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浴びた光を「見える化」する #28

これまでの記事で光の効果についてお伝えしてきました。
いまでは「光を浴びると体に良い影響がある」という話題を耳にする機会も多いでしょう。
しかし、その具体的な“測り方”や“見える化の方法”を知るのは、まだ難しいのが現状です。

では実際に、自分がどれだけ光を浴びているか知っていますか?
今回は、その取得方法の一例をご紹介します。


1. なぜ「光の可視化」なのか

光は体内時計・睡眠・メンタルに直結する大切な要素です。
「今日は外に出たから大丈夫」と思っていても、本当に必要な光を浴びられているでしょうか。
その答えを確かめるには、屋外で浴びた“意味のある光”を見える化する仕組みが必要です。

2. 何を見ればよい?

基本は 「強さ × 時間 × タイミング」 です。

(1) 強さ(照度)

屋外は屋内より桁違いに明るく、実測研究では屋外の多くが1,000 lux以上、一方で屋内は概ね500 lux未満に留まることが示されています(Bhandary et al., 2021)。

(2) 時間(滞在時間)

光を「どのくらい浴びたか」を示す基本的な指標です。
ただし一般ユーザーがルクスを常時ログするのは大変なので、まずは屋外にいた“時間”を可視化することから始めるのがおすすめです。

(3) タイミング

同じ光でも、浴びる時間帯によって効果は変わります。
朝の光は体内時計の調整に役立ち、夜の強い光は睡眠を妨げる要因になります。

3. Apple Watchの「Time in Daylight」で自動記録する

何が記録される?

Apple Watchの環境光センサーが、1日のうち日光下で過ごした時間を自動的に推定し、iPhone「ヘルスケア」に履歴として表示します。ルクス値そのものは表示されませんApple Support)。

対応機種(WatchOS 10対応モデル)

どこで見る?

iPhone「ヘルスケア」アプリ → [ブラウズ]→[その他のデータ]→[日光の下で過ごした時間]
※環境やバージョンにより表示場所が変わる場合があります。

日光下の時間の表示例

4. このデータで何がわかる?

  • 日・週・月ごとの屋外“時間”推移(不足日が一目でわかる)

  • 朝の屋外時間の確保状況(ルーティン改善の指標)

屋外は高照度になりやすいため、朝の屋外時間を増やすことは“体内時計に効きやすい光”を浴びる機会を増やす実践策となります(Chaurasiya et al., 2024)。

5. 手首で測って意味はある? ―― 限界と上手な使い方

研究では、手首・胸・眼レベルで測定値に系統差が生じることが示されています。眼レベル、は手首より低めに出やすく、完全な同等ではありません
ただし、行動指標として屋外“時間”を把握するには実用的な近似ということが学術的に言われています(Wen et al., 2023)。

注意点

  • 長袖やコートでセンサーが覆われると過小評価になる

  • 窓際の室内は明るくても「屋外」と判定されないことあり

  • アルゴリズムは非公開で、厳密なルクス換算は不可

6.まとめ

光を自動で測る方法はまだ限られていますが、Apple Watchの「Time in Daylight」はその中でも実用的な選択肢のひとつです。
まずは屋外で過ごした時間を見える化することから始めてみませんか?

参考文献

  • Berson, D. M., Dunn, F. A., & Takao, M. (2002). Phototransduction by retinal ganglion cells that set the circadian clock. Science, 295(5557), 1070–1073.

  • Bhandary, S. K., et al. (2021). Ambient light level varies with different locations and time points in a day. PLOS ONE, 16(7), e0254027.

  • Chaurasiya, R. K., et al. (2024). Outdoor illuminance patterns: Median light levels across times of day. Indian Journal of Ophthalmology.

  • Wen, L., Liu, H., Chen, Z., et al. (2023). Effect of mount location on the quantification of light intensity in myopia study. BMJ Open Ophthalmology, 8, e001409.

参考情報

  • 厚生労働省. (2023). 健康づくりのための睡眠ガイド 2023.

  • Apple Support. See time spent in daylight on Apple Watch.

  • Apple Support. About watchOS 10 updates.

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