SERPが揺れる中でAIOとSEOの狭間をどう考える?
最近、検索結果を見ていて「これが出んのか?」と思うことが増えた。
キーワードに対してズレた内容が上位に出ていたり、そのキーワードの先を扱う記事が混ざっていたりする。
もちろん、こういうズレ自体は昔からあった。
ただ最近は、そのズレがミスというより、意図した設計として起きているようにも見える。
おそらくAIOの影響もある。
検索は「自分で探すもの」から、「とりあえず聞けばそれっぽく返ってくるもの」に少しずつ寄ってきている。
ただ、その過渡期のせいか、検索結果(SERP)は少し落ち着きがない。
良く言えば柔軟、悪く言えば手探りで何をしたいのか分かりづらい。
では、この状況でSEOは何を基準にすればいいのか。
検索結果に寄せるべきか、
それともキーワードに対して愚直に答えるべきか。
SERPが揺れていると感じる理由
あくまで、日々検索結果を見ている中での観測ベースの話になるが、
最近のSERPにはいくつか共通した違和感がある。
例えば「○○ デメリット」のようなキーワードで検索した場合、
本来であればデメリットを把握するための情報が中心になるはずだ。
ただ最近は少し様子が違う。
デメリットそのものの説明はAIO側で簡潔にまとめられ、
検索結果側には、
とは(定義)
特徴
メリット・デメリット
方法
効率化やアイデア
といった、周辺情報や別軸の内容がすべてではないが並ぶことがある。
もちろん、それぞれの情報に価値がないわけではない。
ただ、検索キーワードに対しての適合という観点で見ると、
少なくとも「デメリットを知りたい」という意図に対してはブレている、
とも言える。
もう少し広い言葉になると、その傾向はさらに強くなる。
情報を知りたい人
判断したい人
行動を決めたい人
といった異なる意図が、検索結果の中に混在する。
ここまでくると、良く言えば多様性だが、
悪く言えば、そもそも検索結果として成立していないのではないか、
と感じる場面もある。
こうした「ズレ」「広がり」「先回り」が同時に起きている結果、
特に今、「SERPが揺れている」と感じている。
検索結果は答えより状態に寄って見える
これまでの検索結果は、
ある程度「このキーワードであればこの情報」という収束があった。
今も基本的にはこの構造であるとは思う。
もちろん完全ではないにせよ検索する側も「これを知りたい」と思って検索し、それに対してある程度素直に答えが返ってくる構造になっていた。
ただ、その構造がAIOの登場により、少し調整しているように感じる。
キーワードに対して、
情報を知りたい
判断したい
行動を決めたい
といった、異なる段階の意図が同時に並ぶことが増えている。
そしてそれぞれに対して、それっぽく答えているコンテンツが並ぶ。
その結果として、
どれも間違ってはいないが、どれが今この検索に対する答えかは曖昧、
という状態が生まれている。
これは単に検索精度が落ちているというよりも、
検索結果が、単一の問いに対する答えではなく、
「ユーザーの意図の状態そのものを可視化しようとしている」
ような挙動に近いのではないだろうか。
AIOがある程度の答えを先に提示する一方で、検索結果側ではその周辺や先の意図を含めて並べる。
そう考えると、
「答えはAIOで提示し、検索結果はその前後を含めた状態を見せている」
とも捉えられる。
この変化によって、検索結果はより柔軟になったとも言えるが、
同時に「何をもって正解とするのか」が分かりづらくなってきている。
しかも、まだGoogleは試行錯誤中なのがわかるぐらいに結果が揺れている。
検索キーワードの拡大解釈が目についている
ここまで見てきた通り、検索結果は単一の答えではなく、意図の連なりや状態を見せる方向に寄ってきているように見える。
ただ、その中で気になるのが、
キーワードに対して適切ではないコンテンツが上位に並んでいるケースだ。
これはシンプルに、「検索キーワードの意図を拡大解釈しすぎている」結果ではないかとも感じている。
本来であれば、そのキーワードで求められている情報に対して、できるだけ直接的に答えるべきだが、
現状はそこから少し広げた内容や、先の意図まで含めたコンテンツを並ばせたいという考えが透けて見える。
その結果として「検索結果として適切なのか、少し疑問が残る場面がある」というのが正直なところだ。
これはSEOとして見てもどうなのか、と思う部分でもあるし、実際にそのキーワードを検索する立場で見ても、
「結局どのページを選べばいいのか分かりにくい、もしくはない」
と感じることが増えている。
もちろん、より多くの意図を拾おうとしている、いわば受け皿を広げる方向に動いている結果だとも考えられる。
しかし、とにかく網羅したいだけの詰め込み記事が目につくようになっているような逆行した現象も見受けられる。
そして、その過程で、キーワードに対する適合性という意味ではブレが生まれている。
重要なのは、そのブレに合わせることを「正解」としてしまうのは安直であり、時期尚早ではないかという点だ。
AIOとSEOの狭間で何が起きているのか?
