「スイッチ 人生最高の贈り物」(備忘録的感想)
※2023年12月執筆
人生が入れ替わると言うありがちな設定だが、この映画もプロットがきちんと練りこまれた作品だった。
国民的スターのパク・ガンは、タワマンに住み高級外車を乗り回していた。
ただし性格に問題があり、共演女優に次々と手を付けてはぞんざいに扱い、かつ仕事を一緒にするスタッフたちにも傲慢な態度を取っていたため、業界全体からの評判がすこぶる悪かった。
そんなパクをいつもフォローするのは、かつて小劇団で一緒に演技を勉強した親友で、マネージャーのチョ・ユンだった。
チョはかつて再現ドラマの俳優としてそこそこ名も売れていたが、家族のために早々に俳優に見切りを付け、パクのマネージャーに転身していた。
あるクリスマス・イブの夜、パクはチョを若いころ一緒によく言った店に誘う。
チョは家族が待っているが少しだけパクに付き合い、パクが以前付き合っていたソヒョンが帰国して、個展を開いている伝える。
二人は店を出て、パクは帰宅のためにタクシーに乗った。
そしてそのタクシーで、不思議な体験をする。
パクが目を覚ますと、目の前に二人の子供がいた。
別れたはずのソヒョンが妻となっており、郊外の賃貸の一軒家で家族4人暮らしていたのだ。
悪夢だと思ったパクは、住んでいたタワマンに行ってみるがそこには他人が住んでいた。
国民的スターだったはずなのに、誰も自分の事を知らない。
パクは何が起こったか理解できなかったが、現状を受け入れるしかなかった。
パクの現在の仕事は再現ドラマの俳優だった。
それと並行して小劇団の公演も行っている。
当然だが収入は少ない。
ソヒョンは地元で絵画教室を開いていた。
そして国民的スターになっていたのはチョだった。
パクは再現ドラマの俳優を一生懸命こなそうとするが、演技にこだわることが許されない事を理由にすぐに辞めてしまった。
その後チョのコネでオーディションを受けるが、監督からはパクではなくチョと仕事がしたかったといわれてしまう。
ショックを受けるパクだが、ソヒョンが絵画教室に加えてスーパーのパートを始めていることを知り、俳優を諦めチョから誘われていたマネージャーの仕事を受けることにする。
タクシー乗車以前のパクとチョが、完全に入れ替わった。
だがパクは、そこから家族のために頑張った。
かつてのチョの仕事ぶりを参考にしてマネージャー業をこなし、脇役の俳優が穴を開けたときに回ってきた代役を的確にこなし、評判を得る。
俳優としての仕事も少しずつ入ってくるようになるのだが、今度は俳優時代の自分を反面教師にしてスタッフに気遣いをし、さらに評判を高めていく。
冒頭にも書いたが、設定はかなりありがちである。
しかしプロットがしっかりしており、シナリオもいい。
最初の世界ではセレブな暮らしをしていたパクは、異なる世界に来た直後は庶民的な生活から脱出することばかり考えているが、明るく自分を愛してくれる妻、そして愛らしい子供たちに囲まれ、次第に考えを変えていく。
そのプロセスが、観ていて心が温まる。
クリスマスから1年間を描いた作品であるが、クリスマスシーズンにぴったりの作品だと思った。
129.スイッチ 人生最高の贈り物
よろしければこちらもお読みください
渋谷の墓参り|K2sato
房総高校書道部物語
いいなと思ったら応援しよう!
こんな辺境の文章を読んでいただきまして、本当にありがとうございます!