仕事楽しいですか? 仕事満足度調査を見て
現役で仕事をされているあなた、今のその仕事は楽しいですか?
今だから言えますが、正直なところ私は、「楽しく仕事ができるなんて羨ましい」と思っていました。
もちろん仕事は楽しいに越したことはありません。
「好きこそものの上手なり」と言うように、好きな事なら少々の壁も難なく乗り越えることが出来て、自分の実力を大いに発揮できるでしょう。

ここに、こんなデータがあります。
「日本人のうち、約40%の人が仕事に満足している」というものです。
半数近くいるわけですが、あなたはこれを多いと思いますか?それとも少ないと思いますか?
実は、2023年の諸外国の仕事満足度調査で、調査対象34か国のうち、日本はなんと最下位なのです。
しかも、トップのインドは9割近くの人が自分の仕事に満足しており、世界平均でも約8割の人が自分の仕事を楽しんでいるというのです。
いかに日本の数字が極端に低いのかがわかります。
ちょっとびっくりですね。

では、なぜここまで海外と差が開いてしまっているのでしょう。
なぜ外国の人は仕事を楽しめるのでしょう。
<日本の仕事満足度が低い理由>
日本の仕事満足度が他国と比べて低い理由はいくつか考えられます。
(労働環境)
日本は労働時間が長く、休暇を取りにくい文化が根強いため、「仕事量が過剰」、「定時で帰りにくい」、「残業が多い」、「有給休暇を消化しづらい」と、ロクに休むことも出来ずに働くため、仕事を楽しめなくなっています。
私もそうでした。父親からも、「仕事は這ってでも行け」とよく言われたものです。
(仕事の裁量権)
欧米や北欧の企業は、「自分で考えて動ける」という裁量権が大きいことが多い一方、日本は上司の指示が絶対で、「指示通りにやるだけ」の仕事が多いと感じる人が多くなっています。決められたルールを守ること自体が評価されたり、新しい提案をしても受け入れられにくい環境となっているため、自分の仕事にやりがいや意味を感じにくくなっています。
(職場の人間関係)
日本では職場の人間関係が仕事満足度に大きく影響します。
年功序列の上下関係が厳しく、自由に意見を言いづらい雰囲気は不満がたまります。また飲み会などに付き合わされることも多いため、ストレスはたまっていく一方です。
自由に楽しく働く環境とはいいがたい状況です。
(評価制度)
たとえ仕事が楽しくても、給料や評価が自分の働きぶりに見合わなければモチベーションは下がってしまいます。
実力よりも「年齢」や「勤続年数」で評価されることが多いため、「頑張っても報われない」、「実力が評価されないため給料がなかなか上がらない」と感じる人が多いのも事実です。
(文化的価値観)
海外では、「自分が楽しめる仕事を選ぶ」文化が強くなっています。
特にアメリカや北欧では「やりがい」や「自己成長」を重視し、メキシコやインドでは「仕事を楽しいものにする」という意識が強い傾向があります。
「仕事は自己実現の場だ」と考える人が多のです。
一方、日本では、「仕事というものは苦労するものだ」、「楽しいというより、責任感や忍耐の方が大事だ」という価値観が根強くなっています。
楽しく働いていると不真面目に見られたり、仕事は生活のためにするものと割り切らざるをえなかったりするため、仕事を楽しめなくなっているのです。
この価値観の違いは非常に大きいように思います。

<日本の伝統的終身雇用・年功序列のメリット>
これまでの高度成長期において、日本の伝統的な雇用形態である終身雇用と年功序列制度は大いに貢献してきました。
(安定雇用)
一度会社に入れば、リストラされない限り、基本的に定年まで働けるという安心感があります。
企業側にも安定した雇用を確保できるというメリットがあります。
(給料が徐々に上がる)
給与が年齢と共に徐々に上がる仕組みのため、「若い頃は給料が低くても、長く働けば報われる」という安心感があります。
(生活設計のしやすさ)
この給与体系は銀行にとっても定職に就いていればローンを組みやすくなっています。そのため結婚して子供を作り家族を養うという生活設計がやりやすく、生活も安定します。
長期的なキャリアパスが見えやすいので、スキルアップも安心して行えます。
(チームワーク)
同じ会社で長く働くため、チームワークや信頼関係が築きやすく、社員同士の結束が強まります。
これがいい方に向けば、社内の空気が安定しやすいと言えます。
(人材育成)
新入社員で入ってきて定年まで働くため、長期的な視点での人材育成ができます。
会社が社員をじっくりと、将来性を重視して育てることができるということです。
これは「職人気質」な技術も伝承されやすくなります。
年上の社員が面倒を見てくれる文化があるので、新入社員も学びやすいと感じます。

