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歯周病は“口だけの病気”じゃない?全身と関連が指摘される理由


「歯周病って、歯ぐきの病気ですよね?」
その通りです。

歯周病(歯周炎)は、歯を支える組織(歯ぐきや骨)に起こる慢性炎症です。

ただ近年、歯周病は口の中だけの問題ではなく、全身の健康状態と関係しうることが多くの研究で報告されています。

今回は歯周病と全身の関係についてお話ししていきます。



歯周病は「慢性炎症」

歯周病は、歯の汚れである歯垢(プラーク)に含まれる細菌が引き金になり、歯周ポケットで炎症が起きる病気です。

歯周病の原因となるのは、歯垢にいる細菌です。

細菌がいると、免疫で排除しようと免疫細胞が歯周ポケットに動員されます。これが、歯周病のはじまりで、歯肉からの出血・発赤・腫脹などの炎症の症状がでます。

つまり、歯周病の問題の本態は「菌がいること」そのものより、炎症が長期間続くこと(慢性炎症)にあります。

炎症が続くと、口の中だけでなく血中での炎症反応も見られるようになり、慢性的な炎症負荷が全身に影響するという考えられています。



全身に関わる可能性として考えられている2つのルート


歯周病が全身と関係しうる理由として、主に次の2つの機序が提案されています。

① 炎症反応が全身に波及するルート

歯周組織の炎症が長引くと、炎症性サイトカインや酸化ストレスなど、
全身の炎症状態と関連する反応が高まる可能性があります。

② 菌や菌成分が血流に入りうるルート


歯ぐきに炎症があると出血しやすく、毎日の歯磨きや食べ物の刺激などで一過性に菌が血中へ入る可能性が指摘されています。



どんな領域と「関連」が報告されている?

・糖代謝(糖尿病)との双方向の関係

以前から歯周病は、糖尿病の合併症の一つと考えられていました。

しかし、近年になって「歯周病になると糖尿病の症状が悪化する」という
相互に影響を及ぼし合う関係性であることが分かってきたのです。

歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。

・心・血管疾患との関連

歯周病と動脈硬化性心血管疾患についての関連を支持する報告が多数あります。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化が進行し、血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来、狭心症や心筋梗塞といった疾患のリスクが高まるとされています。

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIR.0000000000001390?utm

同様に、脳の血管の問題である脳梗塞もリスクの上昇が指摘されています。
歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S217358082400018X?utm

・メタボリックシンドロームとの関連

詳しいメカニズムは解明されていませんが、歯周病の病巣から放出されるLPS(歯周病菌由来の毒素)やTNFαが関与しているのではないかと考え得られています。

日本における疫学研究でも関連性が指摘されています。

https://www2.dent.nihon-u.ac.jp/nusdj/zasshi/94-2/p49-54.pdf


・妊娠転帰との関連

妊娠中は女性ホルモンの影響で、歯周病になりやすくなると言われています。

エストロゲンという女性ホルモンは、特定の歯周病原細菌の増殖を促し、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。

これらのホルモンの影響で、妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。

妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。

これは口の中の歯周病細菌が母親の血液を通して、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。

とはいえ、基本的な口腔ケアで十分予防はできます。

しかし、油断すると出産後に本格的な歯周病に移行する場合もありますので、注意が必要です。



腸活している人ほど見落としがちな「口の炎症」


腸活を頑張っているのに、なんだかうまくいかない、、、、
そんな人は口の中の炎症(歯周病・歯肉炎)が“盲点”になっていることがあります。

口も腸も細菌が共生している環境であり、環境を整えるという意味では
「口腔ケア」は腸活と方向性が同じです。

口の中の細菌を飲み込むと腸の中に流入することが考えられ、因果関係はまだ不明ですが、大腸癌の患者さんから歯周病菌が検出された例があり、何らかの関係性があるかもしれません。

また、この機序を考えたとき、上流の口を整えることが腸内環境を整えることを考えたときにも重要なことがわかります。

寝起きは口腔内に細菌が増殖している状態であり、そのまま食事や水をとると飲み込んで腸内へ送り込んでしまう可能性があります。

飲み込む力が落ちた時には誤嚥が起きますが、口腔内の細菌が多いと誤嚥性肺炎を発症してしまうリスクも上昇してしまいます。

寝起きには歯磨きを習慣にして、口の環境を整えて食事をすることが大切です。



今日からできる歯周病対策


  • 歯科で定期的な歯周ポケット検査

  • 歯ブラシ+フロス/歯間ブラシ

  • 口の乾燥を減らす(水分摂取)

  • よく噛む



まとめ

歯周病は口の中の病気ですが、慢性炎症であり、全身の健康状態との関連が疑われています。

これが腸活にも美容にもつながる、というのが私の臨床的な実感です。

私も定期的に歯科検診には3~6ヶ月で通っています。

ぜひみなさんも口のケアにも注目してみてくださいね。

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