現在の検索結果の変化の大きな要因は、AIOの出現による、従来の検索の役割の変化だと考えている。
AIOは、複数の情報をもとに、ある程度まとまった「答え」を提示する。
そのうえで、検索結果(SERP)は、その答えの周辺や前後の意図を含めて並べるような挙動になっている。
構造としては、
AIO:答え(圧縮・要約)
SERP:状態(意図の分布・連なり)
という分担にしようとしているのではないか。
この構造になると、本来検索結果の中で完結していた「答え」がAIO側に寄り、検索結果側にはその前後や別軸の情報が混ざるようになる。
その結果として、
キーワードに対してズレた内容が混ざる
意図の異なるコンテンツが並ぶ
どれが最適か分かりにくくなる
といった状態が生まれてきているのは試行錯誤としては理解できる。
さらに、このことから考えられるのは、
「ユーザーがAIOである程度の情報を把握した後に検索結果を見る」
という前提で、SERPが設計されている可能性だ。
AIOで、
基本的な定義
大枠の理解
キーワードに対する概要
といった最低限の情報はすでに取得されている。
その状態で検索結果を見るとすれば、
もう少し詳しく知りたい
自分に当てはめて判断したい
次の行動を考えたい
といった、次の段階のニーズが生まれているはずだと考えているのかもしれない。
そう考えると、検索結果には「すでにある程度理解している前提」で、その先を見据えているようなモノを提示しているつもりと解釈することもできる。
ただし、この前提にはズレもある。
すべてのユーザーがAIOを読み込んでから検索結果を見るわけではない。
もっといえば、AIOの内容が良くないことすらある。
だから、網羅記事のようなものの復活に寄っているケースもある。
その結果として、意図や行動が違うユーザーを雑にまとめられてしまい、
検索結果自体の精度が低いと感じる要因にもなっている。
こうした構造を踏まえると、
「答えはAIOで提示し、検索結果はその前後を含めた状態を見せる」
という分担が進んでいる一方で、
「その前提がユーザー全体にフィットしていない」
ことが、AIOとSEOの狭間に感じている揺れの正体なのではないか。
揺れるSERPの中で何を基準にすべきか
検索結果は揺れている状況の中で何を基準にSEOを考えるべきか。
結論はシンプルで、「検索結果よりキーワードに対してユーザーが最終的に求めているもの」ここに軸を置くことだと思っている。
例えば「デメリット」であれば、
リスクを把握したい
自分に当てはまるか判断したい
やるかどうかを決めたい
といった流れになる。
この最終的な欲求を見据えて、
キーワードに対してズレずに答える
必要な情報を過不足なく提示する
判断できる状態まで持っていく
これが一つの基準になる。
検索結果がどうであれ、この軸自体は変わらない。
むしろ、検索結果が揺れている今だからこそ、
「外側の変化ではなく、内側の基準を持っておくこと」
の重要性は上がっている。
さらに言えば、今の検索結果の状態を見ると、
キーワードに対して結果がブレている
そもそもキーワードを使用していないコンテンツが表示されている
といったケースも増えている。
これをそのまま受け取ってしまうと、
キーワードに寄せすぎる必要はないのではないか
キーワードを使わなくても評価されるのではないか
という考え方にも繋がりかねない。
ただ、ここには注意が必要だ。
「キーワードを起点にしない設計は、基準そのものを失いやすい」
という点だ。
検索結果がブレているからといって、こちらまでブレてしまうと、
何に対して答えているのか
誰に向けたコンテンツなのか
が曖昧になる。
結果として、
「どの検索にも強く刺さらないコンテンツ」になってしまう可能性が高い」
だからこそ、
「キーワードに対しては、あくまでキーワードに対するアプローチを持つ」
ことが前提になる。
その上で、
「そのキーワードだけではカバーしきれない意図や結果が存在する」
という前提も持っておく必要がある。
つまり、
キーワードに対しては明確に答える
ただし、その通りの結果にならない可能性も織り込む
この両方を持った状態で設計していくことが重要になる。
