさしく微笑んでいる。言いたいことはわかる。これから微熱さんのところでたくさん美味しいものを頂くのに、お腹空かせておきなさいよという、彼女の気持ちが伝わってくる。
相変わらず、私は人の心配を受け取りながら、人から見たらずれたことをしている。それでも、そんな私でも許してくれる方たちに日々助けられている。

トンネルを抜けたら、急に雪景色になっていた。
私は窓側にいるあやしもさんに話しかけていたから、彼女の後ろにある雪景色にびっくりして、思わず「あ」と声を出した。

久しぶりの雪。

そのあと、電車を乗り継いで、雪道を歩く。

真っ白な雪に足跡をあえて残してはしゃぐ。いくつになっても変わらない自分にあきれるが、treeさんも率先してやっていたので安心する。しっかりもののあやしもさんが微熱さんのイベント会場までのGoogle MAPを立ち上げて、進む道を指し示してくれた。

場所につくと、微熱さんが出迎えてくれた。
ひとりひとりとハグをしてくれる。
お部屋に入って、先に到着されていたさみみさんとご挨拶をする。

お部屋に入ってさまざまなものに目がいく。
美味しそうなお料理が右手のテーブルに並べられている。目の前には微熱さんのお母様の手作りの編んだ敷物が置かれている。
左手のお部屋には、微熱さんの作品。
りんごの絵画作品。プンペルニケルの新商品。文学フリマ東京へ出展される作品たち。
壁にかけられた微熱さんのワンピース。
微熱さんが着ているおばあさまが作られた粋なデザインのエプロン。
窓から見える、絵画のような雪景色。
そして電車。

微熱さんの笑顔。

写真をところどころで撮影した。
本日のカメラマンは私とねむいねこさんだったのだ。しかしねこさんは本日来ることが叶わず、カメラマンは私だけとなった。

あまり皆さんのお顔がうつらないように。
撮っていることが目立たないように。
私が抱いた被写体への気持ちがここに残るように。

ここに写真は載せない。
写真は全部微熱さんに渡した。
その中からきっと彼女が使えるものがあれば使って欲しいし、使わなくても眺めて楽しんでくれたらと願う。

そのあと、エトさんとBlue Jamさんが到着した。
エトさんから、お手製のしおりを頂いた。とても愛らしく彼女の雰囲気がそこにあらわれていた。彼女のnoteの苔玉の記事がいいなぁと眺めたりした。その場でフォローさせてもらう。さみみさんは、noteのことや家族のことなど、たくさんお話しさせてもらった。彼女の服装が素敵で、ところどころネコがいたり、アウターもなかなか独特なセンスであった。Blue  JamさんはやっぱりBlue  Jamさんで、夏のイベントでお会いした時に少し体調がすぐれなかった様子を見ていたので、遅れたものの本日は元気そうだなと安心した。私とJamさんはジェーン・スーさんや桜林直子さんが好きな共通項があり、微熱さんがJamさんに質問していたのに、私がそれを横取りして意気揚々と説明してしまった。Jamさんのスワンのアイコンの秘密を聞いて、その流れでゲラゲラと笑ったりした。

あやしもさんとtreeさんについては、いつものお二人なので、特別書くこともない。イベント参加時のあやしもさんはいつも嬉しそうな気持ちがすごく伝わってくる。それが私は嬉しい。treeさんはよく話すなぁと思うし、「私はよく考えないで話したり行動してる」と言うけれども、そんなことがない場面がたくさんあって、懐が深いなと思う。

ブラインドデートという、本の交換会も行った。お互いに持ってきた本の内容が見えないようにして、ランダムに交換するのだ。私のところへ来た本は小説で、ちょうど何か小説を読みたいなと思っていたからとても良かった。おもしろい試みだなとわくわくしながら参加した。

微熱さんは、今までのどのイベントよりもリラックスしているように思えた。ご自身のホームだからかなと思ったり、参加者が少人数であったり、数をこなしたりというのもあるかもしれない。

あとは、微熱さんの作品たちが傍にいて、包まれているような感じというか、それらが微熱さんの分身や仲間のように私は思えた。微熱さんの書かれたりんごは、4つあった。ひかりと色が溶けそうであった。私は一番右の子が気になった。プンペルニケルの作品も、表と裏で遊び心があったり、はつらつとしたチューリップが目についたり、とてもキュートであった。文フリに出される本の中で、ある本のタイトルが、以前作られたものと対になっている気がしたので、私は「本になりたがらない本」を持参した。隣において、ながめてにやにやする。本たちがおしゃべりしているような気がした。微熱さんはご自身の作られたものを手元に置いていないし、なんならお話が書かれたデータさえ消去してしまったのだ。「なつかしいなぁ」と微熱さんが見てくれたのも嬉しかったし、さみみさんもその場で読んでくださって、持ってきてよかったなと感じた。

お料理は後半の方もいるので、お楽しみにと思い
、詳しくは書かない。

ただ、微熱さんの作り出したお料理はとてもやさしい味をしている。過度な強さがなくて、でも風味とか、素材のおいしさが、とても味わえる味付けなのだ。
個人的には私の好物が多くて、いいのかないいのかな......ひいきしてもらってないかしら?とか思いながら、喜んで食べていた。久しぶりに満腹になるまで楽しんだ。唐揚げの味が毎回イベント毎に違うことに驚いた。

夕方、皆さんが帰られてから、微熱さんの夫さんが出てこられて、treeさんと私と微熱さんと共にタコパをした。近くに泊まりの私たちを、微熱さんが気にしてくださって「それなら夜にタコパしませんか?」と誘ってくださっていたのだ。

手早く、器用にくるくるとたこ焼きを焼く微熱さんの手を眺めていた。たこ焼きは程よい焼き加減で、たこは入っていなかったのに、とても美味しかった。

窓の景色は、落日を迎え、違う表情を見せた。町の民家の灯りがぽつぽつと見える。時々電車が走り抜ける。

なんて素敵なんだろうと思う。

微熱さんの夫さんもその光景を眺めていた。
彼の後ろから見える横顔がとても静かできれいで、そしてそれを見守る微熱さんも美しかった。

帰り道。
さみしさもあるが、充実した気持ちも手元にある。微熱さんのご夫婦とばいばいをして、駅まで向かう。

夜道は電灯が少なかったが、明るかった。
夜空を見上げると、星々がたくさん見えた。私の住まいで見るよりも、2倍くらいの星の数が見えた。
「これは空気も澄んでるし、電灯が少ないからだと思います」とtreeさんに話すと、彼女はもうすでに違う話題にうつっていた。
雪がほのかに光を集めて、白く淡く、広がっていた。静かに小雪が頭上から降りてくる。
「雪って好きなんです。雪の降り積もる場所のこの音がシーンとしている感じが好きなんです」と伝えると「私も私も!」と今度は同意してくださる。

「めっちゃエモいっす!」

とキャリーケースをがらがらとひきながら私は叫んだ。

「え?何?エモいって?私よくわからないんだよね」とtreeさんが笑いながら話す。

「いや、わからなくていいんですけども、あなたと......あなただからこそ、こうやって一緒に歩いているのがエモいんです」と伝えた。「何それー」と返された。

お互い笑いながら、駅についた。

無人駅だが、さみしくはなかった。到着した時の駅員さんの接客のあたたかさを思い出した。

心にたくさんのお土産と、たくさんの気持ちを抱えながら、私たちは宿までの道を歩いた。


微熱さん、お会いした人たちに感謝。



次の日のことも、また書きます。

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