「仕方ないか」と言うのはやめにしよう
「仕方がない」、関西弁では「しゃあない」を頻繁に口にする人がいます。
「難しそうやし」、
「めんどくさいし」、
「どうせでけへんわ(出来ない)」と言って辞めてしまうのです。
本当にそれでいいのでしょうか。
何かできることはないのでしょうか。
もちろん全く無理な場合もあるでしょう。しかしそんなにすぐに、何かする前から仕方ないからとやめてしまうのはもったいないと思います。
この「仕方がない」というのはどのような気持ちから生まれるのか考えてみましょう。
<心理的背景>
(現実を受け入れる)
「これはどうしようもないよ」、
「どうにもならないことだよ」、
こうした抵抗しても変えることのできない状況を受け入れ、自分の心を納得させる、諦めの言葉です。
深い無力感に対する一種の自己防衛本能で、無意識にストレス軽減をしようとするものです。
(責任を軽くする)
「自分が悪いわけではない」、
「自分のせいではない」、
やらないこと、できないことへの罪悪感を和らげ、責任を軽くする働きがあります。
「頑張ったけれどもできなかった」ということになれば、失敗の責任は自分自身にあるということになってしまいますが、「仕方がない」とすることで失敗の原因は自分以外にあるとすることができ、自分の評価に傷がつくことを避けることができるのです。
そうなるくらいなら現状維持でいいと甘んじているのです。
(日本の「和」の精神)
日本社会は「和」を重んじるため、不満や怒りを抑え込むことがあります。西洋的な「Change it if you do not like it(嫌なら変えろ)」とは全く違いますね。
集団や他者との調和を重んじ、個人の強い主張や対立を避け、空気を読んで波風を立てないようにする心理が働くのです。
「我慢は美徳」という考え方です。
結果として自分の意思を抑え込んで納得しようとするのです。
<心理的影響>
これは良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか。
(ポジティブな側面)
* 自分でコントロールできないことを受け入れる時には、無駄なストレスを減らして心を落ち着かせる効果があります。
* そして「次に出来る事を考えよう」と前向きな行動につなげることができます。
* 人間関係の摩擦を避けて、和を保つことができます。
(ネガティブな側面)
* 本当は変えられるのに、諦めてしまうと、改善出来る事や挑戦できることがなくなり、成長する機会を逃してしまいます。
* 思考停止になって、主体性を失い、責任回避の口実になってしまいます。
* 繰り返していると、次第に「何をやっても無駄だ」と無力感が大きくなり、自己否定に陥ってしまいます。

<「仕方がない」を使いこなす>
こうした「仕方がない」を前向きに使うためには、「仕方がない」と終わりにするのではなく、新なた出発点とすることが重要です。
*それにはまず、「自分で変えられることか」、「変えられないことか」をよく考えてみることです。
状況を整理し、仕分けするのです。
* そして「仕方がない」の次に、「だから~」をつけて、「仕方がない、だから次はこれをやってみよう」、「仕方がない、だから相手を変える事よりも自分の対応を」というように次の行動につなげるのです。
* 自分ではどうしようもないことでも、「不運だ」と片付けるのではなく、代わりのことを見つけるきっかけにすることもできます。
「雨だ、仕方がないから家で読書でもしよう」、「仕方がない、別の方法を考えよう」、「仕方がない、でもおかげで休める」などといって切り替えるのです。
このように、消極的なあきらめの「仕方がない」ではなく、次の行動につなげ、新たな可能性の扉を開くカギとなる言葉にしなければならないのです。
うまく「仕方がない」を使いこなしてください。
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