<日本の伝統的終身雇用・年功序列のデメリット>
しかし、成長が鈍くなって現在は、メリットよりもデメリットの方が目立つようになってきました。
(評価の問題)
年齢や勤続年数が重視されるため、実力があっても昇進が遅れる傾向があります。
これにより若手が「頑張っても給料が上がらない」「上が詰まっていて出世できない」と不満を感じやすいという問題が生じています。
(転職しにくい)
皆当然のように定年まで働くので、転職しようとすると白い目で見られます。
「転職=裏切り」と考えられがちで、転職しにくい雰囲気があるのです。
これは、他分野や他社の文化・新しい経験を積みにくく、「会社に依存するキャリア」になりがちになります。
(モチベーション低下)
「何年働いても出世できない」、「給料が上がるのが遅い」と感じる人が増えてくるため、特に若手のモチベーションが下がる一方になりがちです。
ベンチャー企業や外資系は、「実力がある人が早く昇進する」環境にあるという情報が広まったため、これと比べて、不公平感を感じることになります。
(変化に対応しにくい)
会社が長期雇用を前提にすると、「合わない人」や「成長しない人」も合理的な理由がない限り、辞めさせにくくなります。
(企業側の負担増)
これは景気が悪くなっても「解雇しにくい」ということになり、企業が負担を抱えたままになりやすいということです。
「高齢社員の人件費」は実力に関係なく増えてきますので、若手に投資したくても余力が乏しく、できなくなるというリスクもあります。

<どうすれば日本も仕事を楽しめるようになるのか>
では、どうすれば日本も仕事を楽しめるようになるのでしょうか。
(仕事の意味を見つける)
自分の仕事が、誰の、何の役に立っているのかを考えて行動すると“やりがい度”がアップします。
私は「お客様の笑顔を増やすため」、「チームの負担を減らし、メンバーの笑顔を増やすため」、「会社の収益改善のため」などを常に念頭に置いて仕事をしていました。
(キャリア形成をサポート)
従業員のキャリア形成意欲に対し、柔軟に対応してサポートすることで個々のスキルを活かせる機会を増やすことです。
社内異動をやり易くし、副業もOKにしてスキルアップを促します。
従業員が新しい挑戦をやり易くするのです。
資格取得で手当をつけるのもいいでしょう。
私もそのように制度改革してきました。
(成果主義の併用)
年齢だけでなく、実力や成果も評価する制度を取り入れることで、組織が活性化し、社員のモチベーションも上がることになるでしょう。
いきなり成果主義に切り替えるのは無理があるので、成果主義と年功序列のハイブリッド化を進めるということです。そのためには目標を細分化して、小さな達成をしやすくするといいでしょう。
評価制度の見直しはかなり大きなテーマです。私も記事にしています。
(労働環境の見直し)
長時間労働の削減は残業手当の削減につながり、有給取得の推進はリフレッシュによる従業員の活性化が期待でき、フレックスタイムやリモートワークの導入は働き方の自由度があがり、交通費等の削減にもつながるため会社としてもメリットがあります。
集中して効率よく仕事をこなすよう促し、定時に終わることが当たり前にすべきです。
(リスク管理の強化)
最近話題になっている“解雇規制の緩和”をしつつ、社員の再教育や転職支援を充実させることもいいかもしれません。
(転職しやすい社会)
日本は転職するたびに給料がさがる転職貧乏になりやすい傾向があります。終身雇用が崩れつつある中で、もっと転職をポジティブに捉える文化を作り、転職しやすい社会にする必要があるでしょう。

<転職は最後の手段>
これらのことを一つずつ試してみて、それでも状況が改善されず、そして今いる職場で自分を活かす機会が少ないと思えるなら、まず転属や人事異動を検討し、適正自体があっていないと思うなら、転職して自分に合う仕事を探すのも一つの選択肢でしょう。
しかし、いろいろ試したあとの、あくまで最終手段と考えておいてください。現状、安易な転職はロクな結果を生みませんので。

楽しく仕事をするためには、自分の意識改革と、会社や周囲の意識改革の両方がうまく作用しなければなりません。
今の仕事が楽しいあなたは超ラッキーではないでしょうか。
今の居場所を大切にしてください。
今日もお読みいただきありがとうございました。
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