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番外編5 当事者の方に教えていただいた「仕事を続けるための工夫」

今回は前回に引き続き番外編です。

これまで、
番外編3では「自分に合った仕事や環境を探すこと」
番外編4では「無理なく仕事を始めること」
について、統合失調症の当事者であるモッさんの体験をご紹介しました。

今回はその続きとして、
「仕事を続けていくために、普段どのような工夫をしているのか」について教えていただいた内容をご紹介します。

仕事を始めることができても、このまま続けていけるだろうか、また体調を崩してしまわないだろうか、そんな不安を感じることもあるかもしれません。
今回のお話が、そんな方にとって一つの参考になれば幸いです。

もちろん、体調や症状、生活スタイルは人それぞれです。
今回ご紹介する内容も、モッさん自身の経験の一例として読んでいただければと思います。

1.まずは自分の体調を知る

モッさんが仕事を続けるための工夫として教えてくださったのが、「毎日の体調を記録すること」です。

就労移行支援事業所を利用している方であれば、卒業時に可能なら体調チェックシートをもらっておくと便利だそうです。毎日の体調を記録しておくことで、

「今日は調子がいい。」
「今日は少し疲れている。」
「今日は気持ちが落ち込んでいる。」

など、自分の状態を客観的に確認しやすくなります。
モッさんはExcelで体調を記録していたそうですが、もっと簡単に、メモの片隅に体調を表すスタンプを押すような方法でもいいそうです。

大切なのは、難しい方法で記録することではなく、今日の自分はどんな状態なのかを知ることなのかもしれません。

2.体調を記録すると、周囲にも伝えやすい

体調を記録することは、自分自身のためだけではありません。その日の状態を記録しておけば、上司などに自分の状態を伝える時にも役立つそうです。

体調が悪くなってから説明するのではなく、普段から記録しておくことで、自分はどんな時に調子を崩しやすいのかを少しずつ把握できるようになるかもしれません。

自分の体調を知ることは、自分を守ることにもつながるのだと思います。

3.毎日の生活リズムを大切にする

モッさんは、毎日仕事を続けるために、生活リズムを整えることも大切にしているそうです。

例えば、朝の散歩やラジオ体操など、軽く体を動かすこと。
特別な運動をする必要はなく、軽く体を動かすことで、毎日の生活リズムを整えるきっかけにしているそうです。

仕事を始めると、仕事そのものに意識が向きがちです。ですが、

朝起きて、食事をする。
少し体を動かす。
仕事をする。
休む。

こういった日々の生活そのものが、仕事を続けるための土台になるのかもしれません。

4.休日も「回復する時間」にする

モッさんは、週休2日のうち一日は、できるだけ体調を整える日にしているそうです。

一人でゆっくり趣味や読書を楽しみながら、心と体を休ませています。

仕事をしていると、せっかくの休日だから、どこかへ出かけて有意義に過ごさなければ、と思ってしまうことがあります。

ですが、何もしない時間や、好きなことをゆっくり楽しむ時間も、次の一週間を過ごすためには大切です。

休むことも、仕事を続けるための大切な準備。
そんな考え方もできるのだと思います。

5.ジャーナリングで自分を振り返る

モッさんから教えていただいたもう一つの方法が、ジャーナリングです。
ジャーナリングとは、頭の中にある考えや気持ちを、ノートなどに書き出していく方法です。

「今日はこんなことがあった。」
「こんなことを感じた。」
「これは少し嬉しかった。」

など、その時に感じたことを書き出していきます。

頭の中だけで考えていると、同じことを何度も考えてしまうことがあります。
それを文章にして外へ出してみることで、自分の気持ちを少し離れたところから見つめられるようになることがあります。

モッさんは、このように自分の気持ちを振り返ることで、自分自身を客観的に見る力がつき、立ち直るきっかけにもなったと教えてくださいました。

6.3ついいこと日記

もう一つ教えていただいたのが、「3ついいこと日記」です。
その日にあった「良かったこと」を3つ書いていく方法です。例えば、

「今日は朝起きることができた。」
「仕事を予定通り終えることができた。」
「好きな音楽を聴けた。」

このような小さなことで構いません。
毎日大きな出来事があるわけではありません。
今日は何も良いことがなかったと思う日でも、ほんの小さなことを探してみる。
それを続けることで、少しずつ自分のできたことや、良かったことに目を向けやすくなるのかもしれません。

モッさんは、こうした取り組みが自信を取り戻したり、心の回復につながったと感じているそうです。

7.自分の心と体をメンテナンスする

モッさんは、体と心のメンテナンスには必要以上に気を付けていることも話してくださいました。

仕事を続けるためには、仕事そのものだけではなく、今までお話ししたように睡眠、食事、運動、休息、あと自分の心の状態にも目を向ける必要があります。

特別なことを一つするというよりも、毎日の小さな習慣を積み重ねていく。
それが、結果的に仕事を長く続けるための支えになるのかもしれません。

8.無理をしないことも大切

ここまでモッさんが教えてくださった方法を紹介してきましたが、モッさん自身も、「全員に当てはまることではない」と話されています。

朝の散歩が合う人もいれば、仕事後の散歩が合う人もいます。
ジャーナリングが合う人もいれば、文字を書くこと自体が負担になる人もいるでしょう。

大切なのは、これをやらなければいけないと新しい義務を増やすことではありません。

自分に合う方法を、無理のない範囲で取り入れてみる。
そして、自分に合うと思うものは継続して、負担になるのであれば無理をしないこと
が大切なのだと思います。

自分の体調を知ること。
自分に合った環境を探すこと。
無理のないペースで始めること。
そして、しっかり休むこと。

そうした一つひとつが、働き続けるための土台になっているのかもしれません。

9.おわりに

モッさんから今回のお話を伺って、私自身も、仕事を続けるためには、仕事以外の時間をどう過ごすかも大切なんだと改めて感じました。

働くことができるようになったら、それで終わりではありません。
自分の心と体を大切にしながら、「どうすれば無理なく続けていけるか」を考えていくことが、自分らしく働くための大切な方法なのだと思います。

モッさん、今回も貴重な経験を詳しく教えていただき、本当にありがとうございました。

今回、番外編3から今回まで、モッさんの体験を通して「働くこと」についてお話ししてきました。

これらの内容が、これから仕事を始めようとしている方や、今仕事を続けることに悩んでいる方にとって、少しでも参考になりましたら幸いです。

※こちらは、当事者であるモッさんご本人のご了承をいただいたうえで、体験談を紹介しています。統合失調症の症状や体調、適した仕事や働き方は人それぞれ異なります。今回ご紹介した方法が、すべての方に当てはまるものではありません。一人の当事者の方の経験として、参考にしていただければ幸いです。また、ジャーナリングや「3ついいこと日記」などの方法も、治療の代わりになるものではありません。治療や服薬、体調については、主治医などの専門家にご相談ください。

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