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「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」(備忘録的感想)

これまでもコミック原作の実写化映画は星の数ほどあったが、原作の再現度で言えば日本映画史上最高と言ってもいいだろう。
キャラクターの魅力が人気の作品だが、そのキャラクターが見事に再現されていた。

隠された金塊の謎を探るため、アシリパ(山田杏奈)と杉元(山﨑賢人)一行は網走監獄を目指していた。
その道すがらアシリパはインカラマッから、インカラマッが子供の頃アシリパの父のウイルク(井浦新)と知り合いだった事、そしてアイヌを裏切って金塊を奪ったのはウイルクではなくキロランケ(内博之)であると教えられる。
一行は疑心暗鬼のまま土方(舘ひろし)たち、そして盲目のスナイパー都丹庵士(杉本哲太)と合流し、網走監獄に到着した。

網走監獄には鶴見中尉(玉木宏)が、部下の宇佐美(稲葉友)を看守として潜入させていた。
宇佐美は網走監獄の内情を調べようとしたが、すぐに監獄長の犬童(北村一輝)に正体がバレてしまい、犬童の部下の門倉(和田聰宏)に殺されそうになるところを逃げ出して、鶴見中尉の元に戻る。

網走監獄にたどり着いた杉元たちは、白石(矢本悠馬)の提案で地下を掘って監獄内に潜入することにした。
看守の門倉は犬童の部下であったが、実は父親が維新の時に土方とともに政府軍と戦った武士で、土方の呼びかけで杉元たちを手助けする準備をしていた。
門倉の導きで杉元と白石はのっぺらぼうに会うが、のっぺらぼうは犬童が用意した偽物で、大声をあげて侵入者を看守に知らせた。
しかものっぺらぼうが偽物である事を土方は予測しており、侵入者が偽物ののっぺらぼうと接触すれば、犬童は本物ののっぺらぼうの様子を観に行くと考え、杉本と白石をおとりにして、自分たちは犬童の後を付けていた。
一方その頃鶴見中尉の第七師団は網走監獄に到着、大湊警備府司令官鯉登平二少将(國村隼)の協力を得て駆逐艦を用意し、網走監獄を囲む堀から砲撃を始めた。

原作の網走監獄編を、ほぼ網羅した内容だった。
都丹庵士は重要人物なので外すことはできないが、ラッコの肉を食べて相撲を取るエピソードまで取入れられていた。
もっともこのエピソードも、男たちが相撲を取っている間にアシリパはインカラマッから自分が生まれる前のエピソードを聞いているので、必要なシーンではある。
しかし、男だけの状態でムラムラするという状況まで、きっちり再現するとは思わなかった。

「北海道刺青囚人争奪編」の時にも書いたが、アイヌの生活様式や明治期の日本とロシアの関係を表現している事に加えて、変態キャラが暴れまわる部分も作品が人気になっている要因だ。
この変態キャラの実写の再現が秀逸である。
今回で言えば、稲葉友の宇佐美が素晴らしかった。
二階堂(柳俊太郎)、鯉登音之進(中川大志)は出番が少なく、変態キャラは宇佐美の独壇場と言ってもいいだろう。
それに加えて和田聰宏の門倉もよかった。
冒頭ではただの使えない中間管理職のように見せて、中盤以降は維新で散った父の無念を継ぐキャラになっている。
それ以外のキャラの再現度も非の打ちどころがなかった。
おそらく制作陣、そして役者陣の、原作への強い愛がなせる技だろう。

少々ネタバレになるが、ラストもほぼ原作通りだ。
この作品で完結にはせず、樺太編へと続く終わり方になっていた。

ただ問題は、映画が始まる前の予告編で、「キングダム」の新作の予告が流れた事だ。
映画版「キングダム」は王騎将軍が死んだ前作で一区切りがついたので、主演の山﨑賢人と脚本の黒岩勉は「ゴールデンカムイ」に専念するのかと思ったが、そういうわけではないようだ。
「キングダム」はまだ原作も連載中なので、そちらの映画シリーズの続編が続けば、「ゴールデンカムイ」の続編は製作は厳しくなるかもしれない。

「キングダム」は原作を読んでいないという事もあるが、個人的には「キングダム」よりも「ゴールデンカムイ」の製作を優先して欲しいと願う。

48.ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編

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