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退職金廃止で喜ぶ人と悲しむ人 あなたはどっち?

最近退職金制度を見直す企業が出てきています。

先日も、王子ホールディングスが2026年春以降入社の社員の退職一時金を廃止すると発表しています。

調べてみると、
野村ホールディングスや大和証券グループなどの金融関係、
パナソニックや富士通などの電機大手、
三菱商事や三井物産などの総合商社など、
多くの企業で従来型の退職一時金を廃止したり、縮小しています。

この動きは企業側・従業員側それぞれにとってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょう。

これが今のすう勢だとするなら、泣きを見ないようにするにはどうすればいいのでしょう。

私はもうすでに退職金を受け取ってリタイヤしていますが、気になったので、こうした動きについて探ってみました。


<退職一時金とは>

退職一時金とは、一括支給される退職金のことで、退職時に会社からまとめて受け取る制度です。

勤続年数が長いほど増えていくため、長い間会社に尽くせば、会社が老後を支えてくれるという仕組みです。

<なぜ見直されるのか>

永年日本の企業の報酬体系を担う重要な制度の一つとして採用されてきた制度ですが、なぜ、ここにきて見直されるようになってきたのでしょう。

一言で言うと、今の経済環境や働き方に合わなくなってきたからです。

最近では、一つの会社に我慢して定年まで勤めるよりも転職をすることが一般的になってきました。

しかし、これまでの退職金制度は勤続年数が長い方が有利で、途中で辞めると大幅に減額されることになってしまいます。
しかも制度設計が複雑なため、その金額を正確に把握することは非常に困難になっています。

そのため中途採用や若年層のモチベーション低下を招いているのです。

30年後にまとまってもらえるといっても、金額も定かでないお金よりも、今の手取り給与が多い方がありがたいという若年層が増えているのです。

また、勤続年数に比例して増えるということ自体が、最近の成果主義などと相反することになるため、長くいるだけで高額の退職金がもらえることへの不満も高まっていました。

退職一時金は、将来の支払い義務として負債に計上されます。
当然ながら企業としては、この負債が膨らむリスクを抑えたいと考えるのです。

従業員の高齢化に伴い、退職金支払いの原資を確保し続けることが経営の重荷になってきているのです。

<退職一時金廃止の影響について>

退職一時金を廃止した企業の多くは、前払い退職金として給与に上乗せしたり、会社が掛け金を全額負担して従業員がその運用商品を選ぶ「企業型確定拠出年金」という形を取ります。

つまり、退職金というまとまった現金が入らなくなる代わりに、毎月の給料が増え、それを在職中自己責任で資産形成していく必要が出てくるということです。

また、長く勤めないと損をするということがなくなるため、転職もしやすくなります。

企業は毎月の支払額が決まるため、長期的な財務計画を立てやすくなります。

<退職一時金廃止のメリット>

退職一時金廃止のメリット・デメリットを従業員側と企業側の両方から整理してみましょう。

(従業員側のメリット)

  • 在職中の報酬総額が明確になるため転職しても損をしないようになる。

  • 前払い退職金として増えた給料を自分で積み立てて運用できるので、その運用結果次第で元本を大幅に増やせる可能性がある。

  • 「企業型確定拠出年金」は転職先に持ち運ぶことができる。

(企業側のメリット)

  • 将来の支払いリスクが確定するため財務が健全化する。

  • 人件費を予測しやすくなり、経営が安定する。

  • 転職者を採用しやすくなる。

<退職一時金廃止のデメリット>

(従業員側のデメリット)

  • これまで積み上げてきた後払い賃金としての退職金の期待値が下がる。

  • 自分で運用することに不向きな人には、運用先によっては元本割れリスクがある。

  • 運用せずに使ってしまうと、老後破産につながる危険がある。

  • 給料上乗せで金額が増える分、所得税や社会保険料が上がる。

  • 一時金としての退職所得控除が受けられなくなる。

(企業側のデメリット)

  • 長期勤続者へのインセンティブが弱まりモチベーション低下を招く。

  • 既存社員と新規入社社員との間で不公平感が高まる。

  • 会社への帰属意識が低下し、定着率が下がる。

  • よって優秀な人材が流出する。

  • 転職増加によるノウハウの流出懸念がある。

<今後の対策>

退職一時金が廃止された会社に勤めている場合、退職金に頼らない資産運用を早い段階から行っていく必要があるでしょう。

退職金の代わりに増えた分は、必ず資産形成に回す必要があります。

銀行預金などの元本保証商品以外の、リスクはあるものの運用成果の大きな商品を研究していくことも重要です。
企業もそれを支援するような投資教育を実施したりする義務もあるかもしれません。

また福利厚生面や給与水準そのものについて従業員が不利益にならないようにしていく必要もあります。

<今後予想される展開は>

今後はその会社で得られる報酬と経験を、いかにして自分の長期的な人生設計に組み込んでいくかが重要です。

これまでは退職金を企業が代わりに積み立ててくれていましたが、これからは自分で積み立てていかなければ老後資金がなくなってしまいます。

泣くのも笑うのも自分次第という少々厳しい時代になって行くのです。

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