店長になったら最初に読む本 ~店長として成果を出すための実践教科書~
「店長になりました。」
その報告を受けたとき、多くの人はうれしさと同時に不安を感じます。
これまで副店長として働いていた人なら、なおさらでしょう。
なぜなら、副店長と店長は似ているようで、実はまったく違う仕事だからです。
副店長時代は、自分が率先して動けば何とかなりました。
売場が乱れていれば直す。
人手が足りなければ自分が入る。
トラブルが起きれば自分で対応する。
しかし店長になると、それだけでは通用しません。
店長は「自分が頑張る人」ではなく、「店全体で成果を出す人」だからです。
売上が上がらない。
スタッフが育たない。
採用してもすぐ辞める。
クレームが増える。
忙しいのに結果が出ない。
こうした問題に直面したとき、店長は原因を見つけ、改善し、店を成長させていかなければなりません。
つまり、プレイヤーからマネージャーへ変わる必要があるのです。
私自身、長年店舗運営の現場に携わってきましたが、成果を出す店長には共通点があります。
それは「店長の仕事とは何か」を正しく理解していることです。
逆に成果が出ない店長ほど、現場作業に追われ、自分一人で頑張ろうとします。
その結果、スタッフは育たず、店長自身も疲弊してしまいます。
この記事では、これから店長になる人、店長になったばかりの人、そして店長としてさらに成長したい人に向けて、店長として押さえておくべき基本と実践を体系的にまとめました。
売上管理、人材育成、採用、評価、顧客管理、クレーム対応、時間管理など、店長に必要な知識を一つひとつ解説していきます。
また、単なる業務マニュアルではなく、「なぜそうするのか」、「成果を出す店長は何を考えているのか」という部分まで踏み込んでお伝えします。
以前に書いた店長の仕事シリーズと併せてお読みください。
店長は大変な仕事です。
しかし、自分が育てたスタッフが成長し、店が良くなり、お客様に喜ばれる姿を見ることができる、とてもやりがいのある仕事でもあります。
この本が、あなたの店長人生の良いスタートになれば幸いです。
それではまず、「店長の役割」から見ていきましょう。
<第1章 店長の役割>「店を回す人」ではなく「店を成長させる人」

店長になったばかりの人が最初に勘違いしやすいことがあります。
それは、「自分が一番仕事ができる人にならなければならない」という考え方です。
確かに、副店長時代まではそれでも成果を出せたかもしれません。
売場づくりが得意。
接客が上手。
商品知識が豊富。
スタッフからも頼られる。
だから店長に昇格したのでしょう。
しかし店長になると、求められる役割が変わります。
店長は「自分が成果を出す人」ではなく、「店全体で成果を出す人」です。
例えば人手不足の日があったとします。
優秀な副店長なら、自ら売場に入り、接客し、レジに立ち、現場を回すでしょう。
もちろんそれも大切です。
しかし店長の場合、それだけでは不十分です。
なぜ人手不足になったのか。
採用は適切だったのか。
教育は十分だったのか。
シフト管理に問題はなかったのか。
再発防止のために何をすべきか。
そうした原因を考え、仕組みを改善することが店長の仕事です。
目の前の問題を解決するだけでなく、同じ問題が二度と起きないようにする。
これが店長と副店長の大きな違いです。
私はこれまで多くの店長を見てきましたが、成果を出す店長ほど「自分が頑張ること」にこだわりません。
その代わり、「どうすればスタッフが動けるか」、「どうすれば店全体のレベルが上がるか」を考えています。
店長の仕事はプレイヤーではなくマネージャーです。
現場で活躍することも必要ですが、それ以上に店全体を見渡し、店を成長させることが求められます。
では、店長は具体的に何に責任を持つのでしょうか。
私は店長の責任は大きく4つあると考えています。
それが、
・売上
・人材
・顧客
・ブランドです。
売上を作ること。
人を育てること。
顧客満足を高めること。
そして会社やブランドの価値を守ること。
この4つが店長の重要な役割です。
ここから先は、この4つの責任についてさらに詳しく解説しながら、店長として持つべき視点をお伝えしていきます。
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