AIOとSEOの狭間で考えるコンテンツ設計
こまでの前提を踏まえると、コンテンツ設計の考え方も少し変わる。
キーワードに対して最適な答えを作るという発想だけでは、今の検索環境ではフィットしにくくなっているからだ。
検索結果は揺れており、意図は混在し、AIOが先にある程度の答えを提示している。
つまり、「設計通りに評価されるとは限らない前提」で考える必要がある。
キーワードに対するユーザーの状態で考える
たとえば、ユーザーの状態を整理して考えてみよう。
A:知りたい(情報取得)
B:判断したい(比較・検討)
C:行動したい(意思決定)
同じキーワードでも、この3つの状態が混在する場合がある。
だからこそ重要なのは、どの状態を主軸にするかを決めつつ、他の状態にも接続できるようにすることだ。
Aには明確に答える(ズラさない)
Bに進むための判断材料を置く
Cに進むための導線を持たせる
ただし、すべてを同じ強度でやる必要はない。
主軸はあくまでキーワードに対する適合に置く。
外した場合は、考えられるパターンで主軸をずらして作成するなどの工夫をしなくてはいけなくなる回数が増えるかもしれない。
キーワードに対しては点と面で考えてみる
キーワードに対しての考え方も工夫しなくてはいけない。
基本は設定したキーワードに対してコンテンツを作る。
ただし実際には、「設定したキーワード以外で順位を獲得する」ケースは昔からあるが、このパターンが増えていく気配がある。
例えば、
「デメリット」で作った記事が「比較」で上がる
「比較」で作った記事が「おすすめ」で評価される
といったズレだ。
だからこそ、1つのキーワードに対して1記事で当てにいくのではなく、複数のキーワードで面を作る、という考え方が必要になる。
例えば、
KW1:デメリット
KW2:比較
KW3:おすすめ・選び方
といったように、意図の異なるキーワードを用意する。
そしてそれぞれに対してコンテンツを作る。
ここで重要なのは、
「KW1で作ったものがKW1で当たるとは限らない」
という前提を持つことだ。
KW1で作った記事がKW2で評価されるかもしれない
KW2で作った記事がKW3で当たるかもしれない
つまり、狙い通りに当たることもあれば、ズレて当たることもある。
この頻度が高まる前提で考えておく意識が必要かもしれない。
変わる検索と変わらないコンテンツの軸
現時点では、キーワードに対してストレートに答えているコンテンツはまだ強い。
一方で、検索結果の側では意図の拡大解釈や先回りが強まり、ズレや広がりも確実に増えている。
ただ、ここで軸まで揺らす必要はない。
言葉があり、ユーザーがいて、その意図に対してどう応えるか。
これはSEO以前に、サイトやサービスとして本来持っておくべきコンテンツの話だ。
そのキーワードで何を求めているのか
どこまで答えるべきなのか
どうすれば判断できる状態にできるのか
この軸は変わらない。
変わるのは、その届け方だ。
検索結果の構造が変わり、AIOが入り、意図の取り方が広がる中で、同じ内容でも「どう届けるか」「どこで見せるか」は状況に応じて変えていく必要があるだろう。
だからこそ、
「通用しているものは継続しつつ、起こり得る変化に対して準備しておく」
この両立が重要になる。
そして、もう一つ前提として、
サイトやサービスにとって本当に必要な情報、ユーザーが求めている情報は、最初から用意しておくべきだと思っている。
あとは、それをどう届けるかの問題でしかない。
逆に言えば、届け方だけをいくら最適化しても中身が伴っていなければ意味がない。
結局のところ、良い情報をきちんと発信するという本質自体は変わっていない。
検索結果の見え方や評価のされ方は変わっても、
「ユーザーにとって価値があるかどうか」という基準自体は一貫している。
そこに関しては、Googleはブレていない。
検索がどう変わろうと、
キーワードに対して適切に答える
ユーザーの行動を前に進める
このコンテンツや情報発信の軸を持ち続けられるかどうか。
結局は、そこに尽きると思っている。
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