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なぜ?男女で違うお腹の症状

お腹の不調で悩んでいませんか?

私は消化器内科医なので、便通に関するものは特に多い相談です。

一般的に男性には下痢が多く、女性には便秘がよく見られます。

なぜ男女によるお腹の症状の差がでるのか?

その背景には、最新研究で明らかになりつつある、男女間の腸の反応の違いが関係しているかもしれません。




 

男女で異なるIBSの症状:男性は下痢型、女性は便秘型が多い


過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や腹部不快感を伴い、便秘や下痢といった便通異常が慢性的に続く疾患です。

同じIBSでも、男性と女性で症状に違いが見られることが知られています。

一般的に、女性は便秘型IBSが多く、男性は下痢型IBSが多い傾向にあります。

診断を受けていない潜在的なIBS患者においても、男性は便秘よりも下痢に悩まされるケースが多いようです。

身の周りにもこんな傾向はありませんか?

これは一体なぜなのでしょうか?

最新の研究では、その原因の一端が明らかになりつつあります。

マウスを使った実験では、大腸にストレス刺激を与えた際に、脳に伝達される神経伝達物質の成分がオスとメスで異なることが判明しました。

具体的には、オスの場合、大腸の蠕動運動が促進される方向に作用する物質が多く分泌される一方、メスでは蠕動運動を抑制する物質が多く分泌されるというのです。

つまりストレスが加わるとオスでは腸が動き出し、メスでは動きが弱まるというわけです。

この違いが、男性に下痢型IBSが多く、女性に便秘型IBSが多い理由の一つとして考えられています。


下痢は便秘よりマシ?下痢型IBSのリスク


「便秘じゃないから下痢のほうがマシ」と考えている方もいるかもしれません。

しかし、下痢は決して軽視できるものではありません。

下痢が続くと、人体に必要な栄養素や、腸内細菌が作り出した有用な成分を十分に吸収できなくなる可能性があります。

つまり、便秘の人よりも、場合によっては腸内環境が悪化している可能性があるのです。

柔らかい便は、ストレスや不規則な生活の影響を受けやすいと言われています。

特に、ストレス社会で生きる現代人にとって、下痢は身近な問題と言えるでしょう。

下痢が続く場合は、単なる一時的なものと捉えずに、生活習慣の見直しや医療機関への相談を検討することが大切です。


下痢・便秘を引き起こす原因:ストレス、生活習慣、加齢


IBSの原因はまだはっきりとはしていません。

可能性のあるものは多岐にわたりますが、主なものとしてストレス、運動不足、食物繊維不足、アルコールの過剰摂取などが挙げられます。

これらの要因は、腸の運動機能や腸内環境に悪影響を及ぼし、下痢や便秘を引き起こす可能性があります。

また、加齢とともに腸の動き(大腸の蠕動運動)が低下し、便秘のリスクが増加します。

50歳以上になると男性の便秘有病率も上昇し、便秘は消して女性だけの問題とはいえないのです。



 男性も注意!大腸がんリスクと定期的な検診の重要性

国立がん研究センター 大腸癌ファクトシート2024より引用

上の図は国立がん研究センターのデータです。
男女ともに高齢になるほど大腸癌のリスクは上昇していきます。

日本では、大腸がんはがん罹患全体の15.6%(男性:15.8%、女性15.6%)を占め、男女合わせた総数で最も割合が高いがんとなっています。

年齢による影響を調整しても、日本の大腸癌の罹患・死亡率ともに国際的に高い水準となっています。

また、男性であっても高齢になるにつれて腸の機能低下などによって便秘が増えていきます。

慢性便秘は大腸がんリスクとなりえるとされています。

これは、便秘によって腸内の有害物質が滞留し、腸管粘膜に長時間接触することで、がん化を促進する可能性があるためです。

ただし、あくまで可能性であって「便秘」が大腸癌の直接の危険因子であるとは断定されていません。

35歳以上の方は、定期的な検便による健診を受けることをおすすめします。

特に血縁に大腸癌がいる方などは注意が必要です。

下痢や便秘といった便通異常が続く場合や、腹痛や腹部不快感などの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

腸内環境やライフスタイルを整え、、自分の体を見つめてあげる時間も作って上げてくださいね。


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