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赤ちゃんとママの腸内環境

腸内環境が体やメンタルに大きく影響していることはもうご存じの方も多いかと思います。

最近では、腸内環境の重要性が注目され赤ちゃんの健康にも母親の腸内環境が密接に関係していることが分かっています。

新生児の健康と発育に大きな影響を与える「腸内フローラ」。

ここでは、母体から受け継がれるこの微生物たちの世界について、その役割と形成に至るまでの過程を紹介します。




赤ちゃんの腸内細菌はどこから来るの?


赤ちゃんは母親の子宮内でほぼ無菌状態で過ごしています。
(以前は赤ちゃんのお腹の中は無菌状態だとされていましたが、最近では胎児の頃から初期の腸内環境が形成されていっているのではないかと考えられています。)

自然分娩で生まれる場合、赤ちゃんは母親の膣を通過する際に、膣内の「フローラ(微生物)」を飲み込みます。

この過程が赤ちゃんの腸内細菌叢を形成するはじめの大きなステップなのです。

研究によれば、新生児の腸内に存在する微生物は、母親の膣内と非常に近しいとのこと。

そして膣と腸は解剖学的に近いことから、その細菌叢の構成は似ていると言われています。

赤ちゃんの腸内細菌は、出産時に受け継ぐママからの最初のプレゼントと言っても過言ではありません。

Tian, M. et al. Gut Microbes 15, 2206505 (2023) Kimura, I. et al. Science 367, eaaw8429 (2020)



 母体の腸内細菌と妊娠中の栄養


母親の腸内細菌の代謝産物は、胎盤を通じて胎児に影響を与えます。

特に注目されているのが短鎖脂肪酸です。

短鎖脂肪酸はいわゆる有用菌が作り出してくれる物質で、腸内で有害細菌の増殖を抑え、抗肥満作用や抗炎症作用といった有用な効果を発揮します。

この短鎖脂肪酸は、胎児の免疫や脳の発達にも寄与することが分かっています。

短鎖脂肪酸がしっかりと腸内細菌によって分泌されるような母体の腸内環境は、母親自身だけでなく、赤ちゃんにもメリットがあったのです。

そして母親の腸内環境がが整っていると、葉酸や鉄分などの妊娠に必要な栄養素が効率的に吸収され、胎児に良好な栄養が供給されやすくなるというメリットもあります。


 帝王切開と出生後の腸内環境


一方、帝王切開で生まれる赤ちゃんは、膣内の細菌を直接飲み込んで受け取ることはできませんが、母親の皮膚や病院の環境から菌を受け取っていきます。

出生後の生活環境や授乳によって、腸内細菌叢は徐々に形作られます。

その一例として、母乳には母親の免疫をはじめ、ヒトミルクオリゴ糖やラクトフェリンといった有用菌を増やす成分が豊富に含まれています。

これらは赤ちゃんの腸内環境を良好に保つ重要な要素です。

例えば有用菌の代表である、ビフィズス菌が多い腸内環境はアレルギーや肥満のリスクを低下させることが報告されています。

このビフィズス菌は、大人になるにつれて減ってしまいますが、母乳を飲んでいる時期の赤ちゃんの腸内細菌の過半数を占めるほど赤ちゃんのお腹の中に多くすみ、赤ちゃんを守っていると考えられています。



家族全体での腸内環境改善


赤ちゃんの腸内フローラ形成には母親の影響が大きいことが分かりましたが、家族全員の腸内環境も赤ちゃんの腸内環境に影響を与えます。

腸内細菌は家庭での生活を通じ、様々な場所で体内に入ってきます。

例えば、入浴を介することで父親の腸内細菌が赤ちゃんに移行することもあると言われています。

したがって、家族みんなで腸内環境を整えることが、赤ちゃんの健康を守る上で重要です。


このように、新生児の腸内フローラの形成にはさまざまな要因があります。

母体だけでなく、出生後の環境や家族全体での取り組みに目を向けることで、赤ちゃんの健康を守りましょう。

最近は産婦人科で妊娠中から腸活できるようなサプリメントを見かけることも多くなりました。

食事を基本に生活環境を整えていくことが腸活の基本ですが、サプリメントなどで効率的にしていくことも選択肢の一つとしてあります。

もちろん、具体的な対策については主治医の先生と相談しながら進めることが大切です。



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