見出し画像

長居無用

毎日新聞の夕刊を開くとお年寄りが立っている大きな写真が目に入った。右手に何か持っている。よく見ると「長居無用」と書かれた大きなお札だった。持っているのは元首相の細川護熙さんだ。

「長居無用」、昨今の政治家に、このお札をそっと進呈したいらしい。ひとつ仕事をしたらさっさと交替しろと。なるほど。

そうだ、このお札、いただきだとひらめいた。

数日後に、以前勤めていた会社の創立記念パーティに招待され、最後にひとこと挨拶しろと頼まれていた。「長居無用」、〆の言葉にはもってこいだ。

パーティにはOBと現役のみなさんが参加すると聞いていた。若い人がいると、ここぞとばかりOBの連中は「古典落語」を始める。

「むかしはこんなだった」
「オレのいるころは」
「今の連中は」
「それじゃだめだよ」

時代は変わったんだよ。昔とはちがうんだよ。若いみなさんに任せて。頭ではわかっていても、つい、口に出てしまう。

さて、〆の挨拶は、細川さんの写真を映しながら、これで。
「OBのみなさん、我々は『長居無用』。これからのことは若いみなさんに任せて。これでお開きにしましょう」

そうそう、来賓で参加している親会社の社長、もうそろそろじゃないのと皮肉を込めておこう。えっ?先に帰ったって、残念だったなあ。

いいなと思ったら応援しよう!