建築設計×AI最強活用法〜AIを「記憶のパートナー」に選んだ理由。
建築家の仕事の「9割」は、探し物でできている。
……というのは言い過ぎかもしれないけれど、あながち嘘でもない。
一つの建物が建つまでに、どれくらいの書類が生まれるか想像できるだろうか?
図面、議事録、見積書、行政との協議記録、現場写真、数え切れないほどのメール。
その数は、プロジェクトが終わる頃には数千、数万ファイルに膨れ上がる。
「あの時の打ち合わせで、クライアントはなんて言ってたっけ?」
「衛生設備の変更、ちゃんと図面に反映されてる?」
これを確認するために、過去のメールを検索し、フォルダの海を彷徨う。
その時間は、何も生み出していない。ただの「捜索」だ。
クリエイティブであるはずの建築家が、情報の整理係になってはいけない。
そう思った僕は、ある「新しいスタッフ」を雇うことにした。
GoogleのAI、Gemini(ジェム)だ。
彼は、すべてを覚えている
彼(AI)の仕事場は、クラウド上の「NotebookLM」という保管庫だ。
僕はプロジェクトが始まると、そこに全ての資料を放り込む。
図面のPDFも、打ち合わせの音声データも、行政の指導要綱も、すべてだ。
そして、彼にこう指示する。
「君はこのプロジェクトの専属マネージャーだ。矛盾があれば指摘してくれ」
彼は文句ひとつ言わず、膨大な資料を読み込む。
そして、僕が「あの件、どうなってたっけ?」と聞けば、0.5秒で答えてくれる。
「先月の定例会議事録によると、クライアントは『待合室のソファは汚れにくい素材がいい』と要望されています。ですが、現在の仕様書ではファブリック(布地)になっています。変更が必要ではありませんか?」
……完璧だ。
人間なら忘れてしまうような些細な会話も、彼は絶対に忘れない。
「言った言わない」が消えた日
建築現場で最も怖いトラブルの一つが、「言った言わない」問題だ。
記憶は曖昧だし、議事録に書き漏らすこともある。
けれど、今の僕には最強の証人がいる。
「この変更、いつ決まったんだっけ?」と聞けば、彼は「12月4日の議事録の、開始20分頃の発言に基づいています」と、ソース付きで教えてくれる。
この安心感は、何物にも代えがたい。
背中を預けられる相棒がいるからこそ、僕は現場で堂々と振る舞えるし、クライアントとの対話に集中できる。
AIは、僕たちを「雑務」から解放する
「AIに仕事を奪われる」と怖がる人もいる。
でも、僕の実感は逆だ。
AIは、僕たちから「クリエイティブじゃない仕事(=雑務)」だけを奪ってくれる。
書類探しや、整合性チェック。
そんな「守り」の業務をAIに任せることで、ようやく建築家は本来の仕事――「人の心を動かす空間をつくること」に没頭できるようになったのだ。
僕の隣には今も、24時間眠らず、文句も言わず、すべての図面を記憶している「彼」がいる。
おかげで今日も、僕は良いデザインが描けそうだ。
▼ もっと詳しく知りたい方へ
「AIをどうやってプロジェクトマネージャーにするの?」
「Gemini Gems(ジェム)の設定方法は?」
そんな具体的なノウハウを知りたい同業者の方や、プロジェクト管理にお悩みの方に向けて、事務所の公式ブログで「AIマネージャー構築マニュアル」を公開しています。
今日から使える実践的な内容ですので、ぜひご覧ください。
📖 記事を読む:【建築DX】最強の相棒「AIプロジェクトマネージャー」の作り方(KTXアーキラボ公式HP)


【この記事を書いた人 松本哲哉】
KTXアーキラボ代表・一級建築士・大阪芸術大学非常勤講師
イタリアDAC認定世界デザイナーランキング(建築部門)9位(日本国内1位)
▶ウィキペディア 松本哲哉(建築家)
【お問い合わせ先】
KTXアーキラボ一級建築士事務所
東京都港区南麻布3-4-5 エスセナーリオ南麻布002
兵庫県姫路市船丘町298-2 日新ビル2F
(事業内容)
建築設計・内装デザイン
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